旧車バイクの製作模様をお見せします

カワサキZ1

バイクの製作模様を約240枚の写真と解説で紹介しています。

納車時のカワサキZ1このZ1は、「10代の頃に乗っていたバイクにもう一度乗りたい」と依頼をうけ、製作したS様のZ1です。現在は50代とのことです。

最近はこのようなお問い合わせも多く、身が引き締まる思いです。
このバイクの製作模様もあわせてご紹介したいと思います。

完成までの流れは以下のようになっています。
どの仕様も使用部品が違うだけで段取りは同じです。ぜひ拡大写真をご覧ください。

※写真をクリックすると、拡大写真を見ることができます。

エンジン組立

部品紹介画像
シリンダーはライナー打ち換えボーリングしています。上面はライナーを打ち換えた後、ライナーとシリンダーとの段差をなくす為に、最低限の修正面研をしています。
部品紹介画像
修正面研後のシリンダーの厚さを測定して適切な厚さのベースガスケットを使用し、ねらった圧縮比にします。圧縮比は高すぎても低すぎてもダメです。
部品紹介画像
手に持っている物はカムチェーンガイドです。これはよく中で暴れて折れていたり、 暴れることでシリンダー側が痛んでいることがあります。
部品紹介画像
シリンダーに取り付けたところです。緩むことがあるので当社では脱脂後、ネジロックをつけて組み付けています。)
部品紹介画像
この年式のZ1は元々シリンダー中央部にオーリングが入っていない構造です。またシリンダースタッドボルト以外で、この中央のカムチェーントンネル付近に締め付けるボルトなどもないために、1枚ガスケットではオイルが漏れてきてしまいます。そこでオーリングが入るように溝入れの加工を施しています。
部品紹介画像
ヘッドの組み付けに入ります。このエンジンの外観はサンドブラスト仕上げです。
部品紹介画像
バルブステムシールやスプリングシートまで組み終わったところです。
部品紹介画像
組みつけの際にはオイルを塗っておきます。ただし塗りすぎるとあちこちに垂れて作業しにくくなるので、必要な分だけ塗ります。
部品紹介画像
ヘッドを立てバルブまわりを組み付けます。私はエンジンに傷が付かなくて、色々と便利が良いので木を下に敷いています。
部品紹介画像
バルブは付いていたものが程度がよかったので、カーボンを落として再使用です。ステム部にはグリスを塗ります。
部品紹介画像
バルブスプリングは他の車種の不等ピッチタイプを使用します。持っていたので使用。ノーマルでもOH仕様なら平気です。密側をヘッド側に。スプリング、リテーナー、コッターなどの各部品にはオイルを塗ります。
部品紹介画像
スプリングコンプレッサーで縮め組み付けます。バルブは走れば回ってしまいますが、分解時にコッターなどの組み方などで気を使って組んでいるかなど解ります。
部品紹介画像
バルブ回りを組み終わったところです。
部品紹介画像
アウターシム式のリフターまで組み終わったところです。
部品紹介画像
エンジンはオーバーホール仕様なので、カムシャフトは純正です。カムシャフトの山は軽く研磨しています。
部品紹介画像
カムシャフト部のメタルは新品に交換です。そのまま組まず清掃し脱脂して、カムメタルのカムシャフト軸受け部分にグリスを塗ります。
部品紹介画像
Z1のカムシャフトは中空タイプのものです。乗った感じは中空でないものと比べて、特に何も感じません。理屈的にはレスポンスがよくなったりするかもしれませんが。
部品紹介画像
ヘッド単体のバルブクリアランス荒調整は画像のようにカムシャフトを1本ずつ組み付け調整します。
部品紹介画像
カムホルダーを規定トルクで締め付け、シックネスゲージを使って調整しますが、後でヘッドをシリンダー上に組み付けた後に再調整するので少し広めにしておきます。
部品紹介画像
調整が終わったところです。この後クランクケースを組みます。
部品紹介画像
クランクケースアッパーです。毎回する必要はありませんが、この車輌は上面を修正面研しています。
部品紹介画像
径の大きいシリンダーライナー(外径80.6mm)を使用するためクランクケースボーリングをしています。ご覧のようにとても綺麗です。ただ車種によって、ほんの少ししか削る必要のないものもあり、その場合はリューターで削る場合もあります。
部品紹介画像
シリンダースタッドボルトを組みつけた所です。当社ではZ系、J系のオーバーホール時は毎回新品にします。クロモリなどは当社のエンジンでは必要ないので使用しません。
部品紹介画像
Z1初期モデルは、クランクケース前面の形状が違います。通常でこぼこのところが綺麗だったりします。
部品紹介画像
