最近ようやく1987年式のGSX-R750の(販売車両)
足回り整備が一通り終わり
試乗を何人かの方にしてもらっています。
試乗してもらっているお客様は
すでに当社で販売した車両をお持ちの方が殆どで、
カワサキZ系やローソン系など鉄フレーム
空冷エンジン車を所有されている方になりますね。
ハンドルは変更しており、
より楽なポジションに変更してありますが
セパレートハンドルでフルカウルですし、
1970年~1980年の鉄フレーム車が
好きな方にはまるで畑違いバイクのように
思われる方が多いかもしれません。
ですがそれは大きく違います。
試乗後のお客様は、タイトルのように
笑顔、笑顔、もしくは普段冷静な方でも
ややテンション高めで帰ってきます。
試乗前にこんな感じだろうと予想して
いるものより運転しても
今お乗りのバイクに近い部分もあり
面白いからですね。
このバイクのフレームは
アルミのダブルクレードルフレームで
(写真は750でなくGSX-R1100のレストア中のもの)
エンジンの上下を囲うようなフレームになります。
もう一枚の写真は下から撮ったもので
エンジンの上を通るフレーム2本の幅が狭いのが解ります。
単品でフレームを見れば、鉄フレーム車に
似ている部分がとても多いことが解ります。
このあとのGSX-Rからはフレーム形状が変わり
剛性を高めていく方法でこの2本の幅が広くなり
ダウンチューブもなくなっていく方向です。
何が言いたいかと言えばこのフレームの形状は
それまでに使われていた鉄フレームを
剛性などに配慮しつつアルミに置き換えたような形状で
しかも前後のホイールは18インチとなっています。
そうなると乗り味はどうなる?
それは空冷エンジン鉄フレーム時代のバイクを
チューニングして軽量化のためアルミフレームに変更、
高剛性なフロントフォークと、
リヤサスペンションを2本から1本に変更、
そして空冷2バルブエンジンのヘッドを
4バルブに載せ替え、熱対策をしたエンジンを載せた。
そしてそれに似合うだけのブレーキ性能を持つ
ブレーキシステムを取り付け、
空力的な対策を施した。
そういうバイクになっているわけです。
つまり空冷エンジンの鉄フレーム車の
チューニング車両のような乗り味。
この部分をぜひ味わってほしいので
初期型のGSX-Rにこだわっているわけです。
実際Zなどの空冷エンジンをアルミフレームに
載せてということをされていた方もいましたよね。
唯一のこだわりバイクとして乗っていただくのも
もちろんですが、
ぜひアップハンドル空冷旧車をお持ちの方に
乗っていただきたい。そう思います。
現代のバイクとは違い旧車の
チューニングバージョンみたいなバイクですから
シート高も低く低中回転域からトルクも太くて
フルカウルものとは思えないほど
ハンドルの切れ角も大きめ。
とっつき易いわけです。
フレーム同様車体の幅も狭く
車格に対してエンジンが大きく、
主張が強めになります。
そして音。
どのお客様にも音の良さの事を言われます。
それは水冷エンジンと違い
ウオータージャケットを持たない構造。
ダイレクトに音が外に出てきます。
さらに純正エンジンにして
空冷エンジンのチューニング仕様のような
エンジンですから、正に音は刺激そのもの。
軽い車体と相まって、750ccとは思えない走りを
するわけです。
そして試乗されたお客様は
「こんなバイクだとは思わなかった。」
「なんで新車で販売されたときに買わなかったんだろ」
と話されるわけです。
ただし、ノーマルはいくら元々のポテンシャルが
高いと言っても、試乗していただいた
バイクのように良く走るわけではありません。
特に純正のキャブレターや
ブレーキのマスターシリンダーなどが
足かせになっています。
それを開放するために
まずはエンジンの調子が良いことは当然ですが
現代の35mm口径のキャブレターと
油冷専用で造った当社製マフラー。
これによってエンジン本来の能力を
引き出していること。
もちろん軽量化にもつながります。
そして車体回りも大掛かりにばらし
時間と手間をかけて必要な整備を施して
いること。
大掛かりな改造などはしていませんが
出来るだけ元々のスタイルを残しつつ
本来持っているポテンシャルを引き出すように
努めています。
1100の方も時間がとれないので
匍匐前進状態ですがコツコツと
作業をすすめており、
750を体験した方にはその違いを
解ってもらえると思います。
1100の方は1100の排気量による
トルクと豪快なパワー。
それに見合うように高剛性化された
フレームなどを存分に味わっていただきたいと
思います。
事前に連絡いただいた上で
ぜひご来店してください。
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