Z1製作ドキュメント15 Z1製作写真(2015年) Facebook LINE コピー 2018.11.21 Z1製作ドキュメント14の続きです。 それにしても地味な作業ばかりですね。 フレームに載せたエンジンにマフラーのスタッドボルトを取り付けます。 スタッドボルトは純正の新品がまだ出ますので、それを使用します。熱に強いタイプのネジロックを少量塗ります。 スタッドボルトを取り付けました。この車体はZ1で、元々M6の物が使われていますが折れやすいので、手間がとてもかかりますがM8が使える様に加工しています。このボルトはステンレスの物が売られており、錆にくいのはよいのですが、ここのように振動に耐えなければいけないところは純正の物より折れやすいので(M8ではほぼ折れたりしませんが)当社では純正M8のものを使用しています。 これはセルモーターのボルトです。再メッキしています。 先ほどのボルトはここの物です。オーリングも組み付けました。 このセルモーターはZ1の物をレストアしたものです。Z1のセルモーターは配線がついたままで取り外すことはできないタイプです。内部はOH済みですが、それでもエンジンをオーバーホールすると好調になり圧縮があがるのでエンジンが暖まるとセルが回らなくなることがあります。(冷えている時は回る)そのような時には別の物を用意して交換します。 端子のゴムキャップも交換済み。ここは純正を使用。 今回取り付けのボルトはついていた物の再メッキ品です。最近は程度の悪い物も多いので再メッキでなく交換することが多いです。 ボルトの黄色の印は締め付け済みの印です。 結局このセルは使わず、後期タイプのセルモーターに交換しました。これは後日紹介します。 ハンドルのバーエンドキャップ。バーエンドキャップはどこにでも売られているものですが、形がどれも気にいらないので、昔純正で売られていた物を(現在欠品)ほぼ同形状で作ってもらい使用しています。在庫があるときは販売できますがハンドルの内径のサイズが同じくらいである必要があります。 取り付けるとこんな感じです。こう考えると当時の純正ってセンスのある人が形状を決めていたのだなと思います。 メーターのステーです。純正をブラストして再塗装して使用。社外品も売られていますが、良いとは思えません。純正が手に入らない時にとりあえずつなぎで方が使う程度に考える方が良いと思います。 メーターステーに貼るスポンジとゴムのダンパーを製作。純正はスポンジのみですが、メーターが動きすぎるのでこのようにしています。見えない部分ですが、きちんと行う方が良いに決まっています。 まずゴムを貼ります。 その上にスポンジを貼ります。 作業終了。 メーターの取り付けに使う部品で、こういう部分も綺麗にします。カラー、ダンパー、ナット、ワッシャなど、現在はナットはフランジ付きUナットを使うことがあります。ゴムのダンパーとカラーは純正がまだ出るので純正品です。カラーはサイズを変更する場合もあります。 ダンパーを取り付けたところ。凸型になっているので、変にならないようにきちんとはめ込みます。キチンと入っていない物を良く見かけます。 メータステーにキーシリンダーをはめ込んだところ。 キーシリンダー。この後この部分に入れるカラーを作ります。 インジケーターカバーと、キーシリンダーの間には元々2mm程度の隙間があるのですが、この隙間があるとキーシリンダーを固定するナットが緩みやすくなります。その隙間を埋めるためのカラーを旋盤で製作。 作ったカラーがこれになります。 先ほど作ったカラーをキーシリンダーに取り付けたところ。 インジケーターカバーを取り付け、ナット(黒い樹脂の縦筋が入った物)で締めました。鍵をさす部分のナットが振動で時々緩むことがあるので、先ほどのカラーを入れて締めれば緩みにくいのです。 もう一度裏返して、一度カバーを仮付けして配線がこすれるような部分があればビニールテープを巻いたり、保護チューブをつけたりします。これは作業後。この車両は少しだけ手を加えました。古いバイクの電気系のトラブルのほとんどは(まともな部品を使っている場合)こすれる部分の被覆がはがれショートするか、接触不良で起こるので、配線類はそのままにせずに都度手を加えて組み付けます。こういう作業がとても時間がかかります。逆に言えばこういうことを一切しなければあっという間に組み付けは終わります。