ギヤチェンジを行うフォークです。Z1~MK2はトランスミッションのアンダーカット加工を行わないと、ギヤが抜けるほうに力が加わり、ギヤとこすれ、 この部分が磨耗しギヤ抜けの原因のひとつになります。
部品紹介画像
フォークの位置決めのボルトです。
部品紹介画像
ここがダメになっていたり緩むこともまずありませんが、念のため一度緩めロックワッシャを換えて締め付けます。
部品紹介画像
チェンジドラム位置決めのスプリングをはずしているところです。後期モデルでは2本になっていたり、機構ももう少し複雑になっています。このスプリングでニュートラルに入れた際にほかのギヤに入らないように保持しています。
部品紹介画像
クランクケースロア側の準備が終わったところです。黄色いマジックで印をうっているのは、すべてにうっているわけではないのですが、念のため締め付けが終了しているのが解るようにしています。
部品紹介画像
クランクケースアッパーを裏返したところです。
部品紹介画像
クランクシャフトが収まるピン部のアップです。ここにはクラックが入りやすいのですが、ここ最近はヒビが入っている物にめぐり合っていません。良いことです。
部品紹介画像
クランクシャフトのアップです。芯だしピン溶接済みです。ベアリングは交換していません。曲がりはとても少なかったです。カワサキの組み立てクランクは程度が良ければ元々曲がりは少ない方です。
部品紹介画像
カムチェーンです。当然新品です。毎回同じものではなく、使いわけています。
部品紹介画像
クランクシャフトを組み付けたところ
部品紹介画像
ミッションのCーリングを組みつけたところです。
部品紹介画像
ミッションです。ミッションはアンダーカット加工済み、ベアリングなども交換済みです。ギヤなども1つも交換の必要はなく、程度が良かったです。当社で探してくるベース車輌はこういうものがほとんどです。
部品紹介画像
クラッチハウジングです。ややスプリングがへたっていたため丸ごと交換しました。
部品紹介画像
この部品が悪いと加速時より減速時に不具合が生じることが多いです。
部品紹介画像
大きな部品が組み終わったところです。残すはオーリングとノックピンです。
部品紹介画像
オイル通路のオーリングです
部品紹介画像
クランクケースです。
部品紹介画像
クランクケースロアケースをアッパー側に組み付けたところです。ボルト類はあらかじめ再メッキしてあります。
部品紹介画像
今回使うコスワース製ピストンです。高耐久、高出力を誇ります。75mmで1166ccです。現在はJB製ピストンを使っています。
部品紹介画像
ベースガスケットは今回1mmの厚さの物を使用しました。シリンダーベースガスケットを試しにつけてみたところです。時々穴の位置などが少しずれていることがあり、今回もノックピン部を少しだけ加工しました。
部品紹介画像
エンジン右側の点火系ピックアップ部です。純正フルトラタイプを使用。純正は高出力ではありませんがエンジンの始動性がよく、トラブルも少ないです。
スプリングを変更する場合もあります。
部品紹介画像
発電する部分のジェネレータ周りです。
部品紹介画像
矢印部分にガタが出やすく、出ていれば交換します。状態が悪い物はアイドリング時にカンカンと音がします。
部品紹介画像
エンジンの左側に組み付けるスタータークラッチ周りの部品です。ギヤの状態はよく、再使用。スタータークラッチはASSYで交換。
部品紹介画像
スタータークラッチをジェネレーターの部品に組み付けたところです。
スタータークラッチは加工する場合があります。
部品紹介画像
スタータークラッチに組み込むローラーとスプリングなどです。安い仕事ですと、この部品を換えるだけであまり効果がありません。
部品紹介画像
先程のローラーなどをスタータークラッチに組み込んだところです。セルを回したときにガキッと音がする場合は、このローラーがキチンと動かず、スタークラッチ内で変な動きをしています。
部品紹介画像
スターターギヤです。ご覧のようにとてもよい状態なので再使用です。
悪くなるとスジが入ります。
部品紹介画像
スターターギヤをクランクシャフトに組み付けたところです。
部品紹介画像
ジェネレーターのローターとスタータークラッチをクランクシャフトに組み付けたところ。ボルトは純正より強い締め付けに耐えられるものに交換。
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シリンダーを組み込みます。スタータークラッチ、点火系の部品はどちらか1方組んでいればシリンダー組み付け時には充分なのですが(工具で固定してクランクの回り止めに使用)両方組んでいると作業しやすくなるので今回は先に両方とも組んでいます。
部品紹介画像
