旧車バイクの製作模様をお見せします

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カワサキZZ-R1100C型

バイクの製作模様を約100枚の写真と解説で紹介しています。

納車時のカワサキZZ-R1100C型Yさんは10数年前に同じZZ-R1100C型に乗っておられたそうです。そしてもう1度同じバイクに乗りたいと探していたそうですが、程度の良いものが見つからず当社にご連絡いただきました。その後当社でこのZZ-Rをさがしだしてリニューアル後販売しました。

D型(後期型)の方はまだまだたくさんありますが、C型(前期型)の方は生産年数が短く台数が少ない上、今探すとなると年数的にも生産されて20年近くたっていて、なおかつ高出力モデルの為痛んでいる車輌が多くなかなか良いものがありません。

またこのZZ-Rというバイクは当時のカワサキのフラッグシップとして製作され、充分なスペックを持っているのですが製品としては荒削りの部分も多々あり、それらも手直しする必要があります。
それらを手直ししてキチンと製作すれば今のバイクにはない面白さ、D型とは違う面白さがあります。
誤解されないように書いておきますがD型が悪いのではなくCとDではやや速度レンジが異なり、軽快感のあるC型、悪い部分を改良しさらに速度設定域がさらに高いところで安定感を増したD型といえると思います。
どちらも手を入れれば同じ様に軽快なバイクと出来ますが、このバイクのようにノーマル然とした状態ですとかなり乗り味が違い、一般ライダーにはこちらの方が面白いと感じると思います。
またC型はカウルのたてつけなどデタラメでこの部分も手直しをする必要がありますが、カウル形状、タンク形状などはシャープで、カワサキのそれまでの流れを引き継いだものといえ、カワサキらしいバイクです。

