どこまでも修理修理!

修理の紹介の前にひとつお話を。

旧車をレストアして責任を持てる状態で
納めるということは簡単ではなく、
組んでしまうと見えなくなる部分から、
地味な一つ一つの作業をきちんと
積み重ねていくしかありません。

これをさぼると毎週とは言いませんが
きちんと毎月のようにトラブル連発の、
お金のかかるただの古いものになりますし、
きちんと作業すれば、
最高にこだわりの持てる楽しく美しい
旧車バイクとなります。

人間というもの、やはり人と比べてしまうもの。

横に同じような旧車、あるいはそれをまねた
バイクが並んだ時。

その時自分のバイクが特別良いものであれば
その気分は大きく違います。

頑張って働いたその結果として、
そのバイクはあるのです。
社会人なりたてには買えないぐらいで
良いのではないでしょうか。

ほとんどの人は本当に程度の良いものに
乗ったこともなければ当然所有したこともない。

だから全然まともに走らない旧車バイクを
本来の魅力を知らないままに
古いとか名前とか、車体番号だけで
あがめたてまつっている。

旧車は見た目も大切。
汚ければただのボロ。

何を選ぶのも自由ですが、
ある程度年齢を重ねたら、
ある程度若い方にも魅力が解って
もらえるように美しい方が良い。

私は新車より美しいというぐらい、
綺麗な方が好きです。

ですので、乗っているのに
とても綺麗にしていただいている
お客様を見ると、
とても尊敬いたします。

さて、いつも言っていますが、
乗って楽しい旧車にするには。

それは、やはり今の基準からみて
ある程度の速さ、よく走ることが
必要だと思います。
アクセルを開けてきちんと加速、
良い音もとても大切。

そしてもう一つ。ハンドリングです。
人が操った時にどう反応してくれるか、
曲がっていくか。
これはとても大切なことです。

操った時に思うように反応する
バイクが一番よいと思います。

これを実現するには、
大きく走る場所についてオーナーさんが
イメージがおよそ解っている方がよい。

私が考えるに大きく分けるとこの2つになると思います。

①高速での走行が多い、サーキットも走る、のか。

②そうでなく一般道から峠道等の範囲か。
(ゆっくり走るのも含まれる)

よく昔の雑誌には一般道からサーキットまで
なんてことも書いていましたが、
これは旧車の場合はっきりわけて考えた方が
良いと思います。

まず、かかる荷重が全然違うので、
部品を使い分けた方が良い。
その方が中途半端な乗り味にならず
格段に安全に楽しく走れる。

要は直進での安定感、高負荷領域をとるか、
旋回や一般的な負荷での走りをとるか。

どちらもとなると、どっちつかずで、
走れてもどちらもそこそこになってしまい、
楽しさも半減するので、やはり使用目的を
はっきり分けた方が楽しく乗れます。

私なら高速で多少ヨレヨレしても良いので、
一般道から峠道をとります。
旧車の魅力はそこに凝縮されています。

当社のお客様もその辺良く解っているようで
皆さんそちらを希望されます。

先日17インチの足回りで極端に太いタイヤ、
短いフロントフォークが希望のお客様からの
お話がありましたが、
使い方と、欲しいその車体が全くあっていない
ようでした。

当社は今のところ、マグの18インチか、
ノーマルのホイールに準じたタイプしか
受注製作していないので、17インチ、
極端に太いタイヤの、そのタイプは
製作できないとお話しました。

なぜなら、今までの経験から
17インチ物でも走るようにはできるが、
面白いか、乗り手にとって安全か、
と言われれば18インチ物の方が
はっきり良いと思うからです。

速いだけのもの、見た目だけのものが
欲しいのなら、旧車でなくても、
当社でなくてもよい。

速く走ることは重要ですが、
一番ではなく、楽しく乗れることが
重要ではないですか。

楽しく乗れる旧車にするには、
元々持っている旧車の姿勢、
(前後の高さのこと)
全体の車高の高さ自体も大きく変えることは
避けた方が良い。
タイヤなども太くなりすぎれば、
入ってくる入力も当然違ってくる。
やりすぎない方が良い。

これらの物を大きく変えれば、
人間が操った時の接地感、
曲げる時の感覚、リズム、手ごたえなど
大きく変わります。

そうなるとバイクからの情報が
乗り手側にきちんと伝わらなくなる。

まだまだいけるぞ。
もうやめといた方がいいんじゃないの。
など。
きちんとバイクが伝えてくれるから
安全に楽しく走れます。

それがないと氷の上を走るように、
情報が使わってこない。
そんなもの面白いですか。

回りを見回してみて下さい。
極端に前下がり、後ろ上がりのバイクに
乗っている人は事故、転倒が多くないですか。

旧車に太すぎるタイヤを入れて飛ばす人も
転倒が多くないですか。

これは単に乗っている人の性格だけではなく
(こういうのに乗っている人はむしろ上手い人が多い)
情報をきちんと乗り手に伝えてこないバイクにも
大きく問題があると思います。

元々持っているものを上手に生かす。
たまには人の意見も聞いてみる。
これこそが楽しく乗れる一番の近道です。

ちなみに新しめのバイクも
バイクからの情報が伝わってこないものが
多いですね。スピードがでれば
いいってもんじゃない。

だから乗って面白くないものが多い。
たぶん作っている人が解ってないのでしょうね。
あるいは制約が多いのかな。
でも面白いものもあるのは聞いてます。

おまけにデザインが若すぎる。
とがっていればいいってもんじゃない。
恥ずかしくて乗る気にもなれない。

話が変わって、今日は2例ご紹介。
どちらも確か丸2日づつくらい
この部分の作業時間がかかったような記憶が。

まず1つ目に紹介するのは
エンジンは車体のレストアと整備で持ち込まれた
Z1-Rの物です。H26年受注。
K様お待たせしており申し訳ありません。

よいバイクに仕上げるには根っこの部分から
きちんと地道に作業するしかない。
当社のアホみたいな地味な作業を紹介します。
クランクケース回りのボルト修理をご紹介。

通常ヘッドのカムホルダー部以外で
こんなにネジ山が壊れていることはなく、
(普段は数本程度)
このエンジンのように約20本も壊されている
ものはまれです。

 

 

 

 


続きまして、
エンジンオーバーホールで入庫している
ヘッドのねじ山修理のご紹介。

 

地味ですがネジがきちんとしたトルクで
締められなければ、良いエンジンも、
車体も作りようがありません。

見えない部分ではありますが、
きちんと行う必要があります。
当たり前だと思うのですが。