シリンダーを途中まで入れたところ。ピストンを組み付けたところの画像がHP内で少ないのは、ピストンむき出しの状態では埃が大変つきやすいので、写真を撮っている場合ではなく、とっとと組んだ方が良いからです。
部品紹介画像
シリンダーまで組み付けたところ。
部品紹介画像
カムチェーンアイドラーのシャフトです。(シリンダー中央部にアイドラーと共に組み付け)手に持っている左側が初期物で切りかきの部分にゴムのダンパーがつきます。今回はこの車輌に付いていた初期物は使用せず右側のシャフトに変更して組み付け。
部品紹介画像
ヘッドガスケットまで組み付けたところ。先程のシャフトを使ったアイドラーが中央部に見えます。
部品紹介画像
シリンダーヘッドを締め付けるのに使うヘッドナットとワッシャです。
部品紹介画像
シリンダーヘッドまで載せたところです。
部品紹介画像
今回使用したMK2純正のオートカムチェーンテンショナーです。
部品紹介画像
テンショナーを組み付けたところ。
部品紹介画像
テンショナーを固定するボルトの画像です。このボルトは純正品を使用していないので長さを調整の為に切ったあと、端部を旋盤で削っています。
部品紹介画像
バルブクリアランスを調整中。クリアランスは「必ずいくつにする」というふうにはしておらず、その時々で良いと思うクリアランスにしています。もちろん大幅に変わるものではありませんが。
部品紹介画像
特殊工具を使ってシムをはずしているところです。
部品紹介画像
バルブクリアランスの調整が終わって、カムスプロケットボルトをはずし雌ネジ部を脱脂しているところです。この後、適切なトルクで締めます。
部品紹介画像
カムスプロケットボルトの締め付けが終わったところです。
部品紹介画像
ヘッドカバーの裏にあった日付らしきもの。私は特別思い入れはありませんが、綺麗に残っていたので撮ってみました。
部品紹介画像
ヘッドカバーまで組み終わったところ。カムプラグ(三日月のゴムの部品)は液体パッキンの塗り方や組み方が正しければ飛び出てくることはありません。よって裏返す必要もありません。美しさも大切です。
部品紹介画像
キックシャフトのメクラです。ここにマークなど入るのはあまり好きではないので当社で製作。 
部品紹介画像
メクラを組み付けたところ。
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オイルクーラー取りだしを組み付けたところ。オイルプレッシャースイッチは長く使っていても壊れたことがないのでオイル通路側の接点だけ磨いていつも再使用です。
部品紹介画像
タコメーターギヤまわりの部品です。ここの部分から良くオイル漏れしている車輌を見かけますがキチンと組み付ければ数年は漏れません。
部品紹介画像
エンジンに組み付けたところです。
部品紹介画像
ジェネレーターのコイルです。オイル漏れの原因となるリード線を交換します。
部品紹介画像
最初についていた線を根元からはずし、線を交換したところです。
部品紹介画像
他の部分を壊さないよう丁寧に作業する為、気を使い結構時間がかかります。
部品紹介画像
ジェネレーターカバー内を洗浄し、脱脂したところです。
部品紹介画像
先程リード線を交換したジェネレーターコイルを仮ばめしています。一度はめて、カバー内のリード線の長さを調整しておきます。いい加減にするとスタータクラッチの部品とリード線が干渉して不具合が生じる事があります。
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エンジンをひっくり返し、オイルポンプなどを組み付けます。
部品紹介画像
ノックピン、オーリングを忘れず組み付けます。
部品紹介画像
オイルポンプを組み付けました。オイルポンプは状態が良かったのでそのまま洗浄のみして再使用です。
部品紹介画像
オイルパンの内部です。
部品紹介画像
オイルフィルターまわりの部品です。フィルターは純正品が良いです。
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エンジン下部の組みつけが終わったところです。ガスケットが変にはみ出ないように組み付けています。
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エンジンを再度ひっくり返しクラッチ回りを組み付けます。ご覧のようにハウジングは綺麗です。
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クラッチディスクです。鉄プレートは状態が良かったのでレストアして再使用。ディスクは新品に交換。
