ブローバイガスについて質問を受けることが
時々あるため、それについて書きます。
この写真中央部にホースの先端が見え、
そこからブローバイガスが出ます。
車種によりホースの先をテールカウル付近に
出せないものもあり、出ている箇所は違います。
このホースはエンジンのクランクケースに
つながっています。
このホースから煙が出ているが問題ないのか
というご質問です。
結論を先に書けば言えば全く問題ありません。
むしろ出ないほうが問題です。
解りやすい、ホースがエンジンクランクケースに
つながった写真がなかったのですが、
とりあえずの写真がこれになります。
つまりエンジン内部の圧抜きになっていて、
常にホースの先からはエンジンからのガスが
噴き出ています。
それが気温であったり、エンジンの使用状況
により目立って見える時があるので、
それが目についた時、
(今まで気づいていない時も含め)
大丈夫なのかという話になるわけです。
このガスはいつも出ています。
純正の場合はこのガスはエアクリーナーに
戻され、キャブから吸い込まれるので、
その煙に見えるガスを目にすることはありません。
このガスの量は使用するピストンや、
ボーリンクの状況など、クリアランス、
排気量などでガスの出る状況が大きく違い、
これが正解のガスの出る量というのは
全くありません。
ピストンでいえばオイルの消費と
ブローバイガスの両立は難しく、
ピストンリング上から下への吹き抜けが
多く設計すればブローバイガスの量は増えますが、
オイルの消費は減ります。
逆にクランクケースからの吹きあがりが
多くなるように設計すれば、
ブローバイガスの量は減りますが、
オイル消費が増えます。
ピストン設計時の目的により結果が変わるわけで
繰り返しになりますが、ブローバイガスの出る量
オイルの消費量は正解というものはなく、
使う商品やボーリングによりそれぞれ
変わってくるのが正解です。
したがってその商品に詳しく取り扱う経験数が
多い私たちの都度言うことが正解となります。
どちらかといえば鍛造ピストンを使い排気量が
大きい方が量は多めになると思います。
またエンジンによっても多少違います。
そのブローバイガスが直に外に出るタイプの
Z1000J、Z1000R系、Z1100Rなどのローソン系
エンジン、(写真はこれ)は、
量が多く感じられます。
ご覧のように中には何もありません。
蓋がつくだけで、組むとこんな感じです。
この先にホースがつながっています。
この写真はZ1000MK2のもので内部は
2段のしきりタイプになっています。
このタイプの方が直に出るわけではない為、
印象的にはガスが出る量はローソン系より
いくらか少なめに見えますが
出ていることには変わりはありません。
この写真はバフ掛けしたカバーを
取り付けたところです。
どちらにしてもエンジン内の圧抜きですから、
ガスが抜けないとむしろ調子が悪くなります。
特に抜けが悪い時には
ガスケット部分からのオイルにじみが増えたり
吹かしたときのレスポンスが悪くなったり
高回転までエンジンが回っていかないなどです。
あくまでまともなエンジン、オーバーホールが
きちんと行われている前提ではありますが、
気温や、走行状況によりガスが目立って見えている
だけであり全く問題ありません。
逆に出ているガスが全く見えない時もあります。
また空冷エンジンはエンジン温度の上がり
下がりが常に結構な幅で起こっています。
それに比べ水冷エンジンは一旦暖まれば
温度を一定に保つ努力をラジエターが
してくれるので、
空冷ほどエンジンの温度が上がり下がり
しません。
したがって特に空冷エンジン車に
乗られている方は、
神経質になる必要はなく何も気に
しなくてよいという事です。
こちろんこれには限度があり、
壊れてしまっている時は別です。
ただその時はエンジンからすごい変な音が
する。エンジンが止まってロックしている。
ここからオイルがどんどん出てくる。
など普通とは全く違うことがおきますから
誰でもわかると思います。
以前書いていたGPZ900R、販売再開しました。
詳しくは当社ホームページ、
販売車両情報をご覧ください。
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