まともなものを買ったら余計なことはしないこと。CBX1000の写真

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先日車検でお預かりしてしていた
当社で5~6年位前販売したZ1-Rを、
所有者のY様が引き取りに来られた時に
話していたことです。

「買う前(Z1-Rを)にいろいろ
心配していたけど、
買ってしまったら何も起こらない。
前にゼファーに乗っていたけど
そちらのほうが調子が悪かった」

このZ1-Rはフルレストア車ではなく
整備後に販売した車両になります。

私が思うに、
実際には何も起こらないということでは
ありませんが、きちんと整備や
レストアをされたものを購入すれば
取り扱い方がある程度正しい人なら
心配するようなことはほとんど起きない。

というのが正しいと思います。
ちなみに取り扱い方は納車時に2時間
くらい説明します。

ちなみにゼファーもきちんと対策、
整備すればほとんど何も起きないとは
思います。
ただ当社では取り扱うことが
ほぼないので、えらそーなことは
言えませんが。

Z系より前のバイクは詳しく
知らないので解りませんが、
70年代以降の国産車であれば
そんなしょっちゅう壊れるわけは
ありません。

一般の方が思う古いバイクに
対してのイメージは今だに、
故障が多い、購入後もお金がかかる、
乗りたいときに乗れない、
乗りにくい、ボロい(汚い)
という感じで思われている方が
多いようです。

特に故障が多いについては
多く思われているようですね。

なぜそんな間違った情報が、
多く信じられているかと言えば、
そういうダメな状態の悪いバイク、
商品、今回のブログ内容からいえば
ダメ整備作業、悪いショップや、
そこにいるダメ整備士によって
壊されたバイクを買う人が
たくさんいるからですね。
もう嘘だらけ。

そのダメな古いバイクをのことを
身近な人に話す、意見を押し付ける、
ネットに書き拡散する、
メディアもダメな情報をショップが
言うままにそのまま紹介する。
悪い情報のほうが拡散しやすいので
皆さん誤解してしまいますね。

ここで実例を。

預かったのはかなり前になりますが、
(車検で入庫)お客様曰く、
調子が悪いとは思わないが、
マフラーのエキパイの温度が1本だけ
低いことをたまたま見つけた。
それを車検時にみてほしい。
とのことでした。

この方は遠方に住んでおり、
当社に連絡する前に地元の
バイク屋でいろいろ見てもらったが
原因が解らなかったとのこと。
その時いろいろ触られている。

最初に電話一本くれれば
あっという間に解決できたのに。
いまさら言ってもしょうがない。

そのお客様は
乗っての調子が悪いとは思っていない、
とのことでしたが、
車両をお預かりして、
私(田崎)が乗ってみると、
とりあえず走れるし、
アイドリングもするけれど
明らかに調子が悪い。

元々エンジンにトルクもパワーも
あるので、少しぐらい悪くても
そこの部分がお客様には
あまり解らなかったようです。

当社で原因を調べたところ
エンジンとキャブの間に
あるゴムの部品、(インシュレーター)
がやや悪くなっており、
少し空気を吸っている状態でした。

つまりそこの部分だけ交換すれば治る
ということです。
地元のバイク屋はインシュレーターは
悪くないと言っていたそうです。
どういう方法で確認したの?

完全に悪く走れない、
ということではないので
かえって原因が解りにくかったの
でしょう。

さてインシュレーターを交換し、
キャブレターを元の状態に組付け
その辺を軽く走って調子が
良くなったのを確認。

この時、さらに念のため当社の
テスト用のFCRキャブと、
お客様のバイクについていた
FCRキャブと両方とも取り付けて
両方とも問題ないのを確認。

この時お客様のキャブは
当社で上下ともに分解し、
各ジェット類もはずして
点検、つまりなど異常は見られませんでした。

ただ、ねじが閉まっていない、
変色している部分など
明らかに間違った作業が行われた
痕跡があります。

念のため、数日置いておき
もう一度冷えた状態からお客様の
FCRキャブがついた状態で
エンジン始動し、試乗して
治っているのを確認。

変色など気になる部分は
あったものの
本来ならこれで作業終了です。
費用もたいして掛かりません。

持ち主の方以外にこの車両を特定する
情報が解らないほうが良いと思うので
今回車種などは書きませんが、
エンジンは当社で過去にオーバーホール
したもので、
その時一緒にFCRキャブレターと
オイルクーラーそれぞれ新品を
取り付けました。
電気系など車体側は触らず。