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オイルを塗ってクラッチディスクを組み付けたところ。
部品紹介画像
クラッチスプリングです。他車種のものを使用。
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クラッチ回りは完成です。
部品紹介画像
部品紹介画像
ミッションチェンジ機構です。リターンスプリングを交換します。Z1はMK2などに比べスプリングなどをきちんとしていないと不具合が出ることもあります。チェンジのアームもつめの部分など悪くなっていることや支点のかしめ部分も悪くなっている場合もあります。
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カバーを取り付けたところです。画像では見えていませんが、一番下部のシールはオイル漏れしやすいので数年に1度交換した方が良いです。
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ブローバイ回りの部品を組み付けたところです。
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内部もカバーも後期物と同じに見えますが同じではありません。ボルトは欠品なので再メッキしています。
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キャブレターは今回FCR35mmを使用する関係でインシュレーターを口径の大きいものに交換します。
部品紹介画像
インシュレーターも純正品が良く、キャブレターの差込(アダプター、スピゴットなど色々呼び方あり)にあわせ部品を注文しています。純正品は品質が良く一度交換するとかなり長持ちです。
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先程途中まで作業していたジェネレーターです。画像では見えませんが液体パッキンを塗ってボルトにネジロックをつけて組み付けます。
部品紹介画像
カバーを組み付けるエンジン側です。
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ジェネレーターカバーを組み付け、反対側のポイントカバーを組み付けたらエンジンが完成です。
部品紹介画像
エンジン完成です。
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このエンジンはサンドブラスト仕上げ、カバー類バフ仕上げです。
部品紹介画像
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FCR35mmです。やたらと大きい口径をつける方がいますが、口径は排気量だけでなく、バルブ径やポート系、その他エンジンの設計によって適切なものが決まってきます。したがって無駄に大きな口径のキャブレターをつけるのは無意味です。Z系で900cc以上で、FCRなら35~37mmが良いと思います。
部品紹介画像
インシュレーター差込のアダプターです。メーカーによりエンジンに差し込む際にとてもきついもの(入りにくいもの)もありますが、この写真で使うビトーR&D製はきつすぎずゆるすぎずとても良いものです。
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アダプターをキャブレターに取り付けたところです。
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キャブレターは、ネジ山に液体パッキンを塗るタイプですが、はみ出た分は拭き取っておきます。
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キャブレターの下側でスロージェットを確認しています。他のジェット類も確認します。油面なども確認します。必要な場合はセッティングを変えます。今回はメインジェットのみ換えました。
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フロート室を閉めたところです。画像の左端に加速ポンプが見えます。
部品紹介画像
キャブレターの上側の蓋をはずしたところです。ジェットニードルの点検をします。
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そのジェットニードルです。よく段数、濃さなども初期出荷から変更します。
部品紹介画像
部品紹介画像
スロットルの同調やネジの緩みなども点検、蓋をし、ファンネルを組み付けます。
   

