評価はあてになるか

 

ブログやフェイスブックに書くことは
どうしても皆さんに知っておいて
もらいたいことや、
逆に日頃ふと思いついたことを
スマホに
メモっておいて、それをもとに書いています。

今日はメモしておいたことについて
3つほど書きたいと思います。
似たようなことにでくわした、
なんとなくもやもやした時に
あんなこと書いてたなと
思い出してもらえれば。

まず私たちを惑わせることが多い
バイクがらみの無責任評価について。
よくそんな間違ったことを上から言えんなと
感じることもあるのですが、

それはバイク自体のことであったり、
部品であったり、店の対応だったり
いろいろあると思います。

良いのに悪いという評価をする人
悪いのに良いと評価する人がいます。
たとえ商売上のライバルであったとしても
良いところは良いで認め合ったら
いいと思うのですが。
私含めそれぞれどの店、人にも
良いところ悪いところがあるはずです。

また評価の基準が一定しないで
ころころ変わる人、
こんな人は全く信用できませんから、
こんな人の話は頭に入れずスルー。
すべてスルーです。

仮に自分でなく、他人が行った
エンジンオーバーホールの作業を
評価するとなったとします。

その時には、評価する側の人は、
実際に行われたエンジン
オーバーホールにおいて、
どのようにそれぞれ作業され、
それが適切だったか正確に

解らないといけない。
これが絶対の条件だと思います。

シートカットはきちんとできているか、
シリンダーボーリングはどうか、
どこの部品をどのような部品を使って
どこを交換しているのか、組み付けは
正しくできているか、
費用に対し内容はどうか、

このようにたくさんある作業項目を
一つづつチェックできなくてはいけない。

それを正しく評価する時に
役立つのは何といっても経験です。

そこで私の思う経験とは何か。
私はどこそこ(有名店など)
で10年働いていた。
などという良く聞く話、
それをそのまま、うのみにはしません。

有名店で働いていたのに全く使えない、
肩書きは立派なのに使えない、
そんな話良く聞くでしょ。
学校を卒業して就職、整備士免許を
取得し、整備士の肩書きがついても
本当の整備士になるのは
良い経験を積んだもっと後ですよね。

レベルの低いところで働けば
ずると雑にすることばかり覚え、
ダメカニックに成長します。

私自身でいえばビトーR&Dで
メカニックとして働いていたこと、
それは事実ではあるものの、
それがイコール豊富な経験につながる
とは思っていません。
良い物を見ても何も感じないタイプも
いますから。

会社内でどこに配属されるかという
自分では決められないところもあります。
私自身でいえば部品を作りたかったわけでは
ないので、入社してメカニックとして
働けなければすぐに辞める
覚悟でした。

結局は運よく2人しかいないメカニックの
うちの
一人となれたのですが。
そこは才能とかではなく
ただ単にタイミングと運が良かっただけです。

重要なのはどこに
どれぐらいの期間勤めていたか
ではなく
そこで何をどれだけしていたかであり、

日々自分からコツコツチャレンジして、
小さな成功を積み重ねたことが
経験だと思います。

ほとんど毎日一番に出社し、先輩には、
あれがしたい、これがしたいと
まわりにとっては迷惑なオーラを
出していましたから
何言ってんのと、うっとおし
がられていたかもしれません。

お日様 西、西で、朝起きて
陽がただ沈むのを待っている、
一日がただすぎれば
良いと
過ごした年月が何年あろうとも

それは経験とは言えないと思います。

また同様にレベルの低い
(調子のよくならない
エンジンオーバーホール、
走りが良くなっていないチューニング、
全然綺麗になっていないレストアなど)
作業を多く重ねても、それも
経験を積んだとは言えないと思います。

高いレベルの作業経験したことが
ないまま、
正しい評価はできません。
解らないのであれば、
好き嫌いだけを語るだけにして、
評価などしなければ良いのです。

さらに車種が変わったり、
使用方法が違ったりすれば
(レース目的なのか一般使いなのかなど)
それに伴うそれぞれの経験が必要です。

ですから私がレース屋さんの評価は
できませんし、逆にレース活動が
メインの方がレストアのことなどは
正確に評価できないはずです。
先日GPZ1100の純正サイレンサーの
傷修理をしましたが、簡単ではなく
多くのノウハウを必要としました。

当社のことでいえば
先日いつも外装の塗装を塗ってもらっている
方に、当社で塗ったフレーム回りの小物部品を
見てもらう機会がありました。
いつも外装はうちでは絶対にまねできないな
と思うほどキレイに仕上げて
いただいています。

