Z1製作ドキュメント14 Z1製作写真(2015年) Facebook LINE コピー 2018.11.21 2018.09.22 Z1製作ドキュメント12で作業を紹介している、あらかじめベアリングやボルト類のグリスアップと、ハンドルポストに緩みがないかチェックしたJB製ステムキット。45mmオフセットタイプ。ほとんどの方はこの45mmオフセットの物が合っていると思います。このほか40mmタイプもありますが、乗った時により安定感が必要な場所を走られる方には40mmタイプを使用しています。40mmタイプはハンドルの切れ角がUターン時にやや足りないかもしれません。一般道で走るなら45mmで。 フレームにステムキットを取り付けたところ。ステムベアリングは締めすぎす緩すぎずに調整します。この写真ではハンドルまで仮組してありますが、アンダー側だけ取り付けたところで調整します。この時点ではハンドルの切れ角は最小にしておきます。タオルは組み付け時に誤って部品、工具などをフレーム当てたりしないように念のためかけています。この作業に限らず普段からこのようにしていれば、誤って傷をつけることを防げるので。 今回使用するJB製マグタンJB1のシルバーです。マグタンは私がビトーR&Dで働いていた時に初期の物が販売されましたが、その当時の物に比べ、見えないところにも肉抜きなど入るようになっています。 当社はタイヤは今どきめずらしい手組です。一般のバイク屋さんの様に数をこなすことがないのでこの方が都合が良いのです。 これはフロントフォークとフェンダーの間に入れるカラーです。 ここに取り付けます。本来なくても良い部品ですが、純正のフロントフェンダーの幅にもばらつきがありますから、フェンダーを少し広げたりしてもたりない場合はカラーを入れます。無理に幅の狭いフェンダーに取り付けるとフロントフォークが曲がった状態で組み付けることになり、動きが渋くなるからです。 メーターギヤ。ブラスト後に外観を塗装しています。内部は分解してグリスアップ。グリスはやや硬めのステムベアリングなどと同じものを使っています。 グリスを入れたところ。 純正のシールを組み付けたところ。はみ出たグリスをこの後ふき取り、後でホイールと一緒に組み付けます。 リヤのインナーフェンダー。レストアの方法は色々試しましたが、今は塗装をしています。理由としては他の箇所とのバランスと、タイヤハウス側を掃除する時に掃除がしやすいから。一旦綺麗に仕上がると、こういう部分の泥ハネなんかも綺麗に掃除しているオーナーさんが多いもので。 リヤのインナーフェンダー裏側。一部切り取っている部分はライディングステップのリザーブタンクへつながるホースを通すためです。あらかじめ切ってからレストアしています。 先ほどのフェンダー回りフレームの間に入るダンパー。純正品を使います。レストア時に純正品に交換していれば(欠品の場合は社外品でも仕方がない)とても長持ちするので再度交換する必要はほとんどなくなります。 見えなくなる部分ですがきちんとワッシャを組み付けます。このワッシャは特殊なサイズです。 フレームのこの部分に組み付けます。 先ほどのダンパーを取り付けたところ。 次にカラーを組み付け。カラーは何種類か長さがあるので、適切な物を使います。 上側のダンパーを組み付け。純正品。こういう潰して使うところのダンパーは、社外品はすぐに亀裂が入ってダメになる物が多いです。 フレームのネック部分に張られているステッカー。写真の車体番号は消してあります。このステッカーは純正で、元々貼られていたものはがしてレストアして使用しています。まずステッカーを傷めないようにかなりの時間をかけフレームからはがします。その後黄色く変色しているクリアのフィルムのみを文字が書かれている白いステッカーからさらにはがします。その際に白いステッカーは伸びてしまうので、それを元の状態に戻し、文字の傷めないように清掃します。その後特殊なクリアフィルムを白のステッカーに貼り、その後これまた入手の難しい特殊な両面テープをステッカーに貼り(通常の物だとすぐに浮いてきてしまいます)出来上がったステッカーをフレームに貼っています。書けばこれだけのことですが、上手くできるようになるまで、経験と勉強が必要でした。実際に作業時間もかなり必要です。しかも作業が地味。 フロントのホイール取り付けのためのシャフトとナット。以前このナットはフロントフォークを買うと付属してきたのですが、現在は別売(泣!)シャフトは純正品を再メッキしたもの。このナットはアルミの削り出しにハードアルマイトしたものなのですが、現在はシャフトの方は別のタイプのメッキに変えて、ナットはステンレスの削り出しを製作し使用することが多いです。アルミのナットは軽いのはいいのですが、整備で緩めたり閉めたりを繰り返す中でアルマイトがはがれることがあり、メンテナンス時に少々気を使うのであまり好きではありません。シャフトのメッキはそのナットに色を合わせるために変更しました。