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フロントフォーク組立

部品紹介画像
フロントフォーク組み付け前の状態です。アウターチューブはバフかけしてあります。
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完成したところ
   

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シート、フレームレストア

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シートはスポンジのみ当社で削って表皮のみシート屋さんに張ってもらいます。以前はそのまま送っても上手く削ってくれていましたが、今は上手く希望どうりに削ってくれないのでそうしています。
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フレームです。
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Z1はネック下の部分にクラックが入りやすいので1本のみ補強を入れています。今回はノーマルに近い仕様なので、これ以外フレーム補強を行っていません。
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当社では私が、パウダーコーティングの質感をあまり好きでないので、ブラスト後、ウレタン塗装で塗っています。
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すべてではないですが、ネジなどの部分に塗装の際にはマスキングをせず、塗った後に必要な箇所は(ボルトを入れるところ)タップをたてています。このほうが手間が増えますが、ネジ山のきわまで塗れ、塗り残しが少なくなります。
     

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ステムベアリング組み付け

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レストアの済んだステムにステムベアリングを圧入しているところです。
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そのステムベアリング付近のネジ山が傷んでいたのでヘリサートを入れ修理した画像です。
 

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スイングアーム、リヤブレーキレストア

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スイングアームです。スイングアーム前側、シャフト部分のブッシュもチェック済みです。後期型ではブッシュではなく、ベアリングに変わっています。ここのベアリングにガタがあったりすると、ヨレヨレしてまっすぐ走らなくなります。フレームが弱いなどという前に、こういう部分の整備が重要です。
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フレームだけでなくこういう部品一つ一つに必要であればタップをたてます。ネジ山の掃除にもなります。
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ドラムリヤブレーキの部品です。機能的には問題ありません。バフがけします。
部品紹介画像
バフがけ後です。 

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ホイール、ステムまわりの組み付け

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ホイールにタイヤを組み付けました。
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お客さまの希望が特別ない場合は、だいたいミシュラン製を組み付けます。穏やかな特性が好きなので。特に特別飛ばさない方におすすめです。飛ばす方は自分で好きな銘柄を選ぶほうが良いと思います。
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リヤスプロケットのハブですが、今回はベアリングを交換しました。
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ベアリングには、やや硬めのグリスを詰めてあります。
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ハブにシールを組み付けたところです。
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サイドスタンドのボルトのサイドクリアランスを測っているところです。スタンド自体もあらかじめフレームにはまる部分(コの字部分)をあらかじめ適切に幅を狭めた後、ストッパーを溶接しています。
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矢印部分を旋盤で削って先程のクリアランスを適切にします。こうすることによってサイドスタンド長い期間使っていても、先程のコの字部分が開かず、車体の傾きが増えるのを防げます。
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加工が終わり組み付けたところです。
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スイングアームを取り付けます。リヤショックは社外品です。
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リヤホイールまで組み付けたところです。
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Z1のリヤドラムブレーキは効きも悪いですしステップもいいものが使えないので、機能的にはおすすめではありません。が、旧車ならではのかっこよさがあります。
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内容が前後してしまいますが、スプロケットを止めるボルトとナットです。こういう部品も綺麗でないとさまになりません。
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ステップ取り付けのボルトを組み付けたところです。再メッキです。
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ナット部分も見えなくなってしまいますが、再メッキしたもので組んであります。この部分はエンジンを下ろした状態のほうが作業しやすいので先に組んでおきます。
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ステムを組み付けヘッドライトステー下の、ゴムのダンパーなどを組んだところです。
部品紹介画像

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ヘッドライトステーまわりの組み付け

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ヘッドライトステーです。社外品です。
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リングも社外品です。
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ヘッドライトステー、リングを組んだところです。画像奥に見えるステムを止める特殊な形状のワッシャやナットなどは状態の良いものを再メッキしてあります。
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先程説明した純正フロントフェンダーまで組み付けたところです。もし欠品になったら状態の良いものを再メッキすると思います。

