旧車バイクの製作模様をお見せします

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カワサキZ1000MK2

バイクの製作模様を約60枚の写真と解説で紹介しています。

納車時のカワサキZ1000MK2簡単なスペックは、車体のほうはフレーム補強17箇所+レイダウン加工。車体の色塗り部品は小さな部品まで全てサンドブラスト後、塗装してレストア。メッキ部品は、純正新品。なければ社外品新品。それもなければ再メッキしたものを使用。車体全てのゴム類も同様です。
ホイールは角がなるべく丸くならないようにバフがけ後に再塗装。とても自然に仕上がりました。タイヤは新品を使用。タイヤサイズはスタンダードです。

フロント、リヤブレーキ共に塗装部品は、サンドブラスト後に再塗装してレストア。キャリパー内部はオーバーホールしました。
チェーン、スプロケットは新品を使用。リヤショックはJB製を使用。
スイングアームはベアリングを交換して外部はレストア。フロントフォークはアウターチューブをレストアして内部は少しセッティング変更してオーバーホール。シートは当社で純正品を少しアンコ抜き加工しました。
エンジンはコスワースピストンを使ってオーバーホール。詳しい内容は下の製作模様写真集の説明文をご覧ください。クランクシャフトの加工、ミッションの加工などなど耐久性と扱い易さを確保しながら手を加えてあります。こ
のZ1000MK2は1170cc仕様です。1年に1度くらいのオイル交換と、まし締めなどで普通に乗ることが出来ます。エンジン外観はサンドブラスト処理を施しカバー類はバフがけしてあります。

電装系もメインハーネスをなどトラブルが考えられるところは全て交換などの対策を施し、今回は大まかな説明になりますが、このような仕様でおよそ製作期間4ヶ月~5ヶ月程度となります。

