目を肥やす

現在Z1-Rの組み立て作業が進んでおり、
終盤に近くなって気ました。
現在は紹介している写真の様な感じです。

IMG_8851(1)

IMG_8859(1)

完成後の写真もそう遠くない日に
紹介できると思います。
このZ1-Rはフルレストア+足回りの
変更などを行いました。
メーター周りは今回純正にせず
MK2系にします。

このZ1-Rはお客様が持ち込んできた車両で、
状態が悪いのでできないことはないが
一度は別の車両をベースにした方が良いと
提案しました。
ですがお客様の方が持っている車両を
ベースにしたいとのことで、私も悩み、
一旦はお断りしようと考えましたが、
後々勉強になったと言える日も来るかと
覚悟を決めて作業を行うことにしました。

誤解している人が多いですが、
本気ですれはするほどフルレストアは際限なく
行う作業や交換部品が増えるので、
車両は問題なく段取り通りことが進んでも
収支はトントンです。
たくさん儲かる商品ではありません。

古いバイクを取り扱う会社なのに
回転よくたくさん儲かって一般的なメーカーの
ディーラーの様な立派な建物や、
たくさんの従業員がいるようになれば
それがおかしいと思うぐらいでなければ
冷静とは言えないでしょう。
(部品の製作会社、部品販売会社は除く)

ですから上から物を言われてまで受ける作業では
ありません。
大変で、利益も大したことないのであれば、
せめて気持ちよく仕事はしたいものですから。
普通に車検などを回転よくしている方が
精神的も利益面でも本当は良いのです。

レストア会社から言えば、
早くしてねは手を抜いてねと同じ意味です。

きちんとしたバイクを作らず、
ただやる気がなくいたずらに月日がかかる
レストア屋や、バイク屋、車屋もあるのも
もちろん事実ですが、
そういう場合は自分のバイクでなくても
良いので今作業している物は何か情報を
何気に聞いたり、ブログなどでしていることを見たり
するだけでも、やる気のないレストア屋なのか、
することが多くて順序がまだ回ってきていないだけ
なのか、かなり解ると思います。
当社はいつもいっぱいいっぱいです。

今回の勉強代は軽く百万は超え、その穴埋めで
私の車がランクダウンしました。いたたた・・・。
いったい何のために働いているのか。

さて今回のZ1-R、
車体からエンジンまで悪い部分だらけで
基本となる部分以外(フレーム、エンジン、外装)
ほとんど交換、あるいは使うにしても
大幅な手直しをすることになりました。
そのまますんなりことができたことが
思いつきません。ガソリンタンクぐらいでしょうか。

それでもお客様の希望はなるべくかなえられるように
したつもりです。

エンジン内部も大切な部分で
いつもよりも傷みが激しい部分があり
普段は手を加えなくていい部分にも
修正を行うこととなりました。

おそらく問題ないと思われるのですが、
最終的には200キロほど走ってテストを行わないと
本当に大丈夫とは確信を持って言えないと
いうところです。

この車両の作業を実際に行い、
完成度を下げることなくいつもと同じレベルまで
仕上げたことで何度も感じたのは、
古いバイクが好きなのであれば
私はもちろんですがお客様自身も、
目の肥えた人になった方が圧倒的に得をすると
いうこと。

大事なのはやはり情報です。
当社で言えばホームページや、メールマガジン、
フェイスブックも無料ですが、
このタダの情報を軽く見てはいけません。

タダだから軽く見る。
有料だといい情報。

こういう考えにとらわれ過ぎると損をします。
もちろん有料で一部の人しか見られない情報で
大変勉強になったことも、私自身あるのも事実ですが、
お金払うから良い情報だとは限りません。

不安が大きくなるだけの知らなくて良いことも
あります。

当社のホームページ、フェイスブック、
メールマガジン、どれもそれを見ている方が
何らかの役に立つように心がけて作っています。

もちろんホームページなどは最初に作った
古いページ内容と最近更新したページでは
やや内容が違ってきている部分がありますが、
(時間の関係で全て更新できないので)
芯の考え方の部分は同じなので有益な内容も
たくさんあると思っています。