このナットはサビやすいのでステンレスになるとサビにくいですし。 リヤフェンダーをフレームに取り付ける時に間に入るダンパー。純正欠品で、社外品がうられていますが、これも締めつけて使うタイプで社外品新品でもすぐに大きな亀裂が入りダメになってしまうので、当社では元々ついている物が変な形に変形したりしていなければ、ついていた物を清掃して再使用します。その方が状態がそれ以上亀裂が大きくなったりすることがなく、社外品の新品を使うよりかえって傷みにくいからです。この写真は清掃前。 清掃後。 テールランプのベース部分が付くリヤフェンダーのダンパー部分。このゴムの部品も社外品新品よりも純正(欠品)でついていた物を掃除して再使用した方が良いです。写真も清掃したダンパーをりフェンダーに取り付けたところ。カラーもメッキした綺麗な物を組み付け。 リヤフェンダーをホイール側から見たところ。 このボルトはフロントフェンダーをフロントフォークに取り付けるボルトです。以前は純正のボルトを使っていたのですが、ホイールを変えると、フロントタイヤの幅も広くなるため純正サイズのボルトだと組み付け時にタイヤに干渉し上手く入りません。これがタイヤの空気を抜いたりがとても面倒なので、ステンレスのボルトの頭を削って薄くしタイヤが組み付け時に干渉しないようにしました。現在はワッシャも薄いタイプを入れるようにしています。 この部品もリヤフェンダーとフレームの間に入るダンパー。純正を使用。 先ほどのダンパーを取り付けたところ。 リヤフェンダーと、テールランプ回りを組み付けたところ。テールランプは純正がまだ出るので(高い!)それを使用。テールランプベースはブラスト後に塗装しレストア済み。組み付けの写真を探したがなかったので、撮り忘れのようです。すいません。結構組み付けに時間がかかるのに。先ほど紹介した清掃して使うダンパーは再メッキした部品をボルト4本で組み付け。左右のウインカーの間くらいにある部品です。最近のお客様のバイクを製作する時にはそういう部分も忘れないようにしつこく写真撮ってます。 スピードメーターギヤのレシーバー(欠品)再メッキして、ホイールに合わせ爪の部分を少し加工して使用。 このメーターギヤASSYはホイール(マグタン)に合わせZ系後期モデルの物を使っています。 組み付けるとこんな感じ。 きちんと組み付けられておらず、レシーバーが奥まで入ってものがあります。このようになっていればOK。 これはETC本体を取り付けるためのステー。サイドカバー左側の中に取り付けます。この時の物はこのように作っていますが、他の部品との兼ね合いで変更しています。現在の物は溶接ではなく、曲げて製作しています。 裏側。この時は溶接したところの回りがやや浮いて見えたので、軽くバフ仕上げにしました。 ヘッドライトのリムです。社外品を使用します。純正の再メッキの方が寸法がきちんとでているので、そちらを使いたいのですが、再メッキの方が社外品新品より見た目の仕上がり具会が少し落ちるため、社外品を加工して使用します。加工の仕方は現在の方法と、今回紹介しているものとは違いますがどちらにしてもそのままではいまひとつ、あるいは上手く着きません。ヘッドライトのケースが純正でなければ上手くつくと聞いておりますが、当社ではケース側は純正ですので。形も作りも純正の方が良いです。 たまたま会社に合ったレストア前のZ1のヘッドライトケースに仮づけしてキチンと合うか確認します。レストア後のケースで確認すると傷をつけることがあるので、レストア前の物などに取り付けて確認します。今回は取り付けのステー部分を一度切断し溶接してネジの位置が適切になるようにしました。この後この部分だけ錆止めの塗装します。 反対側も確認。 きちんと取り付けられるようになりました。 反対側。 普段はケース単品の治具があるのでそれにつけて確認するのですが、今回はこのような感じ。 出来上がっているエンジンを載せる準備をします。まず、シミにならないタイプのマスキングテープを貼ります。 次にガムテープを特に傷が入りやすい部分に何枚か重ねて貼ります。 その上にウエスを巻きます。厚すぎるとエンジンを載せる時に上手くいかないところもあるため、適度に。 エンジンマウント。アルミのタイプは雰囲気があまり好きではなく、持ち主の方から指定が入らない時以外は純正の物を使用しています。 エンジンマウント回りのボルト、カラー類。その時々で再メッキと品と、新品を再メッキしたりなど良い組み合わせを考え使用しています。このボルトは振動でゆるみやすいので、ナットやワッシャなどは純正と同じにはしておりませんが、ボルトは純正の雰囲気が壊れぬように注意しています。 エンジン側にも養生をしてからエンジンを載せたところ。いつも私と増井の2人で載せます。 エンジンマウントのボルトを締めた後に、これらボルトをつけます。オイルのドレンボルトとオイルフィルターのドレンボルトです。オイルフィルターもまだつけていません。