その方に当社の増井が塗った部品を
予想以上に褒めてもらったのですが、
褒めてもらったから良かったではなく、
レベルの高い人、経験値の高い人から
見てもらって初めてきちんとした
評価になります。
もちろん私どもは依頼する側ですから
多少割り引いて聞いていないと
いけないのですけれど、
レベルの高い人に評価が良ければ確信が
持てるということです。

それをふまえて、もう一度人が言う
評価についてです。
あなたのバイク、それがらみのことを
実際の経験といえるものがない方に
いろいろ言われていちいち気に
していませんか。
そんなのは考えるだけ時間の無駄です。
評価はきちんとした経験を重ねた人が
公平にして初めて役に立ちます。

私は他社さんで作業した
エンジンの評価はほとんどしません。

評価するにはまず乗って確認する。

そして分解して中身を確認する。
少なくても腰上以上。
の両方が必要で、実際に確認できる時は
エンジンオーバーホールなどの
注文時だけになるからです。

乗って、分解しての両方で確認して、
なおかつ自分の実際の経験から
正しく評価できるものだけ
必要な時にします。

口では何とでも良いことは言えても
実際に作業すると手間も費用も掛かり
難しいことばかりです。


ですから他店であっても
簡単にこれはダメだとか

状況も知らず、あそこが悪いなど、
簡単に回りのことを
悪く言うような
評価はしません。

確信を持てる部分のみ、必要な時だけ
言うように、慎重にしています。

もしあなたがバイクがらみで
評価する実力、経験がない方に
あれこれ言われたとき、
そんなことは一切気にすることは
ありません。
一番いいのは頭の中を通さず
全てスルーし、自分のしたいことを
考えることです。

次の話は評価に少しからみますが、
バイクの製作時、追加で手を加える時は
メンテナンスサイクルは長期のものと、
短期のものをはっきり分けて
考える必要があるという
話です。

昔、まだ私が日産の整備士で、
仕事がそれなりにこなせるようになり
調子に乗り、少し鼻が伸びている頃、
バイクの各雑誌はまだまだ
元気でした。
それら雑誌によく、
メンテナンス記事が載っておりました。

そこにはフロントフォークや
リヤショックは定期的に
早めにオーバーホールせよ。

エンジンもヘッドカバーを開け、
時々バルブクリアランスを調整せよ。

プラグ、オイルは早めに交換せよ。

などというような理想論が良く
書かれておりました。
これらはメンテナンスサイクルを
短期で考える記事となっていたわけです。
そんなのしょっちゅうしてたら
お金かかりますね~。
最初にきちんと整備されたものを
買って、そのあとは走って
楽しんだ方がいいと思います。

その記事を読んで、当時から
とても素直なバイク整備素人時代の
私(笑)は、その短期メンテナンス
提案は無視して日頃の自分で考え、
メンテナンスサイクルは長期で、

「フォークやリヤショックなんかは
オイル漏れんと、ばらさんな」
とか
「バルブクリアランスはよっぽど
カチカチとか変な感じせんと
調整せんわな」

とか

「オイルは距離で交換するけど
プラグは気が向いたときに換える位やな」
とか言っておりました。
20代前半の生意気盛りです。
今は48歳。
少しはマシになったか。

そこでメンテナンスサイクルの
長期、短期の
話です。

何が言いたいかといえば、
メンテナンスサイクルを長期と
したい時
、短期で行う場合では
バイクの作り方が全く変わってくる、
変える必要があるいうことです。

メンテナンスサイクルが長期とは
どういうものでしょうか。
一番の代表例は、メーカーの売る
新車ですね。
エンジンを数年ごとに定期的に
分解してオーバーホールする、
などという前提では作っていません。

出来ればそのバイクが寿命を
全うするまで

エンジンオーバーホールは
しないで済めば
その方が良い
という
考え方です。

その方が使用するユーザーさんは
負担が小さくて済みます。

日本では車検がありますから、
2年に一度の車検時に消耗品、
パッドや、オイル、
タイヤ等を必要に
応じて交換し、それ以外に

オイル漏れや、故障したら、
その都度修理したりする。
このような維持のされ方が
中心になると思います

それは当社の販売する古いバイクでも
同じで、メンテナンスサイクルは
長期であることを前提に
レストアや整備、チューニング作業を
行っています。チューニングするときで
さえ、
メンテナンスサイクルは長期が
求められます。

古いバイクだからと言って、
数年ごとにエンジンオーバーホールを
しないといけない、しょっちゅう
フォークをばらしたり、
ベアリングを交換したり、
キャブを全部分解して清掃したり
をしなくてはいけない、
などではないのです。
これは多くのユーザーさんの希望される
ことがそうで、チューニングエンジンが
希望でも、メンテに費用がかかるのは
NGなのです。