現在売られている
純正品インシュレーターは
昔売られれていたものと部品番号は
一緒でも明らかに材質、見た目も違い、
ゴムが伸びやすくなっています。
以前も書きましたが。

ですから、
それほど年数が経っていなかったり
走行距離がすすんでいなくても
時々悪くなることがあるのです。

キャブのアダプターが差し込まれる
部分の内径を測ればすぐに解り、
少し使うとmm単位で以前の
純正インシュレーターより内径が
大きくなります。

(と言っても今回のような
不具合は数年に1台発生するぐらいで、
知っていれば特に心配するようなことでは
ありません。)

これはインシュレーター部分からの
空気の吸い込みがたまに起こることを
知っていれば
あるいは整備中にそれに気付けば、
その部品を交換して終わり。
難しいことではありません。

そして車検を取得後に、
納品前の最終チェックで走っていると、
そこで不具合が発生しました。

しばらく走っていると調子が悪く
なってきたのです。

おかしいなと思い、
インシュレーター部分を、
キャブを外しチェックします。
問題のないことが解り、
他を軽く見てみましたが、
悪そうな部分は見当たりません。

そこでキャブをお客様のものから
当社のテスト用に交換。
エンジン始動した瞬間から
明らかに違い、
走ってみると治っているのが
確認できました。

念のためもう一度キャブレターを
お客様のものに戻し、
再度確認すると、やっぱり調子が悪い。

インシュレーターに、
はまるアダプターなどの寸法を
以前も測定しましたが再度確認。
やはりそこは問題なし。

となれば、以前確認して、
問題のなかったキャブ本体側に
問題が起きたと考え、
分解してジェット類を外し調べると、

以前確認した時は悪くなかったスロー系の
燃料の出が1気筒だけムラが多く
やや悪くなっています。
これも詰まっているわけではなく、
やや悪いという感じです。

さらに調べると、分解できない箇所に
問題があると解りました。

この部分は通常悪くなる個所では
ありません。

つけていたFCRキャブレターは新品
で取り付けてから、
まだ1万キロも走っておらず、
キャブの外観は新品のようです。

ではなぜ悪くなったのか?
それは当社に入庫する前に
作業を行ったバイク屋が
キャブレターを触っていたから。

そこかしこに、触った形跡があります。
先ほどちらっと書きましたが
フロート室を開けた際に
ボルトが3本も締まっていなかった。
3本も締まっていないなんて
ありえない。

フロート室内のプラスねじのメッキと、
ジェットが変色。
これも普通ならありえない。

おそらくこの作業の時に
非分解部分の通路内のゴム系の
部品を痛めていたのでしょう。

こういう部分が悪い場合、
しばらく走っているうちに
ガソリンと熱によりゴム部品が
徐々に変形することがあり、
すぐには不具合の症状が出ない時が
あるのです。

以前触ったバイク屋で
本来調子の悪い原因となった
インシュレーターからのエア吸いを
見抜けず、それを交換せずに
キャブをいじくりまわし、
解りにくい不具合箇所を作ってしまった。
しばらくほっとくと少しゴムの変形が
減ってくるのかもしれません。

今回は当社のテスト用キャブを
取り付けてなど事前にいろいろ
確認していたので、
今回インシュレーター以外の部分に
ついて不具合を発見できましたが、
最終テストでしつこく確認していなければ、
納車後に調子が悪くなっていたでしょう。

今回のFCRキャブの不具合は
壊れたのではなくダメ整備により
壊されたものです。

目に見えない部分を壊されてしまうと
その不具合を発見するのは
とても難しくなります。

ただ今回はネジとジェットの変色が
あったので
最初から疑っていたのです。

ここだけではありません。
なぜかキャブレターの燃料ホースが
なぜか品質の低い、すぐに硬化して
亀裂の入るようなものに交換され
さらに傷も入っていました。
なぜすぐには悪くならない燃料ホースを
交換したのか。

