GPZ1100 、できなきゃ断りなさい。

カワサキ空冷最強エンジンになる、
GPZ1100(空冷エンジン)の
エンジンオーバーホール作業とその他の
整備作業を車両持ち込みで受けています。

そのエンジンのヘッドとシリンダーが
過去のダメ作業で壊されています。
このダメ作業がこのエンジンに限らず、
とても良くある事例なため、
参考になりますのでご紹介します。

エンジンに力がない?なんか変に熱をもつ?
治ります。
IMG_5649

このヘッドです。

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これが正常なもの。良く見ておいてください。

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ステムシールが壊れています。小さいスプリングを
巻いたような形状のオイル下がりを防止する
リングの様な部品が外れ、ステムシール本体の
ゴムの部分もダメになっています。

IMG_5651

こちらも壊れているステムシール。これ以外の箇所もダメに
なっているものがあります。

IMG_5642

このステムシールもダメになっていますが、
バルブリフターが入る部分が傷だらけに
なってしまっています。
ここまで傷が入っている物は珍しいです。

黄色のペンで印をつけているのは、
カムホルダーを締め付ける固定ボルト16本のうち、
この印をつけている1本だけ、
拾ってきたようなボルトがついていたため、
後でチェックする意味で印を入れています。

IMG_5644

違うアングルで撮ったもの。こちら側も傷だらけです。

IMG_5653

今度はポート側からの写真です。このGPZ1100は
過去にガイド交換がされていますが、
その作業がダメでポートにでているガイド先端の
つきだしが2mmほど多くなっています。

もう一枚写真をお見せします。
解りにくいかもしれませんが比べてください。

IMG_5654

これもEXポート側なのですが先ほどより
ポートにバルブガイドの先端がでている量が
少ないと思います。だいたいこれが適正ぐらいです。
写真ですと大きく違いがあるようには見えませんが
先ほどの物とは2mmも違います。

通常は0.何mm程度しか違わないのが
正常です。

今回写真で紹介している分だけでなく、
逆にバルブガイドの打ち込みが足りない物
(ポートにガイドの先端のでる量が少なくなる)
が数本ありました。

そして良くあるパターンでバルブガイドは
交換してあるのに、その際に必ず必要な
バルブシートカットすり合わせ作業をした痕跡が
全くない。

で、だいたいこういう作業をしているエンジンに
かぎって、
IMG_5655

ポートとバルブシートリングの段差とその周辺を
テキトーに削ってあります。
段差とってやったぜ、偉いだろ的な。

そんなことに手を出すより、まず自分のやるべき
作業をきちんとしろ!
そう思いませんか。

次にシリンダー。
IMG_5659

シリンダーは状態そのものは悪くありませんが、
IMG_5660

写真ではそれほどきつくないように見えますが、
かなりシリンダー下面が傷だらけです。

IMG_5661

この部分のガスケットはまだ換えてから
日がたっていないようで、硬化しておらず
まだ柔らかかったです。

そのガスケットをはがして見るとこのような感じです。

このシリンダー下面の純正ガスケットを
はがす時には、年数がたっているため、
通常ガスケットがかちんこちんに硬化しています。
半端なく硬いです。

この硬化したガスケットをはがすにはコツがあり、
なおかつ丁寧に時間をかけはがせば、
問題になる傷は入りません。

要は乱暴な作業でこのような深い傷が入ってしまって
いるのです。
余計なとこ削るより丁寧にガスケットはがせ!

IMG_5656

おまけにピストンまでヒビを入れてやがる。

IMG_5636

これは分解時の写真ですが、
だいたいこういうヘッド回りの作業がダメな
GPZ1100、Z1100Rはカムシャフトの色が変。
カム山まで茶色っぽくなってしまっています。

だがしかし、Z1100RやGPZ1100の空冷最強
エンジンでは、これぐらいのヘッドとシリンダーは
むしろ状態が良い方で、もっとボコボコに壊されている物が
普通です。恐ろしい話です。

本来古いバイクでもエンジンには充分に
力があるのが本来の姿です。

アクセルを開ければぐっと加速します。

もし皆さんの自分のバイクが、
加速感がない、ぐっと前にでる感じがないと
感じる場合は今回紹介しているように、
力がでないきちんとした理由があります。

私の目標は古いバイクを本来の調子で
一人でも多くの方に乗ってもらうこと。

良い旧車バイクを外観から判断するのは
ほとんどの方には難しい話です。
ということは買う側には落ち度がなく、
(何でも買ってよいという意味ではありません)
全て間違った作業をした人間が悪い。

今回紹介した例はしょっちゅう見かける
典型的な実例です。

こんなダメになる作業を
自分からお金を払って依頼せぬように。

先にご注文していただいている方の
後の作業にはなりますが、
このGPZ1100も本来の調子を
私たちが取り戻します。

投稿者: 田﨑 隆一

タサキチューニング代表です。よろしくお願いします。

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