アクセルのツキ、反応。

私が経営者としてダメなせいでいまだに多くの
現場作業に携わっています。

ポートも削るし、シートカットもする。
エンジンも組むし、マフラーも作る。
分解前、完成後の走ってテストもする。

営業の方であれば、どこでこういうお客様に
何を売った。こういう珍しい物を売ったなどと
いうことになるのでしょうが、私の場合は
全て実際に作業して、実作業で得たことを
公開しています。

フルレストアやなどの作業をしていると
毎回新たに発見があるので、ネタが多すぎて
逆に何を書こうか悩みます。

後はそれを書く時間がとれるかとれないかだけの
ことになるのですが。

そこで今回はアクセルの反応について。
ハンドリングがどうだとか色々ありますが、
何を差し置いても私たちが一般道で乗るのなら、
これが一番優先すべきことです。

一般道ではいろんなところを走ります。
その中で微細にアクセルを開け閉めしています。
そこの反応が忠実でなければ、
車体側の反応もぼんやりとした反応になります。
これが退屈で面白くない。

スペックで150馬力あって、300キロでると
言っても、アクセルの微細な開け閉めに対して
忠実に反応しなければ何の面白みもない。

つまり乗り手が100馬力出せ。
とアクセルを開けても、
今はギヤが低くて速度も低いから危ない。
今の条件では50馬力しかダメです。
というのがユニットの答えならば
加速は50馬力分しかしてくれないのです。

これがキャブ車であれば
アクセルを開けた分だけ加速する。
ただし、エンジンとキャブの調子が良けれですが。

古いバイクに乗っていると、通常キャブ車になります。
キャブと言えば古臭い機械の様に感じるかも
しれませんが、これがツキや反応に対し
最高の部品です。

今はインジェクションの車やバイクになりますが、
これは環境や、誰でも動かことが容易であると
いう面から言えば都合のよいものです。
これは家族で出かけたり、仕事の足代わりに使うには
いいですね。

ただ趣味の物、運転を楽しむものとしては不合格。
ダメダメです。
それなのにさもそれがいつも理論的に正しいと
いうようなことを書いている物を見かけますが、
つまらん物はつまらん。

やはりこういう運転を楽しみたい趣味の物と、
普段の生活の物は別の物です。

昔からツキや反応という面からみれば
今一つな物はありました。
これが解りやすいのは負圧式キャブレター。
このキャブはアクセルの開け閉めに対し、
その構造から常に反応が遅れます。

例えばGPZ900R。これは当時世界最速を
目指したモデルで、高速を走る分には
それでも良いのかもしれません。

ですが日本ではゴーストップが多く、
その反応の遅れのせいで、常に車体が重く感じますし
純正のリヤサスは動かないのもあって、
コーナーもメリハリがつけにくい。
だからどこ走っても面白くない。

特に純正キャブで国内向けのセッティング物は退屈。
フルパワー仕様の方がまだ良いです。

試しにマフラーはノーマルでも
キャブをFCRに換えてセッティングを施せば
断然楽しく走れます。
ただ国内でも高速道路を淡々と走り、
ロングツーリングをする。
というかたはノーマルのままでも良いと思います。
適材適所です。

最近はとくにアクセル微細な開け閉めに
ダメなものが多いです。
だから古いバイクに乗る理由が、
そのスタイルだけでなく走りにもあります。

これは名の通ったモデル、メーカーでもそうで、
お国柄でも大きく方向性が違います。

大袈裟に言えばオンとオフというような
スイッチの様な、野暮な反応が多い国。
メリハリよく運転できる時にはまだいいのですが、
日本国内を走っている時は、そんなワイドオープン、
アクセルオフを繰り返す運転なんて
しょっちゅうできません。

これは高速道を優先したような車に多いです。

逆に微細な反応にも忠実に反応を返す物が
割合的には多い国。
こういうお国柄の物は愉しむことが上手です。
得てしてこういう国のモデルは故障が
多かったりしますが、気候が違いますので。

では日本は?
ノーマルはいまいちでも、
古いバイクなら自分の思うような反応に
仕上げることが可能です。

そのことを知らない方が実に多い。
どの車でもバイクでもアクセル開度によって
忠実に反応してくれると思っている。
どれもまともだと思っている。
それはバイクの愉しみの大半を捨てて
いるようなものです。

車体うんぬんより、まずはアクセルに対しての
忠実な反応です。

日本製でもそうでなくても、
最近売られている物は特にそこの部分が
ダメなものが割合的に増えてきました。

これが特に最近その傾向が強くなったのは、
環境や燃費に対する要求が著しく高く
なってきて、運転の楽しさが順序としては
後回しになってきていたり、
あるいは設計する人の一部に、アクセルのツキ、
反応の楽しさを理解していない人がいるのかも
しれません。
特に若い人で解っていないいない人が
多いのかなと思ってしまいます。

ちょうど良い反応を示すキャブレター車は
乗っていて実に楽しい乗り物です。

これは排気量が大きく、パワーがないとダメ
ということではありません。

アクセルの加減により忠実に反応すればいいので、
小さいバイクでも楽しめます。

400ccでもキャブを換えて見れば
全然違います。

そこでお勧めするのは、
写真のFCRキャブレターと、TMRキャブレター。
そしてCRスペシャルです。
IMG_3159(2)

FCRの良いところは反応が鋭すぎず、
だるすぎないところ。

ただ、以前より金額が高くなってしまったので、
金額面ではあまりメリットがなくなってしまいました。
セッティングパーツも入手しやすく、
一度セッティングを出せば、後は走りや使い方に合わせ、
微調整するぐらいで楽ちんです。
このキャブレターは開け始めのレスポンスが少し穏やかなので
純正のキャブから変更するにも扱い易さの面で
難しさはありません。
とにかく最初はFCRをお勧めします。

なぜなら人間は鋭すぎると特にコーナーの
立ち上がりの開け始めなどでぎくしゃくして、
結局上手く扱いきれないことがあるからです。
そうなると試乗車などのチョイ乗りぐらいなら
インパクトがありいいのですが、
自分の物として長く乗っていくのには
適さない場合があるのです。

次にTMRキャブレター。このキャブは反応が鋭いです。
FCRでしばらく乗って、エンジンも手を加えるところが
既にない。

ここでもう少し鋭さを出したい時に
いいと思います。

できれば複数台持っている方で
違いを出したい方に薦めます。

CRは全開でのパワーはその他のキャブレターと
遜色ありません。ですがそれ以外の
反応は機械式の純正キャブに近い感じとなります。
レスポンスがややもさもさとした感じで
このキャブで反応が良くなった!という感じには
あまりなりません。

ですが口径がキチンとエンジンにあっていれば
純正キャブよりツキも反応も良くなります。
スタイルを重視したい方にお勧めします。
セッティングは以前も書いたことがありますが、
一度決まれば難しくありません。

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