製作過程の一部を紹介しています。ぜひ拡大写真をご覧ください。

※写真をクリックすると、拡大写真を見ることができます。

エンジン組立

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クランクシャフトは、まずねじれに異常がないか点検ます。
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その後振れを測定し振れが大きければ修正します。そして圧入部分を溶接によるひずみがなるべく出ない ように溶接します。
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ミッションは全て分解した後、痛んでいる箇所がないか点検します。すべて悪い部品は交換し、その後ドッグ 部をアンダーカット加工します。力がかかった際のギヤ抜け防止の為です。
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アンダーカット加工後に洗浄し、消耗部品を交換(ベアリングなど)して組み付けます。
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クラッチハウジングですが、良くスプリングが痛んでいるので、悪ければハウジングASSYで交換します。分解すればスプリングだけ交換できますが、今のところASSY交換しています。
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エンジン本体はサンドブラストして汚れと錆を除去します。この写真はエンジンを黒色仕上げにする為、サンドブラスト後、脱脂してマスキングが終わったところです。
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クランクケースを塗装後,乾燥して組みつけが始まった所です。ほかのエンジン部品も同様に作業してあります。
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隣はピン部のアップ写真ですが、この周辺にヒビが入っているものが多く見受けられます。
今のところ、ここにひびが入っている場合修理はせずに交換します。修理してもその後大丈夫かどうか保障できない為です。このMK2はとても程度が良いです。
部品紹介画像 部品紹介画像
そして準備していた内部部品を組み付けます。
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クランクケースのロアケース側はシフトフォークなど点検し、悪ければ交換。程度の良いベース車輌を使用するので、この辺が悪いことはあまりありません。
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組み付け前のシリンダーヘッド。ポートのカーボン落とし、この車輌は程度が良かったので交換しませんでしたが、バルブガイドのチェック、バルブ当たり面の修正シートカット加工、燃焼室の軽研磨加工、修正面研加工をしてあります。品質を良くする為に、面研以外は全て自社で行います。
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これも組み付け前のヘッドを上から見たところです。バリとりなども行っています。このヘッドは程度が良かった為必要ありませんでしたが、カムホルダーをとめる6mmのネジなどはかなり壊されているものがあります。
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ヘッドに使う内部部品です。痛んでいたり消耗していれば交換します。特にバルブとバルブスプリングは消耗するので交換する割合が高いです。
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カムシャフト部分に使うメタルベアリングです。これは小さい部品の割りに高額ですが、バルブステムシールと共に毎回100%交換です。
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バルブ回りの組みつけが終わったところです。
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その後ヘッド単体でカムシャフトを仮組みして不具合がないか確認しています。
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ヘッド単体でのおおまかなタペット調整しています。エンジン本体に組み付ければ当然クリアランスが変わるのでエンジン本体に組み付け後、微調整します。旧車の場合、この方が時間のロスが少なくミスも少なくなります。
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スターターギヤの写真です。この部品はかなりの割合で交換する事になります。エンジンがかかりにくかったり、バッテリーが上がり気味だったりで使用すると傷んでしまいます。この車輌も交換しました。この部品はZ1系の方が、MK2系よりもはるかに高い金額となっています。
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これもスターター回りの部品です。この部品も高額ですが交換する場合が多いです。この車輌も交換しました。
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ライナー打ち換えボーリング+軽面研が済んだシリンダーと、コスワース製ピストンです。このエンジンはピストンサイズを75mmとし、約1170ccとなります。高級シリンダーライナーとこのピストンとの組み合わせで、高いパワーとトルクを稼ぎ出し、なおかつ高い耐久性も得ることが出来ます。
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ピストンとシリンダーのクリアランスを測定中。どんなに信用できる会社にボーリングをお願いしても、必ず測定します。
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同じくピストンリングの合口すきまを測定中。悪ければ交換したり修正したりします。
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測定が終わりシリンダーをエンジン本体に組みつけたところです。
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エンジン本体に、先ほど組み立てたヘッドを組み付けタペットクリアランスを調整します。写真ではあっという間ですが結構時間がかかります。シムは0.05mm刻みですが、クリアランスを適切にしたいのでそのまま使わず少し削って調整することもあります。このエンジンはアウターシム式なので作業はしやすいです。
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ヘッドカバーを取り付けたところ、黒いパイプはゴミが入らないように仮のパイプをつけています。純正品のヘッドカバーガスケットはオイルにじみが激しいので使わず、社外品を使います。もちろんいくらかは漏れますがだいぶましになります。
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ミッションのチェンジ機構部分。このチェンジのアームが痛んでいたり、あるいはリターンのスプリングがヘタっている物が結構あります。アームは悪ければ交換、あるいは加工したほうが良い場合もあります。スプリングは毎回新品に交換。
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カバーを取り付けたところ。当然シール類は新品に交換済みです。
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エンジンの主要な部分は組み終わり、エンジンをひっくり返しオイルポンプなど下回りを組み付けます。オイルパン回りを最後の方で組み付けるのは、こうすることでエンジン下部がフラットになってエンジンをおこした際にエンジンが安定して組みやすいからです。当店は狭いのでエンジンのジャッキなど使わないので。
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オイルパン回りを組み付けたところ。車体に載せたら見えなくなりますが、レストア済みです。
   
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カバーまで組み付けたところ。車輌購入後に、このようなバフをかけた部品を楽に維持する為の商品の、ご紹介もしています。1度きちんとバフがけしておけば維持は意外と簡単です。
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セルモーター内部をOHしたところ。たいした作業ではありませんが、意外と手間はかかります。
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まだ少し作業は残っていますがほぼエンジンは完成しました。
 

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クラッチ関係の使用部品

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クラッチです。この車輌のエンジンはオーバーホール(以下OH)仕様なので強化クラッチは使わず、純正を少し加工したものを使います。
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クラッチに使うスプリング、新品でほかの車種のものを使っています。クラッチ操作が重くなることはありません。
   

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フレームなどの作業

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フレームをサンドブラスト後、フレーム補強+リヤショック取り付け部を変更するレイダウン加工を終了し、その後に再度軽く仕上げのサンドブラストを終えたところです。一緒に写っているのは、フロントフォークのアウターチューブですが下塗りを終えたところです。
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下塗り終了後に研いだ後上塗りが終わったフォークのアウターチューブです。
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補強の終わったフレームを下塗りして研いだ後に上塗りして乾燥。そして出来上がったエンジンを載せた所です。
 

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ホイールまわりの作業

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フロントホイールはなるべくエッジなどなくならないように注意してバフ掛けした後、黒色の部分を塗装してあります。
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フロンドブレーキもインナーディスク部分をサンドブラスト後に塗装してから組み付けました。
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リヤホイールとリヤブレーキディスクもフロントと同じ要領でレストア。スプロケットは市販品を、ハードアルマイト仕上げに変更して組み付け。スプロケットハブはサンドブラストしてレストアしてあります。タイヤはスタンダードサイズの新品を組み付けしています。ホイールベアリングは以前当社で交換してあった為交換していません。
 

