GPZ900Rの水温テスト

販売車両

7月の暑い日に、販売車両GPZ900Rの水温テストで試乗しました。
この車両はラジエター回りを他車種に変更したものです。

肝心なのは夏場に純正よりも冷却のファンが
適度に早めに回るように変更すること、
これはGPZ900Rがかなり水温が高くなってから
回るようになっているからです。
マニュアルに改造している方もいますが、面倒なので。



ラジエター回り変更の一番の目的は夏場に水温が
少し余裕がある程度に冷やしたいこと、
そして冬場に冷えすぎないことです。

こうなると1年がかかりで調べる必要があります。

ラジエターを変更する時にはとかく夏場の事だけ
考えることが多くなりますが、
冬のオーバークールもよくありません。

この車両のエンジンはノーマルですが、
エンジンは絶好調、燃焼状態がよいわけです。
昨年の冬に走行テストして、冬場の水温が
問題ないことは確認できてました。

そしてようやく暑くなって今回のテストです。
結果は大変良く、純正ほどには水温系は
上がっていかず、走っている時には
純正水温計の3分の1ぐらいまでですね。

そして長めの信号待ちでメーターの針が
大体中央を過ぎたころぐらいでファンがまわり
それ以上は上がらないようです。

エンジンに手を加えた時のことも考えているので
大体予定通りの狙った状態に仕上がりました。
車体回りのテストは作業時すぐに出来ればよいのですが
このように水回りなどは季節によって変わりますから
確認をするには時間がかかります。

サーモスタットがついているので、
容量が大きいタイプでも問題ない理屈ですが、
今まで取り扱った車両で、ラジエターに大きすぎる
物がついている場合はやや冷え過ぎの傾向が
ありました。

さらに見た目なのですが、昔は変更されていることが
強調されたものを好まれる方が多かったようですが
今では割合的に、ノーマルの雰囲気が大きく
変わらないものを好まれる方が多くなっています。
私は昔からそうですが。

レストアをするにも整備をするにも事前の段取り、
準備が大切で、このラジエター変更にも
沢山ラジエターを買い込み、構造や採寸、
実際に取り付けが可能かどうかも含め検討し
その中で一番相性が良さげなものを使用、
無事良い結果が得られました。

ラジエターのステーの方はもっと良いものを
思いつけば作りたいと思いますが、
今は思いつかないので純正を改造したものに
しています。

ただこのラジエター変更ですが、
見た目取り付けは簡単に見えますが、
実際には取り付けがかなり大変です。

ラジエターにもラジエターステーにも
加工が必要で、オイルクーラーステーも
作り直さなくてはいけません。

という事は作業する時間も確保しなくては
いけませんし、取り付け費用も高くなる。
これ一台、今回のみかなという気がしています。

それでも何かしら対策品を作っておくことは
重要なことだと思っています。

もう一度8月のさらに暑い時にテストします。
始動動画も撮ろうと思っています。













当社は古いバイクの整備や販売が業務の中心になっています。

車体のすべてをばらして行う多くのフルレストア車や、
そこまでいかないにしても前後の足回りやエンジンを降ろしての
部分レストア作業、エンジンフルオーバーホール作業を
1年中、それをさらにもう25年ほど続けています。

当社に来てもらえれば常に5台以上、今では
10台以上の全バラ状態のバイクがあります。

常に予定は詰まった状態で、単品作業は
ほとんど断っています。

単品作業とは、エンジンオーバーホール、
車両の購入やレストアなどではなく
一つの部品だけの作業などです。

先日は当社の車両によくつけている
スイングアームを作って欲しいとのことでしたが
とても作業できる時間はないので
申し訳ないのですがお断りさせていただきました。
その他にもミッションの加工や、クランクの作業、
マフラーの製作など、単品作業はお受けできない
状況です。

目先の利益よりも優先させなくてはいけない
作業があるからです。
こんな、いつも時間に追われた状況では
ありますが、その甲斐あって
知らず知らずのうちに経験値はあがり、
どのバイクを仕入れ、整備して販売することが
お客様にとって、さらには私たちにとっても
良いのか解るようになりました。

よく、家のリフォームだ、車やバイクのレストアと
言っても、一定のレベル以上のものを完成させないので
あれば、ただ数をこなしたり経験年数が長くても
意味がありません。

特にフルレストア車を完成することは
単にお金の問題だけでなく、粘り強さが求められる
非常に難しい作業となっており、
今当社でも特に条件が合った方のみ
お引き受けする形となっています。

台数にすれば1~2年に1台で、今後はさらに
減らさざるを得ない感じです。
理由は一つでなく複数のことが絡んでいるので
ここでは書きません。
以前は年4台まで受けていました。

フルレストア車を減らすかわりに、
今まで注文いただいている車両を1日でも早く
完成させることに一番注力し、
さらに会社を継続させるために
部分レストア車販売や、エンジンオーバーホール、
程度の良いもののみの現状販売の作業を
続けていきます。

ただ、今までフルレストア車を作り続けたことで
非常に多くのノウハウを得ることができました。

一番は仕入れの目が育ったこと。

バイクを仕入れる時には、ばらして中身を
確認してから手に入れるという事ができません。
限られた情報の中から想像、推察し
購入します。

もちろん古いバイクになればなるほど
人の手が介入された回数が多く、仕入れ時の
判断は難しくなります。

仕入れの目が育った一番の理由は
フルレストア前提でバイクを仕入れ、
その車両を全てばらし、レストアの過程で
一つ一つの部品をそれこそネジの1本まで
掃除し、状態を確認をしたことです。

