ducati 900ss gsx-r750 部品取り車

日記

最近初期型GSX-R750とDUCATI 900ssの
部品取り車を購入しました。

これは900SSの部品取り車のフレーム。
全て部品を取った後の物ですが曲がってます。
もう一枚の写真はそのエンジン分解前。

メインの取り扱い車種のカワサキZ系、
J系などは長く取り扱っているので、
すでに欠品の純正部品などでも持っている
物もあるのですが、今回この2車種も
必要性を感じ手に入れました。

古いものは純正部品が欠品になっていて
当たり前なので、
部品が必要になった時のための入手、
これがまず一つですが、以前少し書きましたが
もう一つは整備の時に仮組できる部品が
必要だからです。

例えば足回りの整備をする時は
フロントはステム回り、ハンドル
フロントフォーク、ホイールを外します。

リヤであればスイング-ム、リヤショック
ホイールです。

古いバイクの場合新しめのバイクのように
分解して整備してすぐに組み立てるということが
出来ないことがほとんどです。

フロントフォークをばらせば
インナーチューブの再メッキに出さなければ
いけないことがよくありますし、
スイングアームもレストアしたほうが良い
という判断になれば
その時に仮組できるフロントフォークや、
スイングアームがあるととても助かります。
車体をその場から移動することができるからですね。

趣味のものではないので、
ばらしてそのまま置いておくなんて
呑気なことは出来ません。
ほとんどのバイク屋さんがそうだと思いますが
何台も同時に車体ごとばらしておくことができる
スペースがあるところは少ないと思います。

こういう時に、多少傷んでいても
足回りなど各部品があればそれを取り付け、
移動して、レストアをしたり再メッキに
出している間に他のバイクの作業ができます。

となると、今後良く取り扱うと思われる車種や、
それに近い物の部品取り車を用意しておけば
段取りよく作業を進めることができます。

また当社で言えばカワサキZ1などは外装の
セットなども持っていますが、
車体が完成しても外装の塗装が仕上がっていない時、
その外装を仮に取り付け走行テストもできます。

またそれとは別に大きなメリットがあります。
それは過去に何度も大きな作業、
例えばフルレストアやそれに近い作業を
何度もしている車種はともかく、

数をそれほど取り扱うことの少ない車種などは
どんなプロであっても構造などの記憶が
おろそかになってきます。

そうなるとお客さんに説明をする時にも
あいまいさが出ますよね。
全てを知ることは無理なので
解らないは解らないで調べる術が
あれば良いのですが、詳しく解っている方が
何かとよいのは確かです。

その辺で一度全部ばらして確認すると
再度記憶を呼び戻すことができ、
さらに普段使わない特殊工具なども
必要だと感じれば事前に用意することもできます。

もちろん過去写真などで詳しくデータをとっていれば
良いのですが、アナログの写真時代の時に
作業したものは残っていないですね。
バイクの車種は膨大なのでデータがあるものなどは
どうしてもごく一部になります。

よく整備士が、さも何でも良く解っているような
口ぶりで話をしているのを見かけますが、
実は上っ面の事しか知らず、
それが全く的外れなんてことも良くあります。

そりゃそうですよね。
これだけ膨大な量の車種があり、
それぞれについて詳しく解っているなんて
かなり難しいことです。

それでも、カワサキのZ系からJ系、
スズキのGS系、
GPZ900RからZZ-R系は基本構造が似ているので
エンジンに関してはそれぞれにOHなど
したことがなくても応用が効きます。

ホンダでもCB750Fと6気筒のCBX1000は
似ているところが多く、これも勘所は
似ています。

ヤマハはずいぶん昔にTX750のエンジンOHを
ホンダのディーラーさんに頼まれて
したことがあるぐらいで全く詳しくないのですが、

スズキも油冷系はエンジン構造は
同じような物なので大丈夫です。

DUCATIは90年ぐらいから97年ぐらいまでの
SSしか取り扱っていませんが、それ前後の物でも
これもトラスフレームと、デスモドロミックの
バルブ回りなどの仕組みも似通っているので
国産車ほどは自由に出来ませんが
車種を絞れば応用が利きます。


では一般の方で部品取り車まで必要かと
言えばそれはほぼ必要ないと思います。

よっぽどマニアの方で中々部品が手に入らない
車種に乗っているのであれば持っていた方がよいですが、
まずは部品取り車やストック部品なんぞにお金を使うより
今乗っているバイクの整備費用に回す方が良いですし、
きちんとしたプロの店とのつながりがある方がよい。

いつも部品ばっかり集めて、
乗っているバイクはまともに整備されず
さみしい状態であれば本末転倒です。
もちろん集めることが趣味の方はもちろんそれで
良いのですが。

今回入手した2台のうちGSX-R750の方は
エンジンはばらしていないものの車体は全バラ、
DUCAT 900ssはエンジンも全てばらして
再確認しました。

先程の繰り返しになりますが
よく整備済みなんて言って売っていますが
ほとんどの場合、一台一台のバイクについて
詳しく解っていない整備士がほとんどですよね。
そりゃほとんどの整備士は本当の意味での
エンジンオーバーホールなんてしたことが
ないわけですから。

ばらして組み立てただけのものは
OHではありません。

当社であれば、VFR400やCBR400なんかは
エンジンを全バラなどもしたこともないですし、
2サイクル車のNS400Rも同様。
だから乗ってこういうところが良いなど
大まかな部分のことは解りますが、
構造的なことは解らない。

今後も自社で良く取り扱うことが増える車種は
部品どりを入手するついでにもう一度
過去の記憶を取り戻す作業はしていきます。


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