実際にはとても有益な情報なのに、
タダと思って軽く見たり読んだりしていると、
本当の価値に気付かない時があります。

逆に一般的な中古バイク販売の紹介ページを見る時、
そのバイクについての紹介文を皆さん読むと思います。
この文を読んでも、鵜呑みにしてはいけません。

走行距離が少なく、ワンオーナー、
外装リペイント済み、エンジンオーバーホール済み、
なんて書いてあっても、あくまで参考程度です。
文を読む前に写真を見ても良いでしょう。

やっぱり大事なのはそのバイクそのものの状態です。

この時に参考になるのは事前に良い物をたくさん
見ておくことです。

フルレストア車両を買う気持ちがなくても
フルレストア車両を見ておくのも
役に立ちます。トップを見ておくのです。

アスリートでも、
色々苦労してトップまで上りつめた人に、
伸び悩んでいる子供を見てもらえらば
すぐに改善点が見つかるはずです。

最初はどれが良いかなんてことは
解りませんが、ほとんどの人はたくさん見ていると
だんだん良い悪いを感じるようになってきます。

比べることが大切です。
もちろんまれにそれでも全く解らない人も
ゼロではないですが、そういう人は少ないです。
いろいろ見たりすることで、だんだん感じる
ことが増えてきます。

古いバイクなら当社ホームページ内の
フルレストア車両の写真を良く見て、
他の物も見れば気付く部分があると思います。

全体の雰囲気も見ておく必要があります。
車体の姿勢、不自然さがないかとかです。
ですが一般の方がそこから判断するのは難しいと
思います。

ぱっと見た雰囲気で良いものでも
商売上手な販売店では一般の方が良いものに
見えるように仕組んであったりして
ダメなものがあるからです。

解りやすい部分を良く見えるようにして
販売する。昔からこのようにして
販売する方法はあります。
それにだまされる方がとても多いですから。
あるいは今決めれば安くしますよ的な。
私は理由なく安くしたりしません。
元々ギリギリですから。

そこでアップで撮影しているものをたくさん
見ておくこと、現物で見ることができるなら
近くで見ることが感覚を磨くのに役立ちます。
良い物が欲しければそれぐらい行動しましよう。

問題なのは古いバイクの場合
どこにでもある商品ではないので、
直接見たい場合は、たくさん見る機会を
得るのが難しいこと。

その状態でたくさん古いバイクを
見ることができるお店などに行ってしまうと、
買うことに慣れていない方であれば
その雰囲気に流されてしまい、
勢いで店の言うことを鵜呑みにして
買ってしまう。
相手の土俵で戦うようなものです。
それはまずい。

そういう傾向のある方は、
やはり写真でたくさんアップの写真を
見て経験を積んでおくことでしょう。
あるいは盛り上がらないタイプの
冷静な友人を連れていくこと。

当社のホームページのバイクの写真は
しつこいほどアップの写真がありますが、
同じようなアングルで他のバイクも
見ていけば役立つ部分が必ずあります。

なぜなら古いバイクで見ておくべきポイントを
たくさん写真で見れるようにしているからです。

そういう部分を見ることもせずに、
ダメなバイクを勢いで買ってしまった。
それは損をします。
同じお金を払うなら、結果の出る物を。

とにかく写真でも良いので
目を肥やすことです。
全体で見ることで判断できない方は
とにかく近い写真をしつこく、
回りからあきれられるほどに見る。

写真がないなら撮って送ってもらう。
日本人でその写真がやる気のない時は
整備もろくなものではないでしょう。
(外国人は言っても撮ってくれない人が多い)
売りたいのなら写真ぐらいきちんと
撮って送ってくれるのが当たり前です。

古いバイクで在庫車両がない場合は
今までの完成車の写真を見ます。
自信があるなら撮影しているはずです。

店を始めたばかりの人から買うのなら
過去どういう仕事をどこでしてきたかなど
今までのことを詳しく聞きましょう。
考え方なども解ると思います。

何百万円もする商品を買うのに、
何も証拠がない物を買うのは
避けた方が良い。
全て人任せもいけない。
自分で少しでも、小さなことでも良いので
言葉ではなく写真、実績など確認しましょう。

 

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