その時に外から見て、車体の程度を推測した
イメージと、
実際にすべてをばらして掃除し、状態確認した時の
違いがどれ位あるかの経験を積んだことです。

そしてこの時外から見た時の推測と
実際のばらした時の状態がなるべく小さく
なるように修正を続けてきました。

また当社の取り扱いはカワサキのZ系が
今まで一番多かったのですが、
この車両は国内でも海外でも改造されることが多く、
ホンダさんなどの他メーカーよりも人の手が入る
割有が高いのです。
この難しいカワサキZ系の外から見た時と、
実際に中を隅々まで見た時の誤差を少なくする
経験を積んだことが大きいと思います。

これにより、ある程度分解前から
車体の状態が推測できるようになり
お客様に多くのメリットが得られる状態に
なっています。

つまり、同じ金額なら良いものに乗れると
いう事です。

次に多くのレストア作業で得た、
大きなメリットその2は、仕入れたものに問題が
ある箇所があっても対処できること。

どんなバイクでも製造されてから
年数が経ち、人の手が介入することにより、
色々と問題が起きてきます。
人はミスをしますから。

また人の手が入ったものでなくても
最初から設計が悪かったり
部品そのものが不良品だったりする
事もあります。

また新車から未登録車で、1キロ走っていない
バイクであっても置いておくだけで
バイクは傷んでいきます。
その時にはどういう整備をすればよいのか、
それも解ります。

それでも、外からある程度バイクの状態が
推測できるようなったと言っても
100%解るわけはありません。

それらの劣化や、人の作業ミス、元々不良品、
傷んだ部分をその都度臨機応変に対処できる
能力が備わってきたということです。

これにはマフラーメーカーではなく
生産量が少なすぎて毎回赤字になりながらも
マフラーを作り続けてきたことも
大きなメリットがありました。


車体を仕入れ、販売する時が、
一番のまとめて整備をする良いタイミングです。

その時安いボロを買ってきて
それをレストアするが良いと思い込んでいる方が
多く、実際に私が知っている範囲でも
そう言う店があります。

もちろんこれはバイク屋さんや、車屋さんそれぞれの
考え方があります。自分に合った店を選んでください。

私はできるだけ良いものを手に入れ、
それをベースにレストアするのが良いと考えます。

この時に絡んでくるのがお金のことです。

ベースにする車両もボロの方が安く、
程度の良い物の方が高いのは当たり前です。

特にレストアを施すときには多くの部品を
交換したり、手直しをします。

ですので結果として価格の安いボロを買った
方が安く上がるのではいいのではないかという
考えです。

ここでそれは違うとはっきり言うことができます。

それは完成時のレベルの低い物でよいと
いう場合にのみあてはまり、
(つまりたいした整備済み車両ではない)
もし一定レベル以上、好調が長く続き、
状態がの良いものを手に入れる前提であれば、
最初に程度の良いものを手に入れ、
それをベースにレストアやオーバーホールを
施す方が安くて納期も早く良いものを
手に入れることができます。

これは100%間違いのない事実です。

一番の理由はレストアや、オーバーホールで
あっても再利用する部品が数多くあるからです。

程度が悪く部品を交換したいとなって
全ての部品が簡単に手に入ると思っているのでしょうか。

たいして古くない車種でもすぐに欠品になります。
代わりの部品も純正以上のレベルのものが
簡単にあると思います?

そんなわけはありません。
ある程度まともな良いものに乗りたければ
最初に良いものを手に入れるのが
一番安上がり、確実です。

その仕入れたバイクのどの部分に
誰が整備メニューを決め実際に作業するのは
誰が良いのでしょうか。

ここまで読んでこられた方は
おわかりのように当社で目的にも応じて
良いものを選別して仕入れます。

では実際に入庫したバイクを整備するのは
誰が良いのか、またどの部分を整備するかを
決めるのは誰か?

それはメーカー、車種に、年式などによって
違います。

程度の良いものを見分けられるからと言って
全て私たちがすればよいという考えは
間違っています。

その車種に詳しく得意な方が作業するのが
ベストです。

例えば今当社で仕入れて
販売車両として持っているバイク
GPZ900R、GPZ750、GSX-R1100などいわゆる
古いバイクは当社で行います。

では少し前に販売したH2、
先日入庫した新車の状態に極めて近い
CBR1000RRなどはどうでしょうか?

どちらも状態が良いのは確実です。

ですがこれらのバイクは当社で整備をするより
それが得意な店でどこをどのように整備するか
決めてもらうのがベストです。

まあ、はっきり書けば、当社で販売したH2と
いまあるCBR1000RRは普通の車検整備、
オイル交換などで乗れます。

この時にネットに出ているような情報を
鵜呑みにして、購入する方が車体も見ていないのに
あれこれ余計に先回りして指示し、
あれもこれもというのはどうなのでしょうか。
まず普通に点検する程度で状態だけ把握し、
余計なことはしない。

この時に例えばフォークのオイルが滲んでいる、
などあれば修理すればよいし
セルの回りが弱ければバッテリーを交換すればよい。
タイヤなどもおなじ。

バイクも車も作り方が大きく変わったころ合いが
あります。

いわゆる当社のメインの取り扱い車種のように
エンジン降ろして分解して当たり前の頃のバイクと
そういう整備をすぐにする必要はないバイクがあります。

それを判断するのはあくまで売る側であり、
それをだたしく判断できるのも
店側の能力と言えると思います。















ただ、この仕入れ時の価格が高すぎないことが
大切です。古いバイクや、人気のある車種であれば
程度以上の価格がついてしまいます。
つまりブランド品のような状態です。





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