こういう余計なことをする
ダメ整備士がたくさんいて、
元々問題のなかったバイクを
ダメバイクにしてしまうのです。

それが古いバイクになると
この世に生まれてきてから
現在に至るその年月分だけ、
かかわったダメ整備士の数
ダメ作業の数だけ品質が悪くなり
壊されてしまうのです。

Z1なら約50年です。
その50年分の、
かかわったダメ整備士の数と
ダメ作業。
それをまともな旧車バイクとして
復活させるには、
エンジンも車体もすべてばらして
まともな整備士がまとめて整備作業
するしか方法はない、そう思いませんか。

もし調子が悪くなったとしても、
ダメ整備情報で頭がいっぱいな
自称整備士などあてにしてはいけません。

嘘情報をまき散らしますから。

まともな整備を施された
古いバイクを入手したなら
整備した人間に最初にアドバイスを
聞く。
そしてそのアドバイスに従って
必要なことだけ作業する。
余計なことはしない。
そうすればすぐに治ります。

もし納品時から、
手を加えたり、変更したりしたい箇所が
出てきた時も、素人に聞くのではなく、
製作した人間に聞いたうえで
それを参考にしてから変更する。
そうすればトラブルは最小限にできます。

電気系統は時々接触不良、
あるいはコントロールユニットごと
など突然悪くなることがありますが、
それも純正品はほとんどない。

エンジンなど機械ものも
ネジのゆるみや、テンショナーが戻ったり
しないかぎり、いきなりすごく悪くなる
ことはほとんどありません。

もし調子が悪くなっても
何でもかんでも触り、ばらしたりせずに
外からでもよいので、何か変化がないか
よく観察してください。

まともな旧車バイクを購入したのなら、
ほとんどの不調は
取り扱い方の間違い、

振動によるネジのゆるみ、
キャブのオーバーフローなど
ほとんどのことはすぐに解決できる
ことばかりです。

皆様がダメ整備士の嘘情報に惑わされない
ように、祈っております。

今回のFCRキャブレターの非分解部分は、
(分解そのものはできるが一般的に
正規内部部品は入手しにくい)
元私の勤め先、と言っても20年くらい
前ですが、ビトーR&Dさんに送って
診てもらいます。

ちなみに分解して治せない箇所が
壊れていたら、大ごとになります。
部品単体で出ない部分もありますので。
どうかダメ整備士によって起こされた
ダメージが最小限で済みますように。

今回は最後に心穏やかになりますよう、
作業前の車両ですが、
程度の素晴らしく良いCBX1000
(インスタグラムで紹介しました)
の写真を紹介します。

 

この車両はエンジンから足回りまで
手を加えます。

この空冷6気筒エンジンは
4気筒エンジンでは味わえないもので、
やや小さめのピストンが、
短めの爆発の間隔で回る、
独特の世界があります。
調子のよいものは最高に気持ちの良い
回転感覚です。
ただ、強い感じはないので
丁寧に扱うほうが良いと思います。

 

もし見た目、乗り味ともに
他のバイクと違う世界をのぞいてみたいと
考えておられる方がいましたら、
入手の難しさなどもありますが
とてもお勧めしたいバイクです。

ノーマルのままですと、マフラーなどが
重く、また足回りがエンジンの性能に
負けています。

この辺に手を加えれば、
乗っても押しても川崎の6気筒とは違い
4気筒モデルと同じような軽さ、
感覚で扱え、
(すり抜けはしにくいですが)
音も最高に良く、
さらに独特のスムーズさで気持ちよく
高回転域まで吹け上げっていく
エンジンを存分に楽しめると思います。

中高回転域が意外に伸びます。
ただ電気モーターのように無機質では
ありません。
私も欲しい!このバイクに手を加えれば
ツーリングは最高でしょう。
ただチョイ乗りでも存在感があり
やたらと見られますが。