そうなるとトラブルの元を残すことになり、納車後少し経ってからトラブルが起きるのです。そして店は知らん顔。お客さんに再度請求書を出して修理させまたお金をもらいます。売っても儲かる。再度修理させ儲かる。あなたはこのような目にあっていませんか? カバーを取り付けたところ。配線になるべく無理がないように組み付けます。平ワッシャ、スプリングワッシャは純正の組み付けをそのまま行うのではなく、その都度考え適切に行います。 メーターにつながる配線を加工します。そのままでは無駄に長すぎるからです。メーターカバーの中は狭く押しこんで入れる形です。ですから無駄に長いと強く押されそれも被覆が破れショートの原因になります。必要と判断した場合のみこのように加工します。 今回は使わない物は収縮チューブを使いました。これはどのような方法でも良いと思います。もし再度使うことが合っても良いように、このように残しておくこともあります。 反対側も同様。 今回メーターに入る配線は程度が良く再使用できたので清掃し、保護チューブを入れて、電球を交換しました。 メーターは各部品をレストアし、メーター屋さんに送って作業してもらっています。今回はメーターのリングの締め付け具合が少し足りないようです。こういうことがたまにあります。人間が行うことですので。こういうときは少し手を加えます。 治具で締め付け、本来の状態にします。こういう細かいことをメーター屋さんに言い過ぎると嫌われるだけなので、自分たちで行います。何でも言えばいいってもんじゃない。ころ合いというものがあります。 メーターを片側取り付けました。配線をメーターとメーターステーの間に強く挟み込むことのないように充分に気をつけます。メーターを裏返して作業できると簡単なのですが、オイルが文字盤ににじんでくることがあるので、ひっくり返さないように作業しなくてはいけません。面倒です。 端子をしっかりつなぎます。 スピードメーター取り付け終了。アホみたいに時間がかかってます。 先ほど紹介し忘れたのですが、メーターに取り付ける配線です。この配線は傷みやすいので、保護チューブを入れてます。 タコメーターを取り付けました。 レストア済みの純正メーターカバーに養生します。メーターカバーは社外品と純正品は形が違い、純正品の方がシュッとしていて形が良いです。社外品はボテッとしています。トリップメーターのダイヤルが干渉してしまう場合もあります。 メーターカバーを取り付けました。このカバーは隙間ができたり、逆にあたりがきつ過ぎたり、きちんとつかないことが多く、今回は簡単にできたので写真を撮っていないのですが、メーター単品の時にあらかじめメーターカバーを仮付けしてメーターのカバー取り付けのためのステーの位置を微調整しておく方が良いです。こういうことの積み重ねができあがっ時にしまった印象になるのです。 やっとメーターの組み付けが終わりました。大体1日仕事です。 ステムにメーター回りを取り付けたところ。 すでにエンジンはフレームに載せてあるのですが、今回はエンジンマウントを加工します。 今回はビトーR&D製のライディングステップキットを使用します。この時リヤのブレーキスイッチ(純正)を使用するのですが、ステップからの部品が斜めにスイッチ部分を引っ張るため動きが渋くなります。ですのでスイッチがスムーズに引っ張られるようにスイッチの位置を変更するため、ステーを延長することにしました。結果的にはこれで動きがスムーズになりました。 これが延長後。 取り付けボルト部分の上塗りをしていないのは、組み付け時ボルトを締めた時の色はげを少なくするためです。薄く塗ったり別の方法もあるのですが、いろいろ試した結果これが他の塗装部分とのバランスを考え、今のところこれが一番良いかなと思っています。 リヤのウインカーをフレームに取り付けるのですが取り付けのスタッドボルトが長すぎて、幅を広くしたタイヤに配線や、このボルトが干渉するのを防ぐためボルトを旋盤で切り短くします。 これが切断し面取りした後。 さすがにこれだけ再メッキというわけにはいかないので色を塗ります。 ダブルナットにして弱いネジロックを塗って組み付けます。 ウインカーのアースの線は純正も売られていますが短かすぎるので、製作。 リヤのウインカーを取り付けたところ。タイヤ側から撮ってます。純正では普通のナットですが、当社では薄型のUナットで組み付け。 前のウインカーを取り付けたところ。 