少し前の話ですが、車の車検で代車を
借りた時の話です。
車検の予約では珍しいと思いますが
たまたま用事で店に行ったので
4~5カ月前に予約をしました。
予約が早かったため代車の中で
好きなものを選ぶことができるということで
乗っている車と同じ車種の
年式が新しいものを借りることにしました。
どう変わっているか知りたかったのです。
大きく違うのはエンジンと年式のみです。
エンジンはうちの車が3リッターのターボ付き、
購入時1万3000キロ位、
代車の方は2リッターのターボでハイブリッド
走行距離はほぼ新車の数千キロです。
乗ってみて想像以上に印象が違い
驚きました。
ちなみに代車のエンジンスペックなどは
借りる前には知らない状態で、
乗ってみてあまりに違うので
車検証など調べて違うことを知ったわけです。
つまり外観から年式が新しいということ以外は
事前にこういうもんだという先入観なしで
運転しての違いを感じたわけです。
代車がアクセルの踏み加減に対して
反応が自然でないことに走り出して
すぐに気が付きました。
まるでしばらく乗っていなかった
古めの負圧式キャブレター車に
乗っているようです。
全てがワンテンポ反応が遅れ
セッティングがいまいちのような印象。
信号右折で一旦停止して、
そこからスタートする時には
対向車線の流れが完全に切れてないと
右折する気になれないと言いますか。
反応がいまいち素直でないので
躊躇してしまいます。
例えばこんなアクセル反応のバイクだと
微細なアクセルワークに対して
ワンテンポ動きが遅れたり
トルクが立ち上がってくれないので
Uターンがしにくかったり、立ちごけしたり、
ゼロからのスタートが面倒になったり、
少しきつめの坂道発進などが
やりにくくなったりします。
もちろんコーナーでもトラクションが
良いタイミングでかけられず
曲がらなくなります。
乗り方に問題がある時もありますが
バイク自体が乗り方に合っていないこともあります。
人それぞれ考え方があり、
好みで仕上げればよいですが食わず嫌いは
いけません。
当社ではバイクはきちんと走れてなんぼだと
いうことで作業を薦めております。
次にアクセルを大きく踏み込んで
走ってみます。
数値上は家の車は約430PS
代車のハイブリッド車は約330PSぐらい
だったと思います。
出力は100PSほど違いますが
代車の方でも330PSあります。
ところが踏み込んでも悪い意味の
茫洋とした印象はぬぐえず
音もいまいち、ただボーボー
言っているだけです。
アクセルの踏み込みにリンクした
反応ではなく、330PSあるのに
まるでそれを感じることができません。
実は今の車を買う前に同じメーカーで
同じくらいの車格で330PSエンジンの
車に乗っていたのですが
これは出来の良いキャブ車のような
反応でアクセルの踏み込みに対し
実によく走りました。
数値上は同じ出力なのに方や佳作、
かたや絶対に買ってはいけない車。
同じメーカーが作ったものなのに
これだけ違う。
得手不得手なのか、
ノウハウが足りないのか
あるいは本気で作っていないのか
時間が足りなかったのか
人がいなかったのか。
これは燃費を狙ってそういうことに
なってしまっているのでしょうか。
またはハイブリッド車は造り慣れていないから
そうなったのかは解りませんが、
明らかな失敗作です。
こうなるとまるで運転が楽しくない。
私は車の運転で特別飛ばすことは全く
ありません。
流れに乗るか、少し早い程度の運転です。
それでも直線の加速、追い越し、
レーンチェンジ、交差点を曲がったり
ちょっとしたコーナー。
全く運転して楽しくありません。
それ以外にも違うところがあり、
まずサスペンションが硬くなっていました。
これがすこぶる印象が悪く
ただ安いサスの様に硬くなっているだけ。
またシート表皮のデザインが
変わっていたのですが
座って直接触れる部分のステッチの量が
増えていました。
縫い目の幅がかなり狭くなり量も
増えています。
後期モデルですから、
見た目の印象を変えたかっただけかも
しれません。
これがサスペンションの硬さと相乗効果で
さらに悪い印象で表皮が体になじまず
突っ張って、ただただ硬い印象です。
一つ代車の方が良くなっている箇所が
ありました。
少しだけ小回りができるようになっていたこと。
では燃費。うちの家車は燃費が悪く、
みるみる燃料が減っていき、
気にするのを辞めたぐらいです。
では代車の方はどうか。
面倒なので正しくは測っていませんが
ハイブリッドなのに街乗りリッター
8から10ぐらいかなという印象で
特に高速の方でも伸びずという感じです。
燃費も大してよくないのなら
アクセルに対しての不自然な反応で
全てをダメにしてしまっている
この車の存在価値は何なのかということです。
もし今、中古車でそれぞれの車を
買うとして金額を比べれば
当然借りていた代車の方が年式が
新しい分、断然高くなります。
実は今回車検に出した車を買う時には
遠方にあったため現車を見ておらず
(見たのは写真のみ)
当然試乗もしていません。
その中で搭載されているエンジンは
色々あり、買う車は決めていたので
詳しくは後で知ったのですが
500~600PSぐらいのエンジンの物や
ガソリン車350~430PSぐらいのもの、
ディーゼルのたぶん200PS中盤くらいと
今回借りたハイブリッド車は330PS版が
あります。
実際に乗った印象から感じたことは
ハイブリッド車を買わなくて正解、
ということですね。
古いバイクのことも頭に浮かんできます。
同じ車体でもキャブやマフラーが
いまいちだったり、
エンジンもノーマルや鍛造ピストンを
組み込んだもの。
同じ車種でもいろいろ選べます。
当社では今回書いたハイブリッド車のような
物は販売しません。
実際に私が乗り、足りない部分や
改良したほうが良いところは手を加え
単に見た目だけではなく
運転しての喜びが得られるようにして
納品しています。
同じ車体でもエンジンやセッティングが
違えば、年式が新しくても
価格が高くても買う価値なしのバイク、
車もあるのです。
古いバイクたちを乗りたいという方が
多いということは、
スタイルだけでなくきっとその面白さに
触れてみたいという方が多くいるから
でしょうね。
何台もバイクを買った経験があろうとも
今までスペックや名前だけにとらわれて
しまっていては誠にもったいない、
そう思います。
仕入れたバイクをただ並べて売るだけでは
得られない世界があるのです。
大変ですけれど。
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