少し長い文章です

販売車両

今日はいくつかまとまりなく書いています。
なお、販売車両についてもビジネスですから書きますが、
興味がない方は読み飛ばしてください。

ですが販売する車両についての整備メニュー、
つまりどこを整備するかが、その店の考え方が
一番出る部分だと思います。

新しいバイクと違って古い車両で良い車両と
言うのは、整備をすることによって作り出すものです。
低走行距離で程度の良いものを仕入れても、
そのまま走れる状態のわけではないのです。

先日少し書いた販売車両GPZ400Fの整備メニューについて。

試乗してエンジンのコンデションが
とても良いことが解りました。
乗らなくても解る特に詳しい車両以外は
走れないとチェックの意味がないので
試乗前に純正キャブレターを全部分解して、
必要な箇所の部品交換して組付けてあります。

通常純正キャブの整備でオーバーホールと言っても、
全分解して行われていることはまれで、
分解と交換しやすい箇所のみ作業されていることなどが
とても多いのです。理由は手間がかかるから。
負圧4連キャブの全分解作業したことがある方は
解ると思います。

キャブの分解整備は少し費用をいただいたところで
割に合う仕事ではないことが多く、どちらかというと
ボランティアという感じです。

もし回りで4連や複雑な仕組みになった頃の
キャブを全分解してオーバーホールをしてくれる
ところなどがあれば良心的な店だと思います。
間違ってもお金を払うからと言って、
上からものを頼んではいけない。
(部品点数が少ないキャブレターは簡単)

GPZ400Fの試乗した結果、高回転までスムーズに
吹け上がり、レッドゾーンは11500回転からですが、
ノーマルのマフラーでも特に8000回転位からの
高回転域は力強く気持ちよく吹け上がっていきます。
そして充分な加速をします。

通常大きい排気量のノーマルマフラーでは
フン詰まりでこのようには吹け上がってはいきません。
このバイクのとても良い部分だと言えると思います。
その時の直進安定性、快適性も優れており、
古いバイクはアクセルを安心して開けられる
直進安定性があることは重要なことです。

2バルブエンジンの車両ですが4バルブの
水冷車のように気持ちよく吹け上がります。
またエンジン本体の機械部分が消耗していないことも
運転していると伝わってきます。

逆にその部分が良いだけに気になる部分があり
そこに至るまでのまず低回転域のトルクの細さです。
中回転域ももっとトルクが欲しいと感じました。
スムーズなだけに余計印象がそうなるのです。

先ほど書いたようにキャブレターの整備後では
ありますが、キャブレターという部品は実に
繊細な部品でターボのように圧力をかけるのではなく、
負圧で機能する部品になります。

ですので、不調ではないのですが、
明らかに悪い部分がどこにもなくても
本来の調子を発揮できていないことも
とても多くあるのです。

そこでせっかく手間をかけて整備した
キャブレターですが使用せず、
CR26mmの新品キャブレターに交換します。
純正のアクセル回りも使えなくなるので
そこも交換します。

これでエンジン本来の力を発揮して充分に
走るようになり、
高回転域もさらに力強く走るようになります。

なぜ中回転域からしっかりと加速する必要があるかといえば、
加速しなければ足回りも本来の動きをしなくなるからです。

つまりバイクを寝かして曲がり、加速する部分という
部分が一番バイクを楽しめるところなのですが、
エンジンが本来のトルクを発揮して走ってくれなければ
その部分を味わうことができないわけです。

ブレーキをかけてタイヤに荷重をかけてから
バイクを寝かして、そこから少しずつアクセルを
開けていきます。

荷重を前から徐々に後ろに移していく段階で
トルクがなければ乗り手のアクセルコントロールで
思うようにトラクションがかからず、曲がらなく
なってしまう。
つまりそのままでは楽しめないなわけです。

CRキャブに交換することで適切な混合気が
エンジンに送られ、エンジンが本来の
力を発揮することでより曲がり、
運転を楽しめるようになるのです。

なお、元々ついていた純正キャブ、ハンドルスイッチに
ついては、ご希望があれば購入者の方にお譲りいたします。
使わなくても持っていたいという方向けですね。

その他にはフロント回りの足回りが動かないことと、
ブレーキが本来の性能を発揮していないことが
解りました。これは整備が必要です。

前後ブレーキを分解しての整備と、
フロントフォークの整備が必要です。
程度も良いことから、後はタイヤを交換したら
良いなと思いバイクを降ります。

試乗がおわり、車体回りをチェックした時、
ヘッドとシリンダーの間のガスケット部分から
オイルにじみを発見しました。

このGPZ400Fは実走行距離2千キロ台と
極めて走った距離が少ないのですが、
このように逆に低走行であるがゆえにガスケットが
劣化しオイルにじみが出てしまうことがあります。