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エンジン、細部パーツの取り付け

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フロントホイールにブレーキディスクを取り付けました。シングルディスクだとあまりに効かないのでダブルディスクにしてあります。
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スピードメーターのメーターギヤです。洗浄してあります。この後、グリスアップして組み付けます。
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エンジン搭載の下準備です。しつこいぐらいの養生をしておきます。エンジンのマフラースタッドボルトは先につけておいてもエンジンはのりますが、せっかく綺麗にしたフレームに傷が付くのが嫌なので搭載後につけます。
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無事エンジンがのせ終わりました。エンジンマウントのボルト類も再メッキしてあります。
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エンジンが載るだけで、俄然バイクらしくなります。
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リヤホイールのスプロケット部です。先に紹介したボルトとナットを使用しています。
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部品が何かパッと見ただけでは解る人は少ないと思いますが、シートロックの部品です。再メッキしてあります。Z1は、ここが鍵を使わないレバー式になっています。
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シートロック部品を組み付けたところです。
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フレームにサイドカバーの純正のゴムブッシュを取り付けました。こういう部品は欠品にならない限り、高くても純正品が良いです。断然もちが違います。交換せずにサイドカバーが飛んでいった人はいませんか?
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前側のリヤインナーフェンダーです。レストアしています。簡単に書いていますが手間がかかり結構技術的にも難しいです。こういう部品もなければ仕方がないですが、なるべく純正品が良いです。
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リヤフェンダーを固定する部分のゴムのダンパーです。これも純正がでるので純正品です。
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ダンパーにワッシャを取り付けたところです。通常と違いダンパーにはめ込むようになっています。
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ダンパーをフレームのステー下側に取り付け、ステー上側にも別のダンパーを取り付けたところ。
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リヤフェンダーを固定する一番後ろの部分です。リヤカウル内なので普段見えません。銀色の部品は再メッキ品ですが、フレームとの間に挟んでいるゴムのダンパーは純正品で清掃して再使用しています。
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リヤフェンダーを固定するダンパーです。
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少し解りにくいですが取り付けたところです。

