先日行ったJ系(Z1000R等も同じ)エンジンのクラック修理です。
エンジンOHの際に治すしかありません。
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この画像はエンジン後部のフレームに固定される部分のアップです。
矢印部に入っていてこの写真では、はっきり3箇所見えますが通常は
パッと見、解らないものもあります。
うっすら見えている程度でも5~10mm程の深さで入っているもの
がほとんどです。
J系(Z1000Rなども含む)はZ1系と違ってフレームへの固定が
エンジン後ろ側はここ1箇所でされています。
その為フレームエンジン共に負担が大きくて、私が今まで見た
車輌は100%クラックが入っていました。
クラックは色を塗っていたり汚れていたりすると解らないものが
多いですし、車輌にエンジンが搭載されていると見えにくいです。
また車体がフルノーマルでもクラックがほぼ入っていると考えて
よいです。
「改造していないから壊れてないはず」という考えは甘いです。
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修理する場合にはまずこのようにクラック自体がなくなるまで
深く削っていきます。
ご覧のようにかなり削らないとクラックがなくなるまで削ること
が出来ません。
削るときも後で溶接することを考えて上手く削らないと、溶接
して冷えるときにさらにクラックが広がり大変なことになって
しまいます。
このように削らずにクラックの上から溶接して治す方もいますが、
それでは強度がでなくて、オイル漏れしている場所の上に液体
パッキンを塗っているのと同じできちんと治りません。
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溶接後の写真です。ひずみなどでないように、クラックが再発
しないように気をつけて作業します。
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この写真は一度溶接した後ある程度削った後、さらに溶接が
足りない部分に再度溶接した写真です。
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その後整形して仕上げた写真です。純正と同じ形にすることも
可能ですがまたクラックが入ってしまうので車体に組み付けた
ときに変にならないように考えながら強度が上がるような形に
しています。
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この写真は、上から見た状態ですが可能な限り鋳物の筋などを
なるたけ残して不自然にならないようにしています。
このバイクはこの後黒の塗装で仕上げるので全くわからなくなります。
またサンドブラスト仕上げの際もほとんどわからなくなります。
あなたのバイクは大丈夫でしょうか?
エンジンOHの際はきちんと修理されているでしょうか?
ここでは簡単に紹介していますが、この作業は慣れていても
きちんとすればだいたい5時間以上かかります。
J系エンジンのクラック修理です。
日記
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