Z1製作ドキュメント13 Z1製作写真(2015年) Facebook LINE コピー 2018.09.22 2017.11.18 Z1製作ドキュメントの続きです。 だいぶ間が開きましたが、 前回はバッテリーケースをフレームに 載せたところまででした。 ではどうぞ。 右側のサイドーカバー内にあるカプラーと配線です。カプラーを固定するステーとプラスネジなど、見えなくなる部分ですが再メッキしてあります。こちらのカプラーと配線のセットは社外品になりますが、このカプラーは簡単に入手できるものではなく、当社では多くても年4台ほどしか必要としないことから、今のところ普通に入手できる社外品を加工して使っています。 先ほどのステーを固定するボルト。このほかにゴムのダンパーも必要です。 一度車体側に仮付けして、配線の取り回しなど各部をチェックします。気をつけて見ているのは、配線がステーなどの角の部分に点であたらないようにすること、もし納品後に整備の作業をすることになっても整備しやすいように取り回し、結線すること、できる範囲ですが見た目を良くすること。それはサイドカバーを外した時も、サイドカバーを取り付けた時もです。あくまで機能部品なのでできる範囲ですが。ステーの角に配線が点であたると、線の回りにある被覆の部分がむけてショートする可能性が高くなるため、できるだけ面で接触するように取り回しします。これで納品後のトラブルが大幅に減ります。 裏側。この時は配線を延長したりしてつないでいますが、毎回考えてその都度改良しており、現在は(2017年)全く違う方法をとっています。どんどん改良することが品質を高めることにつながりますし、こういう仕事の面白いところです。ただし時間がかかります。サラリーマン時代はこういうことをすると作業が遅くなるので怒られたりしますが、当社ではそうことはなく、どんどん改良します。それがお客様にとっても良いものを手にできることにつながると信じています。 今回は配線を延長した関係で、被覆チューブを違うものにしたためセルモーターの下に平ワッシャをいれ、配線のスペースを余分に取ることにしました。要は配線がステーなどにきつく挟み込まれないようにするためです。このようなことも毎回考えておこないますが現在は違う方法を行っています。 微調整して今回はこれで組み付けます。 表側。 ヒューズにつなぐレギュレーターの線が長すぎるので加工。こういうものが長すぎたままで組んでいるとろくなことになりません。メインハーネスやそれ以外の配線も長すぎたり短すぎたりをそのままにしている業者がほとんどです。こういう配線回りを売られているそのままで結線、取り回しも深く考えなければ各段に作業時間が短くなります。おそらく10分の1ぐらいになるのではないでしょうか。ですがこういうものを考えないで作業をするからトラブルにつながるのです。もちろん納品後の整備もしにくくなります。当社ではハンドル回りは変更することがあるので長め余裕を持たせておき、最近はETCのアンテナ線の加工を以前はちょうどよい長さに加工していましたが、繊細な部分なので今は加工するのを辞めています。電源線などは加工します。それ以外のメインハーネス含め各部分はその都度考えて加工して使用します。 線をつないだところ。赤い線はメインフューズ20Aの線で、ガラス管タイプの物からどこでも手に入るタイプでトラブルの少ないものに変更しています。干渉する部分は保護チューブをつけています。 バッテリーが入るケース。 先ほどのケースを取り付けました。 バッテリケースに4箇所溶接してあるカラーはイグナイターを取り付けるためのもの。 バッテリーを入れました。バッテリーも一般的などこでも入手できる物。これを定期的に交換して使います。当社では電気回りは特殊なものを使わず定番をきちんとした作業で使うことの方がメリットが大きいと思います。トラブルが少なく、トラブルが起きても対処がしやすいからです。 シートロックのレバー。リヤショックをレイダウンして使うので、レバーはいくらか短くしてあります。軸部にグリスを塗って組み付け。 組み付け後。 このネジはシートレバーのキーロック取り付けネジ。ネジロックは塗らなくても大丈夫ですが今回は弱いタイプを塗ってます。 取り付けたところ。見えにくくなる部分なので、後で解りやすいようにチェック済みの印をいれてます。 シートロック部分の裏側。こういう部分もきちんとレストア済み。この部分はやや組み付けがしにくい部分で、リヤのインナーフェンダーを取り付ける前に作業した方が良いです。 シートロック機構を上から見たところ。 バッテリーにホースをつけたところ。このホースを軽く考え、折れ曲がったり潰れたりしていると圧が抜けずひどい目にあいます。ご注意を。 バッテリーケースに取り付ける小物入れ。 角の部分がフレームに干渉しやすいので、あらかじめ加工してあります。 こちらも同様。 小物入れをとりつけました。 スイングアームを取り付けるフレーム側のここにグリスを塗ります。 こちらの硬めのグリスを使用します。少し金額は高めですがこのグリスは車体の他の部分にも使えます。ただいくらグリスが良くても部品そのものが良くなかったり、組み付けが悪くては意味がありません。 内部全体に薄く塗ります。 スイングアームのシャフト。状態の良いものの頭の部分を都度磨いたりして加工した後に再メッキに出しています。そのままだすとこういう大きい部品は綺麗に仕上がらないことが多いです。もちろん依頼するメッキ屋さんによっても違い当社では数本だして良いものを使っています。最近の物はここはクロームメッキに変更していますが、不自然にはならず、むしろそのほうが全体とのバランスがとれ自然に感じます。 こちらもグリスを塗ります。ここはベアリングがからむ部分なので、動き自体には関係ありませんが、錆びやすく、整備する際も塗っていればスムーズにシャフトが抜けて他の部分を傷つけたりしないで済みます。 取り付けるスイングアーム。あらかじめ製作し外観を仕上げてあります。