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細部パーツの組み立て

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ホイールまで組み付け、マフラー集合部までを組み付けたところです。
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バッテリーケースを組み付け上から見たところです。後で見えなくなるような所こそきちんと仕上げる必用があります。ゴム類は交換してあり、カラー類は新品か再メッキか当社で製作するか、の中からその時の状況により選んでいます。
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同じくバッテリーケース周辺を斜め前から見たところ。
 
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キャリパーはサンドブラスト後に再塗装してレストア。今回ピストンは程度が良かったので掃除して使用。シール類は、純正新品に交換。メッキ部品は再メッキして使用してから組み付けました。
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キャリパー裏のカラーも再メッキしてあります。組んだら全く見えませんが気になるので。
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フロントキャリパーが完成して組み付けたところ、キャリパーを固定するボルトにもこだわっています。当社はレストア屋さんではないですが、キャリパー回りはとってつけたような部品は似合わないので。
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同じ要領でリヤキャリパーを組みつけたところです。チェーン引きやアクスルシャフトなども再メッキしています。スイングアームのベアリングも交換済みです。スイングアームもレストア済み。今回はエンジンOH仕様なのでリヤショックはJB製をそのままイニシャルだけ少し変更して使用。
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リヤフェンダーもレストアして使用。このへんの部品は社外品も販売していますが、品質がいまいちなので、純正品をレストアして使用。タイヤハウス内に付くフェンダーを止めるステーも再メッキしています。
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リヤフェンダーを取り付けたところ。ゴム類、カラー、ボルトも交換してあります。カラーは綺麗なもので長さが適切なものがが付いている場合はそのまま再使用しています。
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後ろのウィンカー裏側のカラーです。この辺組みつけがまともな状態のZはほとんどなく、いかにデタラメに作業されているか解ります。こういうところがデタラメなのにエンジンはきっちり作業しているなんてことはありえません。エンジンをきっちり作業する人はこういうところもきちんとしないと気がすまないはずです。
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フロントスプロケットを仮組みしたところ、フロントスプロケット、ロックワッシャ、ナットは新品を使用。チェーンだけ良くても意味がありません。
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ライトステーやステムなどフロント周りを組み付けたところ。もちろんサンドブラスト後に塗装済み。クロームメッキ部品は社外品を少し加工して使用。ボルトは新品に交換。ライトステー下部のゴム部品も交換してあります。黄色のテープはレストア済みパーツをこするとこすり傷が入るので、マスキングテープを貼りながら作業しています。この辺は綺麗がゆえに気を使います。重要なステムベアリングも交換済み。マフラーエキパイの曲げが少し見えます。この角度からみるといいかげん作っているマフラーはすぐわかります。
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メーターのステーです。これもレストア済みです。メーターの振動を低減するためのスポンジは100パーセント駄目になっているので、製作しなおしています。結構手間がかかります。
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メーターとメーターステーの間に入るゴムダンパーとカラーです。この部品がまともについている車輌も1台も見たことがありません。そのためメーターがグラグラなのです。カラーが付いていなったり、違うカラーが付いていたり、ゴムのダンパーがなかったり散々です。当然きちんとします。
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これらの部品を組み付けます。
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メーター回りを組み付けたところです。今回メーターは程度が良いのでインジケーターを含めそのまま使用しています。
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メーターのカバーはレストアしました。
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少し内容が飛びますがリヤキャリパーを組み付けたところ。内部ピンもレストアしました。
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ヘッドライトカバーを組み付け、ウィンカーを取り付けたところ。ウィンカーは純正。ステーはショートタイプの社外品を使用しています。純正のウインカーは高価ですが高品質です。
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ヘッドライトカバー内部です。こういうところを見るときちんとしているか解ります。
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作業も終盤に近づきメインハーネスを取り付けているところです。エンジンにこすり傷が入らないようにエンジンにタオルをかぶせています。
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点火系部品のイグナイターです。軽くレストアして使用しました。ほとんど壊れないのでそのまま再使用します。
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同じく点火系の抵抗とセルモーターリレーです。この部品もほとんど壊れないので軽くレストアして使用します。
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スピードメーターケーブルを通すクランプが、手に入らなかったため、チタンの丸棒で目立たないように製作。車輌全体が写る写真がないのでイメージがわきにくいのですが、ここで車体はほぼ全て完成し、外装を載せるだけとなりました。ここから先はこのページの上の方ににある完成写真を見ていただければと思います。
     

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完成

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