製作過程の一部を紹介しています。ぜひ拡大写真をご覧ください。

※写真をクリックすると、拡大写真を見ることができます。

エンジン組立

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購入したベース車輌です。フルノーマルでとても良い状態のものを手に入れました。
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早速、エンジンを降ろします。この型のZZ-Rはミッションのギヤ抜けがおきやすいのでエンジンのケース側を開けて整備しているものが多くその際にミスをしているものがあります。またエンジン自体も、もともと出力が高く結構痛んでいるものもあるので、このようにベース車輌が良いものでもなるべくエンジンOHした方がよいです。
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まずヘッドを降ろします。ヘッドややカーボンの量が多いですがすばらしい状態です。キャブの調子が今ひとつだったのでしょう。
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ピストン側も全く問題ありません。このへんはバラした形跡はありません。このエンジンは大当たりです。
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シリンダーをはずし、ピストンを取ったところです。コンロッド小端部もたいへん綺麗です。
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エンジンをひっくり返し、オイルフィルターをはずしたところ。
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クランクケースを分解して、ミッションをはずしたところ。このエンジンはクランクケースを1度開けている事が判明。液体パッキンの塗り方が間違っているので、おそらくミッションの2速、3速のギヤ抜け対策をしたと思われます。おかげで新品のようなギヤが付いていました。
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ミッションのアップ。とてもよい状態です。と思ったら、この後分解して2箇所組み付けミスを発見。
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クランクケースのロア側の写真です。ケースの状態も良いですが、ミッションのフォークなども全く消耗しておらずすばらしい状態です。丁寧に乗られていたようです。
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ヘッドのバルブなどをはずした状態。バルブの当たり幅なども全く広がっておらずこれもすばらしい状態です。またガイド、バルブの方もほとんど消耗していないのを確認できました。
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カウルのサイドカバー部分。本来ここに、ZZ-R1100のステッカーが貼られているのですが、立ちごけの傷があったので部分補修しました。
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ウィンカーもすり抜け時の傷のようなものが左右ともあったので補修しました。
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今回使用したコスワース製ピストンです。サイズは79mmでライナー打ち換えボーリングが必要です。
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排気量は1137ccとなります。すばらしいパワーとフィーリング。そして高い耐久性が魅力です。
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ピストンリング、ヘッドガスケット、ベースガスケットです。一流メーカーのものでも必ずチェックします。特にピストンリングは注意深くチェックします。
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シリンダーヘッドの作業が終わって撮った写真です燃焼室の軽研磨加工ポートのカーボン落とし、バルブシートカットすり合わせの作業をおこなっています。各部のバリの出方は半端でなくバリ取りに通常の倍程時間がかかりました。
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ヘッドをエキゾーストポート側から見たところです。今回はオーバーホール仕様なのでポートはカーボン落としのみです。ですがやっぱり大きく出っ張っているところがあると気になってしまうので軽く削って問題ないようにしています。
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続いて燃焼室です。ただ単に綺麗にすればよいというものではありません。形状が複雑なので変に削りすぎないようにするほうが重要です。
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カーボン落とししてすり合わせ後のバルブです。バルブはとてもよい状態で再使用です。
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ピストン、シリンダーのクリアランスを測定しています。ボーリングした会社でも測定してくれていますが必ず当社でも測定します。コスワースピストンのクリアランスは他社のピストンより大きめのクリアランスとなります。
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ピストンリングの合口隙間を測定。結構良い数値にならないこともあるので必ずチェックが必要です。こういうことをきちんとしないところに仕事を依頼すると同じ金額を払っていても相当に損をしてしまいます。
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クランクシャフトの振れ測定中。これも問題ありませんでした。
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ミッションをオーバーホールするのにバラしている写真。まだシャフトについている大きいベアリングは油圧プレスで抜いて交換します。
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ボールベアリングを抜いてシャフトのみの写真。
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ベアリングを油圧プレスで入れているところ。道具があれば簡単です。
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ミッションのギヤを組み立てているところ。ミッションは少しだけギヤ抜け防止の加工しています。
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ミッションの組み立てがほぼ終わったところ。交換すべき部品はすべて交換します。
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ミッションをすべて組み終わった写真です。とても状態がよく綺麗です。
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ヘッドの洗浄なども終わり組みつけているところ。状態が良かったのでロッカーアームは再使用。グリスやオイルを塗って組み付け。今回オイルはアッシュ製を使用。
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ロッカーアーム周りを組み付けたところ。
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バルブスプリング。そのままで良い状態でしたが、高回転まで回るエンジンなので純正新品に交換。
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バルブ、リテーナーなど組み終わった状態です。
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クランクケースのバリ取りをおこなっているところ。エンジン内外取るべきところはすべてとります。たいしたことではありませんが。この後洗浄します。
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コンロッド単体の写真。新品同様です。
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バランサーをバラしているところ。ベアリングなど交換します。
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バランサーを組み立てたところです。
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組み立てたバランサーをクランクケースに組み付けたところ。
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スタータークラッチまわりの部品です。ニンジャと違い壊れにくい物になっています。ですがエンジンを降ろしてクランクケースを割らないと交換できないので当社ではエンジンを開けた際には必ずこれらの部品を交換します。
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スタータークラッチまわりのベアリングも交換します。
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状態が良かったので交換しなくてもいいのですが、ついでなので。
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スタータークラッチを組み立てたところ。セルのスイッチを押したときにこの部品が機能してエンジンがかかります。この部品が悪いとセルが空回りしてエンジンがかかりません。
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組み立てたスタータークラッチをクランクケース、アッパー側に組み付けたところ。
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コンロッドをクランクシャフトに組み付け直前の写真。コンロッドボルトとナットは新品に交換。
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クランクケースにクランクシャフトを組み付け、コンロッドも組み終わった写真です。
ちなみにクランクケースと、クランクシャフト間、クランクシャフトとコンロッド間のクリアランスは測定済み。なんの問題もなし。
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本来ならここにロアケースを組み付け前の写真を撮るべきでしたが、大事な部分で組み付けに集中していて写真を撮るのを忘れたので、ロアケースまで組み付けた写真。
バランサーが見えますが、良くここは位置がずれて組んであります。このバイクも間違って組んでありました。ちなみに当社の試乗車ニンジャも初めてバラしたときはずれてました。(笑)
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当社ではエンジン台を使って組み付けをしないのでここまででいったんエンジンをひっくり返して上から見たところです。
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次はクラッチ周りを組みます。クラッチハウジング、ハブを組み付けたところ。これらパーツも状態がとてもよかったです。3枚目の奥に見えるギヤはオイルポンプ、ウォーターポンプ駆動のギヤです。
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コスワースピストンをコンロッドに組み付けたところ。
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シリンダーをはめている途中。気をつけてやれば特別難しくはありません。
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シリンダーを組み付けヘッドガスケットをのせたところ。カムチェーン、スライダーなども組んであります。
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順番が前後しますが、カムチェーン古いものと新しいもの。
部品紹介画像 部品紹介画像
ヘッドをのせ、カムシャフトを組み付けたところ。
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その隣はジェネレーター、セルに関連するダンパーまわり、チェーンを組みつけたところ。こういうチェーン類は基本的に全交換です。
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スプリングと共に写っているのはミッションのチェンジ機構まわりの部品です。ここのスプリングも交換。
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チェンジまわりの部品を組み付けたところです。
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そしてクラッチまわりの部品です。
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今回はさらにエンジン出力があがるので念のためFcc強化クラッチを組み込みます。スプリングも付属していますがクラッチが重くなることはありません。
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その強化クラッチを組み付けたところ。
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タペットクリアランスを調整中。
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タペットクリアランスを調整し終わった状態です。
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少しだけ微調整する場合はシムを定盤の上で少し削ります。
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インシュレーターの写真です。エンジンOHなどの際は最近換えている気配がなければ交換します。
こういうところに液体パッキンを塗っている車輌がたまにあります。そうしなければいけない状態であれば、新品に交換すべきです。
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インシュレーターを組み付け、ヘッドカバーを組み付けたところです。
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ここまで来たらもう一度エンジンをひっくり返してオイルポンプまわりを組み付けます。
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オイルパンを組み付けたらエンジン完成です。
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エンジン完成しました。今回はとても状態が良かったので、エンジン外観の方はそのままの状態でサンドブラストや再塗装などは行っていません。
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セルモーターのオーバーホールをしているときの組み付け直前の写真です。
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隣はオーバーホール作業が終わったセルモーターです。セルモーターが力不足だと調子の良いエンジンの場合回す力が足りなくてエンジンがかかりにくくなったり、スタータークラッチを痛めたりしますからエンジンOH時に同時に行うのが良いです。
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増井が車体を整備するのにバラしているところです。