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電気系統の組み立て

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リヤフェンダー回りの部品を用意したら、後回しにすると組みにくいバッテリーケースを先に取り付けます。
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バッテリーケース右側に取り付けるコネクターです。この車輌はあらかじめこの部品は社外品に交換してありました。カプラーを固定するステーは再メッキです。
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カプラーをレストアしたステーに取り付けたところ。
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Z1では1本しかないヒューズです。ヒューズケースは純正品の方が良いので、中古ですが(欠品の為)程度の良いものに交換。配線などは一般的にホームセンターで売られているものに交換。
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ヒューズを留めておくゴム部品です。頑張って掃除しています。
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ヒューズを組み付けたところ。ヒューズがつながっているギボシ端子が錆びている様に見えますがそうではなく、ギボシ部に接点復活剤を吹いているのでそのように見えます。接点復活剤は必要な部分にすべて吹いてあります。セルモーターリレーは状態が良いので再使用です。
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先程用意した一式を組み付けました。
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バッテリーのケースです。レストアしています。Z1はその他の車種と違って外から横の部分が見えます。
小さなことですが、パッと見た時に全体の印象が悪くなるので綺麗な方が良いです。
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バッテリーケースをつけます。
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小物入れを取り付けたところです。小物入れを固定するボルトは、雰囲気を壊すのであまり好きではないのですが、ステンレスのボタンキャップ製にしています。
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新品のリヤフェンダーです。組み付けると手が入らなくなる部分が多いので、あらかじめワックスをかけておきます。
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ワックスをかけ終わったフェンダー。新品はいいです。
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テールランプのベース部分です。この部分は分解して再メッキが難しいので、元々ついていたものを清掃、できる範囲でレストアしたものです。
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リヤフェンダーを取り付けるところまで来ました。
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テールランプのベース部分を組み付けました。
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ボルト、ゴム類もこだわって組んでます。ご覧のとうり綺麗にした部分はほとんど見えません。残念。
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エンジンのマフラー取り付け部のスタッドボルトです。
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スタッドボルトを組み付けました。
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熱くなるのであまり効果はありませんが、ネジロックを塗って組み付けています。
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スロットルの部品です。純正品を再メッキして、ハンドルグリップの長さにあわせ旋盤でカットしてあります。私はこの部品は樹脂製が好きではなく、アルミの削りだし品か純正品を使用しています。
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ハンドルバーの端の部分です。矢印部分のパイプ内部に出っ張りがあるので、あらかじめリューターで削り、色を塗っておきます。削っておかないとバーエンドキャップがピシッと入りません。
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ハンドルにバーエンドキャップを取り付けたところ。一般的な樹脂製をつけています。もう少し丸いものが良いと思っているのでそのうち作ろうと思っています。
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ブレーキのレバーです。ロッキード製CP-3125-2です。ラジアルポンプでなく古いタイプでしかも高価ですが、Z系のノーマルに近い場合良く使います。
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ハンドルに組み付けたところ。リザーブタンクの黒いキャップは古いタイプの方が、デザイン、材質共に良かったです。在庫で中古良品持ってるときは換えて納車しています。
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オイルクーラーの裏側です。排気量の関係で16段です。JB製。ステー端のゴムは当社で取り付け。振動でフレームに当たる事があるので貼りましたが、特に必要ないと思います。
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大げさなオイルクーラーホースのクランプは好きではないので、タイラップ止めです。
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オイルクーラーホースとエンジンの隙間は最低限あれば良いですし、走った時にホースがゆれて少し当たるぐらいは構いませんが、ガリガリ当たっているのはNGです。当社ではZ系、16段、サイド回しはこれぐらいにします。
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あらかじめ点検、調整し準備しておいたキャブも取りつけました。定番のJBFCRの35mmです。削りだしのファンネルをつければさらに良い印象になると思います。
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ホーンを取り付けました。ホーンのステーは振動で折れる場合もあり、バラした際にはチェックが必要です。イグニッションコイルやメインハーネスをつけた後ですと意外とつけにくいので先につけておきます。
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リヤのウインカーが付くカラーです。クロームメッキの部品です。あまり見えないところですが、こういう部分が綺麗だと気分が良いです。
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リヤウインカー取り付け部です。立ちゴケした程度でもこの部分が曲がりますがここだけ曲っているぶんには修正すれば問題ありません。
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ウインカーまで取り付けたところです。配線はメインハーネスのからみもあるので後で結線します。
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エンジンに点火系の部品を取り付けました。純正の後期タイプです。社外品に比べトルク感が今ひとつですが、トラブルがほとんどなくエンジンのかかりがとても良いです。