乗った時の機械的消耗がないことの好調さと、
オイルにじみなどが発生することは別の事で
当然エンジン腰上を分解し、
ガスケットを交換する必要がありますから
その作業を行う必要ができました。

そこで純正部品で必要な部品がどこまで出るか
調べてみます。
ここで驚くほどに欠品が少ないことが
解りました。

欠品になりやすいヘッドガスケットはもちろん、
シリンダー下のガスケット、カムチェーンの
スライダー部分なども部品が出ることが解り、
ヘッドと降ろすついでにこれらも交換することにし、
早速部品を手配しました。
旧車に詳しくない方は部品が出ることが当たり前と
思われるかもしれませんが、そうではないんですよね。

欠品なのはフロントブレーキのマスターシリンダー内の
ピストンキットぐらいで、きちんとした整備が
できそうです。

後は定番ですが先ほど書いた前後タイヤを交換、
タイヤを外すので錆が発生しているリムの錆を落とし
軽くレストアをしたいと思っています。

その他の部分は作業しながら追加すべき箇所があれば
行うことになります。
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話は変わりますが、少し前に当社で販売したZ1が
車検で入庫しています。遠方よりわざわざお持込み
いただいて感謝です。

段取りの関係で車検を先に通し、その時点で
見積りを行いました。
その後天気が良い時に試乗チェックを行っています。

この時にエンジンの調子が少し悪いことに
気が付きました。
オーナーさんにはお預かりしたときに
調子が悪いとは言われていません。

明らかに調子が悪い場合は解りやすいので
当然それを治してというオーダーが入ります。

ですが今回のように走ることが可能で、
微妙な感じの調子の悪さの場合、
オーナーさんは気が付いていなかったり
することもあります。
または気づいていても当社に伝わっていない時も
あります。

これが明らかにどこかが壊れ調子悪いとなれば
解りやすいのですが、接する回数が多く、
徐々に少しずつ悪くなっていれば意外と
気が付かないものです。

こういう時こそ車検などの検査をする
意味があります。

先ほどGPZ400Fの純正キャブでも書きましたが、
私たちが本来の調子を知っているからですね。
良いものを知らなければいいも悪いも解らない。
悪いことに気付かなければ本来の調子に戻すことも
当然できません。
本来の調子に戻せてこそ整備士の存在する
理由ができます。

この車検の最初の見積り時に私たちはその不具合に
気付いていませんでした。
乗っていなかったからですね。

結局そのエンジン不調の原因を特定し修理が完了するまで
まる1日以上かかりました。
一つの箇所が壊れているなどではなく、少し調子が悪くなった
箇所が複合的に絡んで微妙に調子悪いとなっていたため
簡単に答えを見つけることができなかったわけです。
慣れている車種なのにかなり手こずりました。

そこで、こういう場合の請求はどうするかといえば
今回、部品代、外注で費用が発生したところのみ
いただいて、当社の工賃はいただかないことにしました。

この車両を販売したのが約6年前ぐらいだったと
思うのですが、当然保証期間内などではありません。
ですがそうする理由があります。

本来見積りというものは事前に大体の金額を
お客さんに知っていただくためにあるもので、
それを大幅に超えることは出来るだけ少なくなければ
いけないと思います。

意図的な悪い商売で、安いですよと勧誘し、
アップセルで最初の金額より大幅に高い金額を請求する。
そういうことを平気でしているところもあります。
古いバイクの整備は簡単な作業でもないのに
安いなんてことそもそもあるわけないのですが。

今回最初の見積りで当社はいくらぐらいですと連絡し、
その金額を聞いてそのお客さんはタイヤ交換も
するという事になりました。

最初の見積り金額が今回何の作業するか判断の
基準になるわけです。

それが見積り時に気が付かなかったからと言って
後で追加作業になった部分を全て通常通り請求するのは
おかしいと考えます。

何の作業にしても見積り時にすべてを把握することは
できません。
特に持込で行われるエンジンオーバーホールなどは
その典型です。分解してみないと見積りのしようがない。

こういう場合は事前にこういうことがあれば
その分は追加費用が発生しますと言っておくのが
当たり前。

それで予算オーバーになる恐れがあるなら
発注しないという選択がお客さん側もできますし、
仕事を受ける側も割が合わないなら受けないという
選択もできる。
どちらにとっても良い判断ができます。

結局今回の作業を普通に調子が悪いと受けていれば
部品代別で10万円ぐらいは請求していたと思います。
入庫時走れる状態ではありましたが、
徐々に少しずつ悪くなっていくので
いずれ走れなくなっていたと思います。
という事は車検を受けた今回治しておくのがベストです。

