古いバイクに新しくでた商品を
次から次へと深い考えもなしに取り付けたり、
試したりする人がいますがお勧めしません。
設計が古い時代の物ですから、
今の物とつくりも違うし、材質も、
設計時の使用条件の設定も違う。
こんなに暑くなることや、交通量が
多くなることなど1970年当時考えて
いたとは思えません。
それなのに新しいものを次から
次へとつけられたり、中に入れられたり
してはバイクも「それは勘弁して!」
と嘆いているでしょう。
売っているものが旧車専用や、
その車種専用とうたっていても、
その部品を作った会社側はその商品を
売ることが目的なのですから、
それをあなたのバイクに使うことが
良いことかどうかは熟慮した方がよいです。
特に金額的に負担が少なくできるもの、
手間がそれほどかからないものほど、
安易に考え使ってしまい、失敗する人が
多いのです。
失敗とはその部品をつける、使うことに
よって他の部分を痛め、修理する羽目に
なることです。
使う金額が大きくなれば、
いろいろ調べ考えます。
ですが負担の小さい金額の場合、
消耗品で定期的に交換する必要がある
物だったりすると、ちょっとしかきっかけで
深く考えずに結論をだし、失敗することが
多いです。
一番解りやすく失敗しやすい例と
言えばエンジンオイル。
エンジンオイルは新しい商品がでたり、
人から勧められたりすると、
つい試してみたくなるものです。
メーカーや販売店に尋ねると、
「古いバイクにも使えます」
などとあっさりと答えてくれたりします。
そんな発言はあてになりません。
あなたのバイクと同じ仕様のエンジンで
テストしたことなどないのですから。
エンジンオイルの評価基準はオーナーさん
人それぞれ。皆さん同じ基準では
なくみんなバラバラです。
好みや大切にしたい部分が違う。
ですので、他の方からすすめられたもの、
たとえそれが仲の良い方であっても、
あなたに合うものかどうか、
求めている商品かはどうかは
解らないのです。
激しく、バイクへの負荷が高い乗り方をするには、
内部の保護が最優先されるでしょう。
ですが、普通に使う方であれば、
大切なのはまず値段であり、
通常使用での内部の保護は当然として、
乗った時のフィーリング。
エンジンがスムーズにまわり、
ノイズが少ないものなどがよいと
されるのは当然です。
ですが旧車に入れるオイルは、
それ以外にも大切で気にしたいことが
あります。それはオイル漏れ。
そして、エンジン内部で
滑ってはいけない部分との相性。
解りやすいのはスタータークラッチ。
セルを回した時に噛むとでもいえば
いいでしょうか、空回りしたり、滑っては
いけない部品です。クラッチなども同様です。
オイルで典型的な3つのタイプをあげれば、
①価格は高め。
フィーリングがよい、ノイズも少ない、
内部の保護も良い。パワーがでるものもある。
だけどオイルにじみ、漏れが増え、
スタータークラッチが滑りやすくなり、
それまわりの部品交換サイクルが
早くなるオイル。
②価格は安いものが多い。
オイル漏れはしにくい。
だけどガサゴソまわってフィーリングが
悪い。内部保護機能は負荷が高い時、
飛ばした時には不安なオイル。
③価格は中間。
オイル漏れはしにくい。
フィーリングは良いものと悪いものの
中間で表現すると中の上ぐらい。
内部保護機能も①には劣るが
一般道で飛ばすくらいなら問題なし。
当社で使用するのはこのタイプ。
この代表的な3例でいえば、
どの商品もが悪いわけではない、
要は使う側の選択が間違っていないか
どうかだけです。
例えばAさん、
飛ばすので、内部保護は大切。
乗っていてフィーリングがよい方がよい。
お金もフィーリングがよいなら、
少し高くても良い。
少しくらいオイル漏れが増えても
フィーリング優先で漏れたら治せばよい。
と言うなら①を選択するのがベスト。
Bさん。
全然飛ばさない。
磨くのが好きだから、オイルにじみが
気になるほう。
フィーリングは乗っていて違いが
よく解らないから気にならない。
価格は安いものがよい。
なら②がベスト。
Cさん。
峠を行ったり来たりや、
サーキットを走ったりはしないけど、
ツーリングではガンガン開けて走る。
フィーリングはある程度スムーズで、
ノイズが大きくなければ良い。
オイル漏れはできるだけ少ない方がよく、
金額はあまり安いものは物はかえって
不安がある。かといって高いものは
避けたい。
となれば③がベスト。
この選択を間違っている人がいます。
Bさんのようにオイルにじみが気になり、
フィーリングなどはあまり解らない、
(気にしないも含む)
スタータークラッチなどの故障も
できるだけ避けたいのに、
人に勧められたり、評判を聞いたりして、
①のタイプのオイル、つまり
オイル漏れがおきやすくフィーリングがよいものを
選んでいる場合がよくある。
これでバイクにオイル漏れがおきたり、
それにより修理代がかさんだりしても、
それは100%バイクは悪くない。
その商品を選択し、使ってしまった
オーナーさんが間違っている。
こういうことです。
自分の望んでいることと、
商品があっていない場合がある。
新しい商品を使う時は
良く良くお考えを。
その旧車には合わない一つの商品で
バイクが大きくダメージを
受けることがあるということ。
たくさん買い物をした経験があるからと
いってなんでも解っていると
勘違いしてはいけない。
素人余計なことをするべからず。
そんなことより、まず良い旧車バイクを
購入して、楽しんで乗り、
時々まし締めをして、
タイヤに空気を入れて、車検時に
悪い部分はキチンと予防整備をすることが
大切。
間があきましたが、
ここからZ1製作ドキュメントの続きです。
エンジンが完成しましたので、
次から車体組み立てに入ります。
セルモーターなどは段取りの関係上
今回は後で取り付けます。
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