販売車両GSXR1100の整備紹介(7)

GSXR1100販売車両整備

間が空きましたが実際に販売納品した
GSXR1100の整備模様の続きです。

前回リヤのインナーフェンダーなどの組付けまで
終わっています。

元々ブレーキの整備を行い、レストアはしない
予定でしたが、回りが綺麗になってくると
見た目のバランスが悪く感じキャリパーも
レストアしました。

交換するシール類です。

番号をふっているのはピストンの位置が解らなく
ならないようにです。

使用するキャリパーのピストン。
再使用できる時と出来ない時があります。
この2つのピストンは大丈夫。
ダメな場合は新品に交換か修正再メッキに
出します。

だいたい純正新品の方が安く上がりますが、
新品がない時は再メッキに出します。

主にダメになるのは錆びているからで
ブレーキオイルを定期的に換えていなかったり、
乗っていない期間が長いと錆びやすくなります。
ブレーキオイルは吸湿性が高いので
定期交換が必要。
低走行距離だからと言ってよいものとは限らないので
各車体ごとに状態の確認は必用です。

フロントキャリパー組付け後。

リヤキャリパーも同様に整備します。
リヤキャリパーはピストンが傷んでいたので交換です。

リヤキャリパー完成。

解りにくいですがトルクロッドがつく部分の
シールとブッシュを取り付け。

リヤフェンダー。
表も裏も外したときにしか掃除できないので
綺麗にしてから組み付けています。
穴の開いている部分にナンバープレートが
振れた時にそれを減らすゴムのクッションが
つきます。

この部品ですが、こういう部品がまだでるのが嬉しいところです。
一つしか使いませんが一つ余分に買っておきます。
小さい部品ですが、GSXR系はこの部品がボロボロ、
ユルユルになっていることが多いですね。

取り付け後。地味ですがいい感じです。

右側のリヤのステッププレートを取り付け。
テールカウルがつくのでほとんど見えなくなりますが
レストア済み。
マフラーがつくゴムブッシュは再使用。

リヤショックのリザーブタンクを固定する
バンドとクッション。再使用しますが
出来るだけ掃除をしておきます。


シートロック(ヘルメットホルダーと兼用)
のキーシリンダーを取り付け。
ボルト類と、ステーは再メッキ。
ケーブルは純正なのにやや強引な取り回しです。

先程のバンドとクッションを使って
リヤショックのリザーブタンクを固定しました。
リヤショックも状態が良いのが解ります。

ここでフロント同様リヤウインカーもチェック、
内外清掃してから電球交換をします。

たかが電球交換ですが、意外と内部が錆びていたり
長く交換されていないものが多いのです。
使っている時に切れると交換は面倒ですしね。
一般の方は家には電球を置いていないことが
多いですし。

ゴムのシールが見えますが、
ついていなかったりすることもあります。
欠品の事も結構ありその場合結構困ります。
輸入車は元々ついていない設計のものもあります。

ウインカーも綺麗になりました。
ギボシ端子部は抜き差しがしやすいように
硬化するタイプの収縮チューブを
かぶせてあります。

テールカウルと、タンデムのバーを固定するための
ステーです。ボルトは再メッキで、ステーは
状態が良かったので清掃のみしてあります。

ステーを取り付けました。
販売車両GSXR1100の整備紹介(5)の方で
作業したテールランプ回りはすでに
組みつけ終わっていますが、写真を撮り忘れました。

リヤウインカーのゴムダンパーです。
この部品は欠品で再使用です。

ウインカーのゴムを取り付けたところ。

ウインカーを取り付けてみたところ、
ゴムのダンパーに対してウインカーが緩く
少し下に垂れるためウインカーの根元に取り付ける
この部品を加工しました。
少し幅を狭く削ってあります。

