カワサキZ系の純正部品がどんどん販売終了に
なってきています。
凄い勢いで、見る度に欠品が増える印象です。
今のカワサキの経営者は古いバイクや
今までのカワサキ車を残していく気持ちは
ないようですね。
こういう部品は一旦やめるとまた作り始めるのは
難しいですから。
他の車種よりもZに関しては各ショップさんが
販売終了になった部品を作ってくれることが多いので
欠品になってからもそれほど困らないことも
多いのですが、
そうは言っても同じ部品でも店によって
品質は違いますし、金額も違うので
困ることに違いはありません。
純正部品も価格は高いですが
それらの代替品は金額も高くなることが
多いですね。
純正部品の中にももちろん良い部品、
いまいちなものもあります。
いまいちなものについてなくなっても良いですが
良いものについては欠品になると
とても困ります。
また欠品になっていなくても急激に金額が
高くなっており、ここ数年で見ても
倍近くに感じる部品すらあります。
当社もここ数日ですぐに使わない部品を
数十万円分購入しました。
そういう物とは別に
すぐには作業出来ないエンジンの
オーバーホールの予約を受けている方の
部品なども先に注文しています。
これについてはその部品代は予約のお客様に
先にいただいています。
間違いなく言えるのは
今後同じ金額なら内容が薄い(悪い)
古いバイクが売られ、
同じ内容の良いバイクを買いたいとなれば
もっとお金が必要になる。
ということですね。
コツコツとお金を貯める余裕があるなら
ローンで買ってしまった方が安いです。
良く好きな仕事ができていいですねと
言われるのですが、
まともなものを納品するという前提なら
工数も著しく多い上に、
作業に必要な部品の量も半端ではないので
生半可な覚悟ではできません。
まともなものを納品しないのなら
交換する部品の確保も必要なく、
工数も少ないなら時間もかからない、
問題があれば
「古いバイクですから」なんていう
言葉でごまかしてしまうという
悪い流れになりますね。
もちろんそんな古いバイクはトラブルばかりで
乗っていても楽しくもなんともないでしょう。
勘違いしてはいけないのは
古いバイクならではの設計が悪かったり、
新しいバイクとは扱い方に違いがあったり
するのは事実です。
今のバイクのように間違った取り扱いを
許してくれるようなつくりにはなっていないので、
納品時に店の取り扱い説明があれば
キチンと聞いて、できる範囲で守って
いただくことは大切です。
初めて古いバイクに乗られる方には
はしょっても大体説明に1時間ぐらいは
必用だと思います。
エンジンの始動前にキャブに燃料を
キチンと送ってからかける、
なんていう当たり前の簡単なことだけですが、
その当たり前を知らなかったり
間違った知識を持っている方も
とても多いのです。
話は変わりますが、
スズキGSX750Eです。

このバイクは数年前に納品したものですが
その後、エンジン内部のスペックを変更し、
その出力アップに備えてミッションの
ギヤ抜け対策をして、
マフラーをバンス&ハインズ製から
当社の物に変更しました。
材質はチタンですが、
オーナーさんの希望で黒にしています。
このエンジンのための専用マフラーですから
音も性能の面でも、相性は抜群です。
走りは純正そのままと違い
明らかにトルクとパワーが上乗せされ
まるで走りが違います。
もちろん扱いにくくなった部分は
ありません。
音ものんびり走るペース程度でも
よく使う3500回転位の状態から
シフトダウンするときなどは
正に快音という音が聞けます。
オーナーさんだけの特権ですね。
このGSX750Eのエンジンは
カタナと形は似ているものの、
その前世代的なつくりであちこち
違っています。
この車両も今となっては欠品だらけで
ほとんど手に入りませんが
製作時はまだギリギリ必要な部品が
手に入るタイミングで、
キチンとしたオーバーホールと
レストアができています。
見えない部分ではありますが
キチンとしたオーバーホールを行った
エンジンはくたびれたエンジンとは
走っている時の気持ちよさ、
扱いやすさがまるで違います。
またマフラーは本来の性能を引き出し、
出力特性を大きく変えられる
重要な部品です。
一品物のマフラーは価格も高くなってしまいますが
それだけ価値のある部品です。
見えますしね。
手間をかけずして
面白い物、綺麗な物、故障が少ない物
なんてのは手に入りません。
ぜひ皆さんにも良い旧車バイクを
体験していただきたいですね。
前回少し書いたのですがCB1100Fの
整備と改良のメニューです。
毎日見ていると良くしたくなってきて
内容が変わってきています。

フロント回りは
39mmと、1100Fと同径のフロントフォークを使い
アンチノーズダイブ機構がついていない
ものに変更します。
ハンドルは通常のパイプハンドルが使えるほうが
良いので、これも900Fのトップブリッジを
使用してパイプハンドル化します。
そのままではメーターが取り付けられないので
メーターステーを溶接して取り付け、
元々1100Fではトップブリッジ上にヒューズボックスが
取り付けられていますが
それは別の所に移設します。
ステムの下側は純正オイルクーラーをかわすために
特別な形状なのでそのまま使用、
ステムベアリングは交換します。
フロンフォークはアウターチューブについている
カッコ悪いリフレクターは加工してなくし、
部品が手に入ればスプリングレートを変更します。
純正はフロントブレーキの効きが悪いので
これはディスク、キャリパー、ホース、
マスターシリンダーすべてを変更して
効き良く、扱いやすいものにします。
ここまでで大きく走りが改善しますが
マフラーも当社製か、ビトーR&D製
そのままか、ビトーR&D製に当社製
サイレンサーの組み合わせかは決めていませんが
チタンマフラーに変更。
キャブレターはFCR、おそらく37mmの
径になると思いますが、それを取り付けます。
ここまでしたうえで走行テストして
エンジンの作業をどうするか決めたいと
考えています。
前回書いたことで一つ勘違いしており
1100Fはフレーム右側のダウンチューブ
は脱着式になっており、
えんじんを降ろすことはCB1100Rなどの
オイルパンを外してからでないと
降ろせない物とは違いました。
おかげでエンジンを降ろすことは
CB750Fと同様の手間でできますね。
ちなみに750Fとは作りが異なり、
排気量UPにそなえ、
強度が高くなるように変わっています。
北米などのカウルがつくタイプよりも
入手しにくいCB1100Fに興味がある方は
お問い合わせフォームからご連絡ください。
写真は入庫時そのままの状態です。
よく聞く言葉ですが
古いバイクで安いものに良いものなし。
高いものが良いものとは限らない。
店選びは運命の分かれ道です。
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