理由はこれらがついていない方が出っ張りがなくなりエンジン搭載時にフレームに傷が入りにくいためです。このボルトは車体下側についている関係で、とても錆やすいので、ステンレスの削り出しで製作しています。 裏側。 純正のオーリングを取り付けたところ。このオーリングは毎回は変えなくて良いですが、たまには換えましょう。 これはオイルフィルターのボルト。今までオイルフィルターのカバー含めいろいろ試したのですが、フィルターカバを変更すると強度が落ちて嫌な感じですし気にいらないので、現在はオイルフィルターのボルトのみ、頭の部分を削り落したあと中を少しくりぬいて、キャップボルトの頭を埋め込んで溶接してから再メッキしています。このようにするのはマフラーの集合部ががっちりあたらないようにするためです。また通常のユニクロのメッキでなくこのタイプのメッキを使用するのはキャップボルトの中の部分にメッキが上手くのらないことが多かったため変更しました。他の下側のボルトの色とも似ていますし。 このボルトです。 純正のスプリングと、ワッシャオーリングを組み付け。 フィルターも純正。オイルフィルターはケチらず純正を使いましょう。 各部品を組み付け、エンジン下側の写真。 何の部品か解らないと思いますが、この車両はフロントタイヤを19インチから18インチに変更する関係で、タイヤとフロントフェンダーの隙間がそのままだとカッコ悪いので、フェンダーの位置を少し下にします。そのフロントフェンダーの元々開いていた穴を塞ぐためのメクラです。削り出しでその穴に合わせた穴の径のメクラをツバ付きで製作します。純正フェンダーの穴の径は少しバラつきがあり、同じ寸法で作ると隙間ができてめ抜けな感じになるためです。ツバ付きにしているのは、隙間から後ろの部分が見えるのを防ぐためと、この部品を溶接するのですが、その際に作業がしやすいようにこの形状になっています。この部品はステンレスで作っていますが、バフがけして、フェンダーのクロームメッキの部分と大きく差がでないように(目立たぬように)しています。 これがフロントフェンダーに先ほどのメクラを溶接したところ。上の穴がフェンダーの位置を下げるために開けた穴。さらに上の部分を削っているのはホイール変更でタイヤが太くなるので干渉する部分を削ったところです。この後溶接したところと削った部分は塗装しています。 表側の写真を撮っていなかったので、これは完成時の写真を切り抜いたものです。このような感じになります。以前は鉄で作って色を塗っていましたが、見た目がいまいちだったのでこの方法に変更しました。フロントフェンダーは純正のものを使用します。新品の物ですから溶接で埋めたりすると色が変化してしまうので、できないため、とても手間がかかりますが今はこの方法が一番良いと思います。 ヘッドライトはシビエを使います。古いバイクにとても似合いますし、他の部分をきちんと作業すれば充分に明るくなります。 裏側。 ライトを爪を折って固定するタイプです。間に液体パッキン塗ってます。現在はこの爪を折り曲げるタイプでなくネジを締めて固定するタイプを使用しています。その方ががっちり固定できるので。 スモールランプは使用しないので配線などは削除しています。この部分に配線がでていると、ライトケース内のメインハーネス側にもがっちり干渉し、押してしまうのでない方が良いと判断しています。 組み付け準備ができました。 エンジンマウントのリヤブレーキスイッチ取り付け部分の写真なのですが、今回一旦完成しているこの部分を変更することにしました。 リヤブレーキスイッチの位置が、ビトーR&D製のライディングステップキットとの位置関係が適切でなく、スイッチの動きがスムーズでないため、変更します。 一旦ステーを切断して、延長します。 溶接したところ。 溶接後形を整えたところ。 長くなったのが解るでしょうか。 この写真はもっと後の工程まで進んだ時の写真です。真横からの写真で解りにくいですが、このような感じになりました。手を加えない状態だとこのスプリングが斜めに引っ張られていたので、動きがスムーズでなかったのです。先ほどの加工で(これまた結構面倒なのですが)断然動きが良くなりました。 ヘッドライトステーに純正のゴムのダンパーを取り付けたところ。 フレームに傷がつかないように養生してからジャッキを当てて、仮組していたトップブリッジを外します。そしてヘッドライトステーを取り付けます。今回は段取り上こうなっていますが、もちろん先に組み付けられるときは二度手間になるので先に組み付けておく方が良いです。 外したトップブリッジに作っておいたメーターステーを取り付けます。 トップブリッジのボルトはアルミ製。このボルトは強く締める部品ではないのですが、わりと緩みやすいので、弱いネジロックを塗って組み付けています。 トップブリッジを組み付けたところ。 Z1製作ドキュメント15へ続く
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