加工も上手くいき本来の状態で
ウインカーがつきました。
ウインカーが垂れていてはカッコ悪いので。

古いバイクはこういうちょっとした事の積み重ねで
印象が良くなったり悪くなったりするのです。

上下逆さまの写真になってしまっていますが、
リヤブレーキのペダルと先端に被せるゴムです。

純正は素材にクリアの仕上げですが、
その仕上げは少し時間が経つとみずぼらしくなりやすいので
ブラスト処理後に塗装しています。
気に入ったバイクを買うと10年なんてのはすぐに経ちますから
当社は純正の雰囲気はなるべく大切にしますが
良い状態が長持ちすることも考えます。
飾っとくだけのものではないので。

ペダルにゴムを取り付けたところ。
今の所このゴム部品も出るのが嬉しいところ。
何十年か経つと亀裂が入っているものが多いです。

ペダルも溶接されているのが今のバイクとは
違いますね。
溶接はコストがかかるのですが
当時はこの作り方の都合がよかったのでしょう。

リヤブレーキのマスターシリンダーです。

リヤマスターのカップセット。
車種によってこの部品も結構欠品なので、
まだでてくれて助かります。

プッシュロッドなど、再メッキと
掃除して再使用の組み合わせ。

ゴムのブーツとサークリップ。
ブーツは破れていることが多いですし
サークリップは錆び上がっているものが
多いですね。

組み終わりました。
一度整備しておけば、ブレーキオイルさえ定期的に
交換すればとても長持ちしますから心配いらず。

似たような感じの作業が多いので端折りますが
内部のゴム類など交換してリヤマスター完成。

ステップバーを用意します。
バーに取り付ける部品は再メッキ。

ペダルラバー固定用のボルト、
長さが2種類あります。


ステップバーのアルミ部分は研磨してあります。
最初はそのまま再使用する予定でしたが、
これも整備で回りが綺麗になってきたため
バランスをとるためです。
簡単そうですが結構手間がかかってます。
ブラスト処理系の方が簡単ですが、見た目の
バランスが合わないと考えたので。

ステップバーを固定するボルトと、
そのペダルが立ったままにならないように
する為のゴムのストッパーがついています。

ボルトもネジで締めるだけでなく
先端にEクリップまでつけるこだわった作り。
めちゃくちゃ手間がかかってます。
古くなるとこういう部品がすぐに欠品になるので
普通に作ってくれている方が良いのですが。

右側ステップのブラケットに整備した
マスターシリンダーなどを組みつけていきます。

ブラケットに溶接の後がありますが、
(この写真は裏側になります)
GSXR系は転倒していなくても
立ち上がったりして雑に扱ったりすると
この部分にクラックが入りやすくこの車両にも
入っていたので溶接修理。
軽くしようという意思があちこちに見受けられますが
それによりこういう事がおきたりすることもあります。

こういうところは再度クラックが入りやすいので
溶接後を削って何もないようにもできるのですが
あえて溶接後はそのままにして強度を確保します。

リヤマスター取り付けのキャップボルトも
この当時からわざわざ座付きのものが使用されており
メーカーの本気が伝わってきます。このタイプの物の方が
よりしっかり固定できるからですね。

バイクを全部ばらせばわかりますが、
本気で作っているバイクは端々細かいところまで
このように作りが違うのです。
その小さな積み重ねが走りに質感にもでます。

リヤブレーキスイッチです。

リターンスプリング。

リターンスプリングはこの様に組付けます。
ブレーキスイッチのスプリングが
もう一つのスプリングにかける変わったつくりに
なっています。

さんざん手間がかかってようやく完成。

左輪も同様に組み立てます。

写真では解りませんが、ブレーキがらみの部分を
除いても作りが左右で違います。

タンデムバーもレストアして組付け。
倒して、上げてと動かしてみれば
整備されたものとそうでないものはまるで
動かした感触が違います。
バーについているフックは荷かけフックだと思います。

地味な作業が続いていますが今日はここまで。
販売車両GSXR1100の整備紹介(8)に続きます。

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