キャブ車に触媒意味なし

意外と知らない人が多い話です。
細かい説明はきりがないので省きますが、
根っこの大きい部分だけ話したいと思います。

私今回書いていることを知ったのは
10年ほど前の事で、今はさらに技術が
進化していると思います。

ある時入庫した縁薄めのお客さんの
旧車バイクに、あるメーカーのマフラーが
取り付けられていました。
当然当社製ではありません。
ちなみにキャブはFCRがついています。

どこのメーカーは書きませんが、
ホームページなど見ると、余計なことをしたがる
会社の様です。

乗った時の印象ではまず抜けが悪く、
音も悪い。走りも純正マフラー以下、
つまりほめる所がない。しかも価格も高い。

エキパイが一般に使われているものより太く、
抜けが良いはずの外寸なのに
純正のマフラーよりも音も悪く
抜けも悪いわけです。
ここに大きな違和感がありました。

外観も問題がある箇所があり、
下請けに作らせて問題の箇所を対処していない感じ。

大きなメーカーなどとは違い注文数が少ないので
下請けさんにも細かく指示はできないので
(いろいろ言いすぎると作ってくれなくなるから)
たまに小ロット作る程度だと
問題のある箇所が治せずそのまま売られることに
なるわけです。
まあ、問題に気づいていない時もあるようですが。

マフラーを外して内部構造を見てみると
納得しました。集合部後端に触媒がついており、
なおかつそれに燃焼で発生したススがかなり溜まって
目詰まりをおこしていたのです。

昔、車でも触媒がつけられ始めた頃、
今では使用されないタイプの触媒がつけられたタイプで
フン詰まりが発生し、余計に遅くなって
いましたっけ。

普段入庫することのないお客さんで、
私も今後お付き合いもないだろうとと思っており、
ご本人的にはスタイルが気に入っているようだったので
私は傷つけてもなんだと思い
(言ったところで高い商品ですから買い替えも
出来ないでしょうから)何も言いませんでした。

お客さんにもいろんな方がいますが、
はやりすたりなど回りの影響を受け、
パッと熱くなって購入し、冷めると手放す。

このタイプと、本当にバイクや車が好きな方と
大きく2つのタイプに分かれます。

当然このお客さん?は前者のタイプで、
このタイプの方は嘘の理屈ですぐに騙される。

ここで旧車バイクに触媒付きマフラー
意味がないものであること、むしろ改悪で
あることを簡単に説明したいと思います。
こういう商品は買ってはいけない商品です。

触媒とは排気ガス中の有毒成分を大幅に
減らすための部品です。

主に炭化水素(HC)一酸化炭素(CO)
窒素酸化物(NOx)になります。

これを三元触媒で無害化できる。
これがマフラーに仕込まれているのです。

ところが触媒が本来の能力を発揮し
有毒成分を減らすには条件ががあり、
その条件をクリアしないと
その機能を発揮できないのです。

それは理論空燃比近辺でエンジンを動かすこと。
理論空燃比とはガソリン1gを燃やすのに
空気14、7gを使う時のことです。

これが少しずれると触媒の機能はがた落ちに
なります。つまり触媒がついている意味がなくなる。

具体的には、
炭化水素(HC)一酸化炭素(CO)は
理論空燃比よりガソリンの量が多くなると
浄化作用が落ちる。

窒素酸化物(NOx)はガソリンが薄くなると
これまた浄化作用が落ちます。

それぞれの弱点を補うために3元触媒はあるわけです。

つまり燃料供給側にシビアな制御が求められる。

そこで古いバイクたちですが、古いバイクには
キャブレターが使用されています。
当然細かい制御なんてものはできず、優秀で
細かいインジェクションでの制御が必要になります。

つまりキャブレター車で触媒がついたマフラーなんぞ
触媒の機能が発揮できないので全く意味がない。

それに加えてもう一つ大きな問題が
触媒は永久のものではなく、へたる、
劣化するものであるという事。

例えば旧車バイクに関連することで言えば、
上手く燃えていなかったり、
キャブのセッティングが濃かったりすれば
生ガスが触媒に流れ込む。

そうすれば触媒は炭化水素(HC)に弱いので
すぐに劣化する。

つまりは触媒とは機能面でも劣化するしないで
考えても現代のバイクや車でインジェクション制御
されてこそ意味があるものなのです。
しかも触媒は高い。その分がマフラー代に
プラスされる。

意味がない上に金額も高くなる。
こんな商品にお金を払うぐらいなら
上手い物でも食べに行く方が利口ですよね。

こういう商品を薦めている人がいたら
優しく説明してあげましょう。
そんなもん意味ねーよと。















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