ではメンテナンスサイクルが
短期の例は
何でしょうか。
目的にもよりますが解りやすいのは
レースです。

走行距離が少なくても負担が大きいので
レースごとに足回りや、場合によっては
エンジンまで大きくばらして
レース時に最良のコンディションに
なるように分解整備をする。
これは精神的、時間的にも、費用の面でも
負担は大きくなります。

一般のバイク乗りの方は
そこまでしないでしょう。
出来れば維持費が低いほうが良く、
上手くいけば好きなバイクが他にも
あるならもう一台
買えるほうが良い。

体は一つしかないと回りに言われようが
そんなことは関係ない。
気分によって使いわけ。最高です。

当社のお客様は2台目、3台目を
増車して買っていただけることも
多いです。
これが私どもの通知表みたいなもので、
とても嬉しいことですが、
これもメンテナンスサイクルが長期で
所有してみたら、思ったより
お金がかからないからもう一台と
言っていただけるわけです。

ところが、
このなるべく維持していくうえで
費用負担が少なく、
へたりが少なくなるように車体、
エンジンともにさんざん考え
製作しているのに
それをぶち壊す人たちがいます。

それは先程書いた
無責任評価人及びその回りの
人々です。

その人たちが、経験も
深い見識も実績もないのに
ダメ作業と、ダメパーツ、
ダメ加工をぶち込んでくるのです。

日頃のメンテナンスでお付き合い
のある店で、
例えばオイル交換などで
顔を合わせていると、だんだん
話が広がってくるのが普通です。

そこで気軽にダメ提案をぶち込んで
くるわけです。
この無責任さにはいつも呆れます。
私は他社さんのコンプリート車に
こうしましょうなんて、
気軽に言いませんぞ。

新車のバイクも改造した場合は
そこの部分は補償対象外と
なりますよね。

重要なところに手を加える時は
この人が作業してうまくいかないの
だったら
仕方がない、
そこまで思える人、

覚悟して信頼できる人のみに
依頼すればいいわけです。

そこの部分の判断が甘く、
気軽にできもしないことを
させれば
壊されたり乗りにくくなったり
するわけですね。

改造を依頼する際に、
このような問題が起きるかもと、
たくさん教えてくれる人の方が
経験値が高く、
気軽に、なんでも出来ますよという人は
要注意です。

何の情報も調べもせずに
バイク買います。
エンジンオーバーホールして下さい、
チューニングして下さいは

リスクが大きすぎます。

それとは別に
バイク屋さんに頼まず

自分を信頼して、自分自身で
作業するなら
傷が入っても、
壊れてしまっても

それは納得できるじゃないですか。

いつも書いていますが、
自分でする失敗は身になりますし、
ダメカニックがした失敗より
慎重にしているはずですから
ダメージは小さいはずです。

バイクのオーナーさんも
気を付けなくてはいけません。
当社のバイクのように古いバイク
でも普通に
何年も当たり前に乗れ、
故障がほとんどないと

それが当たり前、壊れなくて
当たり前と考える人がいます。

そこで気が緩み、そのせいで
地元の店で物事を頼むときに
判断が甘めになる方がおられます。
最初に当社に依頼したときの
考えていたことを思い出して
みてください。
古いバイクに普通に乗れる、
それは簡単なことではなく
失敗するのが嫌だから当社に
注文していただけたのでは
ないでしょうか。

普通に乗れる、
メンテナンスサイクルが長期なのは
当たり前ではありません。

今まで当社が多くの費用と
時間を使い経験を積みかさね、

新しいバイクを買ったときと
それほど変わらない、
消耗品を交換して維持できるように
全ての部品を選択し、加工、組付けを
考えて実際に適切に作業しているから
長期でも大丈夫なように出来て
いるわけです。

そこにまともに評価できない、
してはいけないタイプの
人が、
こうしたらいいんじゃないの?

的な軽い考えで一つの部品交換したり
手を加えることで、
今まで考え抜いて作り上げたバランスが
壊れ、一番弱い部分に負担がかかります。
どこが弱いからここまでで
辞めといたほうが良いという部分が
車種ごとにあるわけです。

車体側でも大きな影響のある所では
ハンドリングが悪くなったりして
乗りにくくなる時もあります。
先日ZRX1200のハンドルについている
バーエンドの純正重りを外した状態で
乗った際、それだけで印象が
大きく変わりました。
これはつけておいた方が自然で
バランスが良いようです。

Z系などのカワサキ車はエンジンなど
その辺は余裕がありますが、
それでもチューニングの度合いで
マージンが少ない物もありますから、
何でも付け加えて良いと
いうわけではありませんし、
CB-F系などであれば元々マージンは
少なめなので
手を加える時は控えめに
しておかなくてはいけません。

