旧車バイク屋がバイク屋さんで購入

少し前ですが2015年のニンジャH2を
購入いたしました。

伝手だけでなく片っ端から連絡を取ってあちこち探し、
1台表に出ていないH2が見つかったのですが、
今は販売できないとのことであっさり撃沈。

それでもこっそり教えてくれるだけでも感謝です。
いい人ですね。

その後これは時間をかけても
こちらの希望にかなうものは簡単に見つから
ないと考え、その時に普通にショップさんで
売られていた数台の中で、当社が一番良いと
思ったものを購入いたしました。

こういう物は1台になってから買うより
選べるうちが良いのです。

H2については当然エンジンをばらしたりの
大掛かりなことは一切しないので、
走行距離の多い少ないよりも、
適度に動かされており、かつ、いつものように
できるだけ改造されていないもの、
そして全体のコンデションから決めました。

走行距離が少ない物でも
完全に動かしていない状況が長いと、
ゴムやシール類の劣化や、錆などで動きが
悪くなってしまうものもあるからです。

ただし、前回納品したCB750Fのように
全バラで整備やレストアするときは
そういう部分は全て交換したりしますから
距離は少ない方がよいです。

結果として、走行距離約13000キロの
フルノーマル車を手に入れました。

買った店ではこういう特殊なバイクなので
物腰柔らかでも値段は強気。

特に業販的な値引きもなかったのですが、
現状販売、保証なしとしてもらい、
余分な諸費用を払わなくて済む状態で
売ってもらいました。

たまにはバイク屋さんから購入してみるのも
良いものです。
いくつか感じる所がありました。

まず購入は写真だけ見てすでに
買う事を先方さんに伝えていました。
一度電話で問い合わせをして、
その後こちらでH2についての情報を集め、
2回目の電話時には購入を伝えました。

店の方はやや驚いていたようですが、
この辺は経験がありますし、旧車バイクより
難しいことは少なく判断はしやすい。

旧車バイクの良い状態のものと同様、
この手のバイクは売れる時は一瞬です。

ですので迷っている時間はありません。
結果論ですが、当社がH2を手に入れて2日後
なんとなく同時期に売られていた数台を
再確認すると、なんと全てなくなってしまって
いました。こういうもんです。

今日も再確認しましたが、出ているのは
いまいちなコンデションものが1台のみ。

車両がこちらに届き、試乗確認すると
まずレバー類の高さがいまいちで
特にクラッチレバーが高すぎ。
これだけで本当に乗りにくい。

前傾ポジションのバイクですからなおさら
乗っていられない。

ハイパワーモデルは特にこういうところが
きちんと調整されていないと危ない。
他のレバー、ペダルも調整しなおしましたが
こちらは我慢できるぐらいのものでした。

ただ、ひどかったのはサスセッティング。
イニシャル、ダンパー類全て最弱に
されていました。
リヤが特にひどく、これってただのバネ状態。

どうりで違和感があり曲がりにくいわけです。

このバイクはしばらく当社の試乗車に
なりますから、
一度基本セッティングに戻した後、
誰でもとっつきやすいように
微調整しました。

それだけで断然乗り易く、曲がりやすく
なったのですが、残念に思うのは
前オーナーさんです。

購入したバイク屋さんにも聞きましたが、
現状販売ですから軽く掃除したくらいで
何も触っていないわけです。

という事は前のオーナーさんが
乗っていた時はこのダメダメセッティングで
乗っていたことになります。

わざわざイニシャルやダンピングを
全て抜いてから売る人なんかはいませんから。

アクセルの遊びも多すぎでしたし、
レバー類の高さもダメ。
そしてサスセッティングもダメ。

200PSのバイクもこれではその良さを
知ることはできず、乗りにくかったろうな
と思います。もったいない。

状態を詳しく見ると、飛ばさず、
普通にツーリングに使っていたようです。
大切にされていた感があちこちにあります。

そのオーナーさんの思いはバイク屋には伝わらず
まともな調整をしてもらえず
きっとそのバイクのよい所を存分に味わうことも
出来ないまま手放す。
もったいないな~としか言いようがない。
皆さんのバイクは大丈夫ですか?

サスセッティングは好みがあるので、
最後はオーナーさんが微調整するもの。
ですが最初の乗り始めはバイク屋さんが
車種ごとに扱いやすいように
ある程度調整してから納品すべきです。

販売車両兼、試乗車のニンジャが先日の日曜日
形になりました。

休みしか時間がとれないので元々状態が
良いのにもかかわらずなかなか完成まで
こぎつけなかったわけです。

レストア屋さんは、
どこも大体自分の持ち物は休みの日に、
というところが多いのではないでしょうか。

お客さんのバイクを作業しないで自分のだけ
というわけにはいかないですから。

試乗車が用意できたのは調べてみると
なんと10年ぶり!

カッコよく仕上がっています。
車検を通しましたらご紹介したいと思います。

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