できない人は触らない

車体、エンジンを整備するために分解していると
いろんなことがあります。
DSC08256.JPG
この車両は持ち込みで、エンジンまわりの整備を
するために分解しました。
これはクラッチまわりですがついている
ボルトに違うものがあります。
典型的ダメ整備です。無くしたりして適当に
その辺にあったものをつけたのでしょう。
こういう部分があるものは、他の部分もダメな
部分があると考えて良いです。
以下同じエンジンです。
DSC08266.JPG
ジェネレーターのローター部分の写真ですが
ドライバーの先端部のネジはこのローターを外す為に
設けられているものです。
長いことこの仕事をしていますが
ここを壊しているものを見たことはなかったのですが
今回は壊されています。
このような普通壊れない箇所のサイズのタップは、
持っていないので四苦八苦します。
今回も手間取りましたがなんとか外せました。
とどめはここです。
DSC08293.JPG
DSC08286.JPG
クランクケースを分解してみると
既に折れたボルトがついていました。
このボルトを外す時に折れたのではありません。
最初から折れているものを、組んであったのです。
そのためネジが2山程度しかかんでいませんでした。
上の写真は、左側。
DSC08291.JPG
こちらは右側でボルトは折れていませんでしたが、
こちらもヘリサートが入っています。
ヘリサートはとても優れたもので、マグホイールなどは
ネジ山強化のため最初から入っているものもあります。
ですがきちんと使いこなせていないで、かえって
状態を悪くしているものをよく見ます。
私が開けたエンジンでは半分以上は壊れていて
「できないなら、そのまま触らないでくれよ」
と思うばかりです。
どちらも怪しいと思いこのあとヘリサートを抜いて
中を確認すると、ボッコボコに壊してありました。
中に折れたボルトが左半分弱ほど残っていて
上手にネジを切ることができず、斜め右にまがって
ネジを切っていました。
しかも穴は大幅に大きくなっています。
このあと悩みまくり、このネジ2本の修理に
6時間を要しまだ終わっていません。
あと1時間はかかります。
この部分はクランクシャフトを抑える重要な部分で
ここはきちんと直す必要があります。
またこの部分は、オイル通路に近く
治し方に一層の工夫がいります。
完成後にオイル漏れが起きる可能性もあります。
このようなことを避けるにはベース車両を
きちんと選別することが必要です。
なるべく状態のよいものを、なるべく安く購入する。
これが鉄則です。
悪いものを高く買ってしまっては、勝負になりません。
このエンジンもばらす前に、あちこちベンガラ色のはみ出た
液体パッキンを見たとき怪しいと思っていました。
組んだあとは少ししか走っていないようですが、
エンジンは普通にかかっていました。
壊すような間違った乗り方をしなければ、Z系はほとんど壊れる
ことはないのです。きちんとしたものさえ買えば。
買う目に自信がなければ解る人から買う、
修理に自信がない、あるいはできないのであれば
(店も含む)できるなんて言わないで
できるとこに頼む。当たり前ではないでしょうか。
このようなエンジンや、車体を見るたび、そう思うのです。

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