このスイングアームはFのスイングアームをレストア、補強加工した物ですが、ゼロから作るよりむしろ製作に時間がかかります。一般道で乗るときのバランスがよいことと、リブ付きのデザインも好きで使っています。特にリヤの車高があがりすぎないのが良いです。 スライダー部。 スイングアームを組み付けました。 使用するトップブリッジJB製。 JB製フロントフォーク38mmを仮組しました。 シートロックレバーにゴムのブーツを組み付け。このレバーが長いとリヤショックの頭の部分にあたるのであらかじめ短くしてあります。 今回使用するイグナイター。本体部分は先にブラストしています。これに塗装を施す時もあります。 質感はこんな感じ。 配線部分をレストアします。レストアの基本はまず掃除をすることです。 掃除前。 掃除後。 配線全体を掃除しました。 端子を交換します。 交換後。 カプラーを取り付けました。このイグナイターの電源とコイルにつながる配線はもともと短かったため、掃除だけして後で作業します。 イグナイターを取り付けるために作ったステー。こういうものはややオーバー気味にしっかりしたものを作っておけば後でトラブルがおきません。 バッテリーケースに取り付けました。今回はここにつけましたが、これはETCを左サイドカバー内につけるためで、毎回その他の取り付け部品によって位置を考えます。本来キャブレターの吹き返しがここに飛んでくるのでベストの位置ではないのですが、距離が離れているので問題ありません。 サイドグリップ。今回は純正の再メッキ品が良く仕上がっていたのでそれを使いました。再メッキはどれも状態良く仕上がるわけではないので、数を多めに出していいものがあるときは使います。純正再メッキより、社外品の方が状態が良い時は社外品を使います。純正品と社外品はよく似ていますが比べれば違いがあります。 フレーム側のネジはダイスを通します。これは色を塗っているためそのままでは塗料の厚みで上手くナットがつかないのと、ネジ山がの最終チェックで念のためしています。元々はリヤショックが着いていた部分です。 取り付けのボルト類はこの組み合わせでいきます。 サイドグリップを取り付けたところ。先ほどのボルトで留める側のフレーム形状も、フレーム塗装前にある程度寸法を出しておかないとサイドグリップが上手くつかない時があります。これの修正は、はっきり言ってかなり面倒です。ワッシャもクロームメッキの物を使用。 裏側。 左側。 今回使用するウインカー。純正品。品質が社外品に比べ圧倒的に良いです。ただし金額も3倍しますが。 中の作りもこのようにしっかりしています。 こういうところもきちんとしています。 純正品にはレンズにこのように文字があります。 スイングアームのシャフトの締め付けに使うナット。純正。これは新品がまだ出ます。 取り付けたところ。ここは強い締め付けが必要な箇所なので、足回りを組み立てて、車体が安定してから本締めします。 ウインカーステーのところに使うダンパー。純正品。社外品も安く売られていますが、こういうゴム部品は純正品の方が品質が断然良くしっかりしています。特につぶれた形状で使用する物は特に社外品は亀裂が入りやすく、純正品が長持ちします。やっぱり高いですが。 白い状態になっていますから、綺麗にしてから使います。 フレーム側ウインカー取り付け部。転倒していなくても具合が悪いものもあり、また立ちゴケ程度でも簡単に曲がるので、あらかじめ塗装前に修正しています。複雑な形状をしていますので修正するのにとても手間がかかります。これは表側ですが、裏側もあるためなお面倒です。ウインカーを取り付けると状態が隠れて解りにくくなるためこういう部分は治していない自称フルレストア車をよく見かけます。ですがよく見るとだいたい不自然なのでそういうものを見れば私はすぐ解るのですが。当社では塗装前のブラスト時にできるだけ修正しておきます。この時にウインカーの取り付け角度も一緒に修正します。 ダンパーを取り付けたところ。 ウインカー裏側のダンパーこれも純正品。 写真が見にくいですが、裏側にダンパーを取り付けたところ。こういう部分の状態が良いのが、きちんと作業されたレストア車の証です。でたらめな車両はこういう地味で手間のかかる部分は全て手を抜かれています。 クロームメッキのカラー。今回は社外品を使用。純正品よりメッキの仕上がりが良いです。この部品も当社では純正品の再メッキ品か、社外品の良い方を選んで使っています。 先ほどのカラーを取り付けたところ。 純正ウインカーの配線がなぜか短いので(MK2のは長い)延長します。 当社ではこういうときははんだ付けです。 ウインカー取り付けのボルト。純正とは組み合わせを変えています。当社ではボルト、小型平ワッシャ+座付きUナットです。この部分は締め付けたあとも再度ゆるめて微調整することが多く、純正のスプリングワッシャなどを使うと本体に変な傷が入るのが嫌なのです。 下側。 ウインカーステーの取り付けネジ部分が長いので加工して短くします。取り付けられるフレーム側も、ステー側も公差が大きいので、実際に一度組み付けて印をつけて切断します。黄色のテープの部分で切ります。 旋盤を使って切断します。 加工後 色を塗ります。 弱いネジロックを塗ります。 取り付けはダブルナットにして締め付けます。 締め付けが終わりました。 この薄型Uナットを使い締め付けます。 ウインカーを仮組。まだアースの線の製作ができていないので軽く組み付け。 後ろから見るとこんな感じ。実際にはクロームメッキのカラーとUナットの間にアース線回りの部品が入るのでつらぐらいになります。なぜこのようにする必要があるかといえば、タイヤに太いものを使用するために長いままだとタイヤのミミが余ったネジ部分に干渉してしまうからです。 ウインカー仮組終了。 Z1製作ドキュメント14はこちら
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