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右側サイドカバーの内部部分です。配線などもおよそ決まってきました。
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メーターのブラケットです。あらかじめブラストして、再ペイントした後、スポンジを形に切って貼り付けています。
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メーターブラケットに取り付ける配線です。くだらないところで電球が切れるのが嫌なので電球は交換しています。配線は元々すでに交換されていたので再使用です。
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メーターのステーに配線、電球を取り付け、インジケーターカバーもとり付けました。
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車体に取り付けました。メーターのカバーは純正品をレストア。傷つきやすいのでマスキングテープで養生しています。
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同じくレストア済みのヘッドライトケースを取り付けたところ。今回社外品のウインカーの配線が無駄に長いので…。
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無駄に長い配線をぶった切ってちょうど良い長さにします。純正品はこの頃のモデルでもだいたい良いように出来ていますが、無駄な部分は加工します。
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ヘッドライトです。シビエ製新品に交換。価格が高いですが人間の目みたいなものなので悩んだ挙句交換しました。最近は車のヘッドライトが黄色く曇っているものを良く見かけますが、あれは避けたい、という思いからです。
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ヘッドライトリム(社外品)の取り付けステーのアップです。そのままではライトケースとの位置がややずれていてキチンと付きません。そのためステーの一部を切って位置合わせをした後、溶接しています。
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だいぶ完成に近づいてきました。
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530チェーンを組み付け。当社ではフロントスプロケットは17~18丁をつける事が多いです。ここのナットは車検ごとのまし締めをおすすめします。当社に車検で入庫のZ系はすべて毎回確認しています。
部品紹介画像
矢印部にフランジがマフラーを車体に取り付ける際に、下にずり落ちるのをふせぐため、見えにくくなる矢印部分に引っかかるようにポッチを溶接しています。
部品紹介画像
マフラー全体の画像です。このマフラーは最初から付いていたモリワキ製です。レストアしています。
部品紹介画像
メインハーネスを組み付け途中の画像です。
部品紹介画像
イグニッションコイル周辺です。コイルは別メーカーの物を使用しています。何のものかは知っている人が見ればすぐに解る一般的なものです。
部品紹介画像
リヤテールカウル内の配線を組み付けました。
部品紹介画像
無駄に長い物は短くして、長さの足りない物は足しています。
部品紹介画像
セルモーターの内部です。今回の物は程度が良く交換部品はブラシのみでした。
部品紹介画像
セルモーターの外観です。当社ではセルモーター外観はレストアしないのですが、このZ1はたまたま綺麗です。ただ外は比較的綺麗でも、中身はへたっているものもあるので、セルの場合あくまで中身重視です。
部品紹介画像
セルモーターカバーです。どうでも良いようなことですが、ワックスかけときます。
部品紹介画像
バッテリーはどこ製ということは決めておらず毎回の事情で取り付けています。
部品紹介画像
矢印部分のクラッチレリーズの部品を交換しています。Z1にもともとついている物はあまり良くないので後期物に交換しています。これだけでクラッチワークが断然正確に出来るようになり、スタート時の半クラッチなどがしやすくなります。
部品紹介画像
すこし引いた今現在の画像はこんな感じです。
部品紹介画像
Zは整備中の状態もかっこいいと思います。
部品紹介画像
当社で製作した純正のチェーンカバー内につけるプレートです。アルミ製です。純正の樹脂カバーはどうしてもねじれてしまう為それを修正する為のプレートです。骨のような役目です。
部品紹介画像
プレートを内部に取り付けた純正のチェーンカバーです。リベットで止めてありますが、当然車体に組み付けた際に見えにくくなる方に止めてあります。
部品紹介画像
先程取り付けたプレートを裏から見るとこんな感じです。
部品紹介画像
チェーンカバーを実際につけたものです。この画像ではねじれることなくチェーンカバーが付いていますが、プレートをつけないで車体に組み付けると右にねじれてしまいます。そのままですとこの画像のように後ろから見た時にみっともないので考えた挙句こうすることにしました。
部品紹介画像
テールランプです。これも1時間以上かけ、散々磨いて、掃除した後にやっぱり納得できず純正新品に交換しました。画像のテールランプは実際につけたものではなく磨いたものです。
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ステム下側につけるカバーです。カラーとプレートは製作しました。カバーは純正新品。
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ステムカバーを取り付けました。純正ではついていない車種もありますが、当社では取り付けて販売しています。嫌なら、はずせば良いだけですので。
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燃料コックです。
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外側をきれいにして、中身はゴム類のみ交換。
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タンク下のハーネス類の整理が終わったところです。
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点火系のイグナイターです。Z系後期物です。外観をブラストして、配線を掃除してあります。
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イグナイターとレギュレーターを取り付けたところです。2種類のアルミプレートをつないで製作。L字の下の部分は下からの汚れが直接飛んでこないようにつけてあります。
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フロントのキャリパーです。
キャリパー中央のボルトはブレーキ鳴きを減らすための部品です。なお後期モデルにこの加工は出来ません。また単品での受付はしておりません。
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シングルではあまりに効かないのでダブルディスクにしてあります。
キャリパーのステッカーはブレーキオイルのエア抜きが終わって完成時に貼ります。
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フロントキャリパーを取り付けたところ
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スポンジを加工して張替えに出していたシートもかえって来ました。(この後テストして、再度張りなおしてもらいましたが)これでほぼ完成です。このあとは細かい部分の調整を除きほぼ完成して外装をつけるだけです。
   

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完成

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完成です。
     

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このほかにもバイクの製作模様を以下からご覧いただけます。是非ご覧ください。

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