他にもオイルクーラーのホース部分からオイル漏れが
発生していました。これはめったに起きない事例ですが
今回先ほどのエンジン不調の部品代などで
1万円ほど追加でいただく必要があるため、
こちらも修理した部分の請求しませんでした。

勘違いしてほしくないのは、私がいい人で
何でも安くするわけではなく、
必要な部分はきちんと請求するが、今回のような
見積りであらかじめお伝えできていなければ
出来るだけのことはするという考えだという事です。

遠方からわざわざ持ってきていただいて、
取りにも来てくれる。

言葉の上ではありがとうございますと
言っていても、こういう場合でも通常と同じ
満額請求を平気でするなんてのは、
もし自分が請求される側だったならどう感じるでしょう。
私だったら嫌だなと思うので
それをできるだけしたくないだけです。

ここで私が人の良い人間ではないいう事で
一つ書きます。

以前販売車両GSX-R750について書いた文章の中で
以下のことを書いています。

以前もっと後の年式の同じくスズキ750cc
ネイキッドモデルにオーバーホールした油冷
(同じく750cc)エンジン、さらにFCRキャブレター、
当社製マフラー、足回りから全て手が加わった
バイクの事を思い出しながら試乗したのですが、
ノーマルでもそのネイキッドバイクよりもエンジンも
車体も楽しく、面白かった。
造られた背景、本気度が違うからです。
やっぱり良いバイクです。

こういう感じです。

この記事を読んだ、元当社でお付き合いのあった方から
こういうことは書く必要はないのではないかと
ご連絡いただきました。
どうもその方の所有されているバイクの事を書いたと
勘違いされたようです。
そう思えば気分が悪いことでしょう。
そのお客さんのバイクのことを書いたのではないのですが。

そもそもその方のバイクは400ccベースですから
違うのですが、誤解を生んでしまったようです。

大体比較する時は形態的にできる範囲で似ているものを
比較する方がよく、GSX-R750はリヤがモノサスなので
2本ショックのものとは比較せず、モノサス同士で
比較するほうが良いです。
400ccベースで採算が合わなくても
ワンオフ的に頑張って製作したのですがね。
残念です。入庫時よりずいぶんよく走るようになったと
思うのですが。すでに仕事のやり取りは
ない状態でしたが、もうお付き合いすることは
ないと思います。

先程のわざわざ遠くても持ってきていただけるような
お客様に時間を使います。

まずホームページや、フェイスブックなどで
紹介しているバイク以外にも、販売したバイクや、
整備したバイクがあります。

盗難が怖い、奥様に知られるのが嫌(笑)など、
いろいろな理由があって文章には書いてよいが、
写真をそれらに紹介しないでと言われる方が
結構います。
ですので、皆さんにお見せしていないバイクや、
変わったバイクもあります。

中にはたまたま手に入ったバイクを
良いバイクではないと解った上で大金と
手間をつぎ込み自分だけのバイクに仕上げる人もいます。

当社ではできるだけ良いものをお勧めしますが、
そもそもどのバイクを買うかという事は自由です。

その上で先ほど書いた750ccのバイクは
車両持込でいろいろ頑張って手を加えたのですが、
それでもGSX-R750には及ばない。

そのバイクのオーナーさんは男の方で
体力的にも問題ないので最初から1200を
買った方が正解だったかなと笑って言われていましたが、
失敗例でいじっていいよ!と言っていただいています。
人間的にも大きな方です。
それで前回書かせていただきました。

他のお客様でも自分で整備する方で失敗し、
そのことを私に話してブログに書いていいよと
言ってくださる方もいます。

どちらにしても個人が特定しないように書いていますし、
具体的にこの車種が全てダメという事は書いていません。
私が負圧キャブが好きではなく変更したいと
いうようなことを書いています。

ただ結局すべての衝突を避け、
無難なことだけ書いていても読んでくれている人に
何の発見も面白みもありません。

書いている内容が今回のような誤解で不快であったにしても、
まずは書いていることは私のバイクの事ですか?
ぐらいの質問があってコミュニケーションが取れることが
大切なのではないかと思います。
それが一方的な内容でこうだと決めつけられてまで、
私も無理にお話しをしたいとも思わない。
そう、いいだけの人ではないのです。

自分の持っているバイクにもし欠点があったとしても
改良すればよい。という事は修理と同じで
問題がある部分はあらかじめ知っておいたほうが良い。
あらかじめ知っておけは買って後悔しなくて済む。
わたしはそう考えています。

ですのでそれで書くなと言われても
それはできませんね。

そして新たにバイクを購入する時、
絶対にこれと決まったバイクがないのであれば
出来るだけ良いバイクを紹介するので
その中から自分の興味のあるものを買っていただくのが
良いと思うわけです。

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