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パーツの分解、清掃、組み立て

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ブレーキまわりのオーバーホールの為分解
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点検し組み付け前の状態
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ピストンや、キャリパーも問題ない状態でした。
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隣は組み付け終わった写真。当社の販売車輌ではいつも行っています。
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ステップまわりの点検、清掃、グリスアップのため分解したところ。意外とグリスぎれで動きが悪くなっているものが多いのです。
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ステップの組みつけが終わった写真です。
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ステムベアリング点検のためにステムをはずしたところ。通常ステムベアリングは換えるのが普通ですが、この車輌はとても大切に乗っていたようで全く問題なく、清掃、グリスアップして再使用。
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ベアリングのアップの写真はステムベアリングの上側ベアリングの写真。ごらんのようにとても綺麗です。
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オーリンズ製リヤショックを組み付けたところ。
     

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フロントフォークのレストア、OH

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フロントフォークのアウターチューブは色はげがあったのでサンドブラストして再塗装します。写真はサンドブラストが終わったところ。
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フロントフォークOHとリセッティングのためバラして組み付け前の状態。アウターチューブも塗装が終わっています。フォークスプリングを変更しています。
   

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ホイールまわりの製作

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ホイールは純正の塗装がしょぼくてすぐ錆びるので、再塗装してあります。タイヤは今回お客様希望の銘柄を組み付け。当社は今時珍しいタイヤチェンジャーを使わず手ばめで作業しています。
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リヤホイールのスプロケットまわりです。スプロケット、チェーンは痛んでいなかったので再使用。
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先に組んでいたキャリパー、ホイールなどを組み付け。
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フロントまわりもオーバーホール済みのフロントフォーク、キャリパーなどを組み付け。

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細部パーツの換装、加工、組み立て

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燃料コック周りの部品たち。こういうところもきっちりしておかないとトラブルの元になります。
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燃料コックを組み付けたところ。
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ハンドルのアップスペーサーです。作るのにすごく時間がかかりました。どこも販売していない理由が良く解る。上に上げるだけだと簡単ですが手前にするのは手間がかかります。
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完成後にテストした際にハンドルが動きやすいので(構造上そうなりやすい)ノックピンを新たに加えました。
もっと別のとこにつけたかったのですがここしかつけられなかったのですが、効果がありました。
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当社製マフラーの削りだしチタンフランジ。
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いよいよ車体にエンジンを積むのに、傷防止の養生をした状態
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マフラーのエキパイまで完成したところ。通常他社さんは38mmぐらいのパイプを使いますが、当社では42.7mmの0.7mm厚のチタンパイプを使用。なぜかと言えば乗って楽しいから。
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ブレンボ製ラジアルポンプマスターシリンダーのリザーブタンクステーをチタンで製作中の写真
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シート、樹脂部分の洗浄が終わった状態。洗うと嫌味なてかりが消えとてもよいのです。
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洗浄したカバーの裏側
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シートの裏側。
こういうところは普段掃除しなかったり、出来なかったりするので、こういうときにしておきます。
 

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完成

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