メンテナンスサイクルが長期
になるように
作られているものに
わざわざサイクルが短期に
なってしまうような作業、

部品交換、加工はレースなどの
特別なことでない限り、
避けた方がいいのではないか、
サードパーティーからの意見は
良く良く考えて結論を出して。
これが私の提案です。

 

今日の最後は
何年前のことだったかは
忘れてしまったけれど、
リターンライダーの事故が増えたと
多く言われたことがありました。

当時の私はそんなバイクに乗りゃ
そりゃそうだろと思っていました。

彼らが良く選んでいた車種が
解りにくいバイクだったからです。

というより、そういうバイクが
一般のバイク販売店で
数多く買いやすい価格で売られており、
それをリターンライダーの多くが
買っていました。
私ならそういうバイクは売りませんね。
これが小さいバイク屋のいいところです。

では解りにくいとはどういうことか。

それは運転していて
スピード感、
タイヤの接地感、
乗っている時の限界がどの辺に
あるのかが解りにくい
バイクたちです。
ですがアクセルを開ければ
排気量がでかいので加速はして
スピードは出る

最近は当時多く見かけた
それらのバイクは人気がなく、
ほとんど見なくなりましたが、
(悪口みたいになってしまうので
具体的な車種はここでは書けませんが)
当時特定のモデルではなく、
各メーカーがこぞってそのようなバイクを
作って売っていました。

価格は排気量のわりにあまり高くなく
乗るとやたらと足つきを気にするあまり、
シートの形状が適切でない、
走行中は何をどうして乗っていいか
解らない感じになります

フロントフォークは節度がなく
ふにゃふにゃ。先ほどのシートと
重なってどうやってブレーキ
かけたらいいの。

タイヤは太く、エンジンはでかく
排気量も大きい。エンジンはトルクがあり、
あっという間に加速するが
スピードが出るとなおさら
ふわふわした感じになる。

アクセル開けるとウィリー
しやすいものもある。

そのバイクに乗る時に
リターンライダーたちは
昔の感覚でいけると
アクセルをワイドオープンします。

そこでスピード感も接地感も
ないままあっという間に
スピードだけは出て
限界も解りにくいから
事故につながってしまいます。

おまけに運転する側も
年齢を重ね、反応は遅くなっており、
なおかつしばらく乗っておらず
間が空いていたから
どうしても感覚のずれが
生じます。

私はリターンライダーになるなら、
古いバイクが一番良いと思います。

スピード感は速度に応じて
きちんとあり、
タイヤの接地感もはっきり
解りやすい。

飛ばして速度が上がってくると、
ノーマルに近い状態なら
急にではなく徐々にヨレたりするので
「もうこれぐらいにしとき」
とバイクが教えてくれ、
バイクとの会話が楽しい。

もっと速く走りたくなったら、
エンジンや足回りに手を加えて、
人間が慣れるに連れて、一緒に
ステップアップできるし、
見た目も自分好みにできる。
古いバイクであっても
今の目で見て優れたところが
たくさんあるわけです。

ではリターンライダーの事故が
多いと言われた時のバイクは
ダメなバイクだったのか。

先程とは違いそれらバイクを
70年代の純正バイクなどと
別の角度から比べると、

乗った時の振動は減り、
エンジンノイズは小さく静か、
少々間違った取り扱いをしても
乗りっぱなしでも故障は少なく、
アクセルを開ければワンテンポ
動作が遅れるものの充分に

加速はしてくれた。
ブレーキもそれなりに効いた。
足つきがよく、
見た目も大きくリッターバイク
らしいといえばそうだ

これだけ見ると
表面的にはいわゆる
進化したバイクなのではないかと
思ってしまう。

ところが古いバイクたちは
当然のように持っていた、
五感から感じ取れるものが希薄に
なってしまいました。

そうなるとスピードが上がっても
受け取れるものが少ないから
若い時に走れば自然と得られた
楽しさと刺激が欲しいと、
アクセルを開けもっとスピードを
上げる。
でも欲しいものは得られない。
その時すでに自分では
コントロールできない
領域に
入っており、
しかもバイクの反応は
自分の思うものとは違い
何かゴムが間に入ったようなもので、
低速では楽に扱えたのに
少しスピードが上がってくると
思うように走ってくれない。

それを知っていたので、
私は、事故が起きたと聞くと
そりゃそうだろと思うわけです。
確かに特別無茶な運転をする人もいる、
そういう人は別だとしても
そういう解りにくいバイクは
買わないほうがいいと思うわけです。

当社のお客さん、
ゼロではないですが
事故にあう人
本当に少ないんですよね。
ちょっと自慢です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コメント

  1. AffiliateLabz より:

    Great content! Super high-quality! Keep it up! 🙂

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