ヘッドライトステーが純正形状の物を使わず削り出しタイプの部品なので、スタッドボルトの長さを調整するだけでは上手く取り付けられられないため、カラーを入れフランジ付きのUナットで取り付け。 ヘッドライトケースを取り付けます。こういうものも純正の方が形も作りも良いです。これは純正。 ヘッドライト回りのダンパーなど。残念ながら欠品があるので、当社では純正品と社外品を組み合わせて使用します。純正欠品の場合、純正の中古の程度の良い物の方が社外品の新品より長持ちするので(特につぶれた形状で使うもの)物があれば純正中古清掃して使用します。 今回ここのアース線は必要ないので削除します。 今回ヘッドライトケースの取り付けボルトはこのボルトを加工して使用することにしました。 加工後。 ここは今回Uナットとワッシャで組み付け。アースの線を取り除いているのが見えます。 先ほど加工したボルトを組み付けるとこうなります。ここのボルトはこれがベストという感じではなく全体の雰囲気で何を使うか考えて決めています。 セルモーターのカバーです。これは社外品の品質が良いのでそれを使用します。 裏側。 セルモーターカバーに取り付けるダンパー。純正品。社外品に付属している物は今いちなので純正品が欠品にならない限りつかいません。 この部分の形状が純正と社外品は違います。純正品はこのようにカバーに添うような形状になっています。 ボンドを塗り乾燥するまで貼りつけておきます。 これはETCのステー。キャブからのガソリンの吹き返しやチェーンからのオイルが直接つかないように個の様な形状にしています。 先ほどのステーをここの左サイドカバー内に取り付けます。 皿ネジにネジロックで取り付け。 取り付け後。ETC本体をここに取り付けます。ETCは強力な両面テープで取り付けるため、このタイラップはなくても良いのですが、念のため戻せるタイプの物をつけています。 フルトラ化するためのレストアした純正のイグナイター。トラブル少なく、始動性が良い。当社ではエンジンの方で力は出してあるので点火系を変えることは少なく、指定があればハイカムを組んだチューニングエンジンなどの時に点火系を変える程度です。 今回はバッテリーケース前に取り付け。ガソリンの吹き返しなどにも特に影響を受けない部品なので。社外品の時は直接吹き返しが当たらないように蓋をつけます。 メインハーネス。一般的に売られている物で、一部加工して使用します。オリジナルの物を作りたい気持ちはあるのですが、Z1はカプラーが簡単に入手できない物があるので今のところ作る予定はありません。Z1の物でMK2などの様にヒューズがたくさんついている物も売られていますが、当社ではホーンのステーが折れてヒューズが1度切れたこと以外、Z1でもトラブルがでたことがないので、特段そのタイプに交換する必要性を感じません。シンプルで軽く配線も追いやすいので。Z1の良さはそのシンプルさ、軽量であることだと思います。メインハーネスを交換したことのない方は早めに交換した方が無難です。 ヘッドライトケース周辺が、一番こすれて被覆がはげやすいのでいろいろ変更します。毎回少しずつ追加変更しており、定番の加工がないためこの様にしているということは書かないでおきます。この写真の作業も今の物とだいぶ違うので。 ハンドルスイッチはこちらの物を使います。 配線は加工してボルトオンでつくようしています。同時に抜きさしがしやすいようにしています。写真では全く解らないので紹介しませんが、結構時間がかかります。 スロットルは純正を旋盤で加工しレストアして使用。新品がでるので程度が悪い場合は交換します。純正スロットルは節度があり良いものだと思います。これが樹脂だったりすると使った感じも安っぽくなります。人間はこういうことも感じます。特に手は鋭い。 クラッチレバーASSY。こちらを使用します。 一度すべて分解し、硬めのグリスで再グリスアップしてから組み付け。純正の状態でもグリスは塗られていますが、レバー回りに最低限塗られているだけなので、確認の意味を込めて。 レバーとスイッチ、グリップを組み付けたところ。 スロットル側。 一度取り付けたイグナイターをはずして、イグナイターの追加レストアと配線を回りのレストアと長さの調整の追加作業を行いました。これも地味ですが時間がかかる作業です。
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