カワサキ重量車と軽量車 3 (すべての基準はZ1にあり)

販売車両

私の古いバイクの基準になるバイクは
カワサキZ1になります。

その理由としてこのバイクはエンジンも車体も
ノーマルに近い状態でも充分に走り、曲がり、
そして何よりも大切な運転しての楽しさが
あるからです。

この時代のバイクは高速走行になると
車体が少し不安定だったり、ブレーキの効きが
足りなかったりして、Z1もそれにあてはまります。

ですが1970年の初めに登場したこのバイクは
カワサキで初めて作られた大型4気筒の
バイクであるにもかかわらず、
メーカーの本気度から誰もが認める名車に
なりました。

高速走行が不安定と言っても、高速道路の
ような場所でアクセルを開け続けた時に
ヨレヨレ不安定になるだけで、普段
日本の道を加速減速曲がるといった走り方で
大きな問題になるほどではありません。

むしろ雑に作業されることにより
元々の状態より悪くなってしまっていることに
問題があります。

名車である理由を上げればノーマルでも
充分に加速するエンジンのトルクと出力、
素直なハンドリング、キャブレターは
強制開閉式がついており、
機械的にも、電気回り、各配線類なども
極めてシンプルに作られており、
それゆえにこの車格でも軽かったことも
あると思います。

ノーマル車を今の基準で考えれば
速いなどという言葉はあてはまりませんが、
運転操作に対し素直でダイレクトに反応
それなのに多少運転者が操作を誤っても
大きなミスにつながらないおおらかさもあります。

もちろんブレーキ、クラッチの操作、
ミッションのシフト具合、サスペンションの動き、
エンジン出力、キャブレターにも
現代の交通事情から安全に走ることを考えると
手を加える方がいいでしょう。

ですがこの約50年も前のバイクが、
現代の基準で見てノーマルのままでも
きちんと整備さえ行われていれば
運転が楽しく、面倒なトラブルもほとんどない。
そしてスタイルも美しい。

この名車Z1こそが私の基準です。

それから後に販売されたバイクは
確かに世間の声を聴き、改良された部分も
ありますがそれゆえに失った部分も多い。
Z1をチューニングするにしても、
元々持っている良い部分をさらに
伸ばしたいもので、私もそう心掛けています。
名車をダメにするのも良くするのも
整備士次第です。

あくまで私1個人の考えですが、
そのあと販売されたバイクそれぞれを
このZ1と比べるとどうなのかという見方を
するのはとても面白く、
後の年式のバイクを手を加える際には
Z1にはあり、それら後のモデルが失ったものを
取り戻すために手を加えているような感じです。

とにかく余計なものをつけすぎ、
バイク本来の良さ、シンプルで
車輪にエンジンがついているだけの乗り物、
その面白さを失ったものが多い。

運転に集中しないひとや、雑な運転をする人に
合わせすぎてバイクを作っていては
それらがきちんとできる人、
運転を楽しんでいる人にはつまらない
乗り物になってしまいます。

最近はカワサキ重量車と軽量車 の話で
書いてきていますので、
Z1そのものや重量車系ではなくZ1の楽しめる部分を
存分に引き継いだ軽量車系の完成形と
言ってもいい販売車両GPZ750に
当社ではどのように手を加えるのかを
書きたいと思います。

これも意味のない余計なことはず、
GPZ750の元々持っている良さに
さらにZ1の持つ運転しての楽しさ、
素直さとダイレクト感をさらに加える
作業となります。

その伸びやかなデザインの血も
引き継いでいますよね。

まず抜けが悪くとても重い純正マフラーを、
とても軽量なチタンマフラーに換えます。
チタンマフラーでも重いものは
たくさん売られています。
それは名前だけで意味がない。
しかもそういう商品は安くもないことが
多いです。

ちなみにZ1の純正マフラーは後期の
モデルよりもが抜けが良いと思います。
ただ、鉄の塊で4本ですから重いですが。

GPZ750は元々負圧式のキャブレターがついていますが、
Z1のように強制開閉式のFCRキャブレターに変更し、
アルミ削り出しファンネルを使用します。

サイズはZ1などに使われる35mmサイズになります。
GPZ750は前回書きましたがヘッドの実力は高く
このサイズで本来の力を引き出します。

誤解をする人がいますが口径の大きいものが
偉いのではなく、
ヘッドの設計など、元々のポテンシャルに合う
サイズのモノを使用するのが良い判断で、
今回はそれに合わせたサイズが35mmだということです。

純正のスロットルホルダーは使えなくなるので
JB製アルミ削り出しスロットルホルダーキットに変更。
それに伴い右側のスイッチボックスは幅の狭いタイプに
交換となります。左側は掃除して再使用の予定。

これで吸排気は整いましたから、
次はエンジンです。JB製鍛造ピストンを使って
エンジンオーバーホール。
純正部品も必要な部品すべて欠品なく
手に入りました。

このエンジンならではのレスポンスと
上まで気持ちよく回る吹け上がり感を体験してください。
これは高耐久なピストンによる適切な圧縮比だからこそ、
また他の部分がきちんと整備できているからこそ
感じられるものです。

車体側も整備とレストアします。
ステムベアリングは交換。
フレームは状態が良かったので再塗装するかで
かなり悩んだのですが、エンジンオーバーホールや
車体部品が綺麗になってきたのでバランスをとるために
再塗装しなおしました。
ステムベアリング交換時の写真は再塗装前の状態です。
一部しか写っていませんが状態が良いのが
解ると思います。

フレーム再塗装後の写真です。

フロントフォークもアウターチューブはレストア。
インナーチューブは再メッキ。
今回はアンチノーズダイブ機構をキャンセルする関係で
レートが不足するためスプリングを変更します。

こういう部品を作ってくれているお店に感謝です。

充分な強度のあるスイングアームはレストア
して使用。
車体の小物類もすべてではありませんが、
元々塗装されているものは殆どのものを
ブラスト後に塗装しレストア。
(写真を組みながら撮影するのでそれらは
今回写真はありません)

メインハーネスは今回程度が良く整備して
再使用。リヤショックも清掃して再使用です。
予算が許すならリヤショックやホイールを交換すれば
さらに良くなるでしょう。
ですが、ノーマルに乗って、
後日の楽しみにとっておくのも良いと思います。

外装は黒赤系で再塗装しました。
美しく仕上がっています。

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写真は組付け時に撮影するのでありませんが、
リヤショックは清掃して再使用、
電装系は組み立て時に状態を見ながら
再使用か、交換かを決めます。
ホイールは軽くレストアして使用。
ホイールについては後日交換する人も
多い為、軽めにレストアすることにしています。

ブレーキ回りは前後ブレーキを分解整備して使用。
フロントブレーキのマスターシリンダーは
ブレンボのラジアルポンプタイプに変更します。
大変優れたマスターシリンダーです。

コストの面でいえば、本来
エンジンオーバーホールとFCRキャブレターと
チタンマフラーぐらいだけでも本来200万円コース。
それにベースにした程度の良いGPZ750の
ベース車両代と全体をばらした上での
整備、部品、部分レストア代ですから、
この辺りは販売価格が高くなりすぎないように
考えたうえでの判断です。
なるべく購入したい方が買える金額に
したかったのです。

販売価格は300万円台前半を予定しています。
これは今現在の販売価格で、
完成後のご注文は仕上がり具合と
かかったコストを再計算しますので
多少上がるかもしれません。
仕上がりは予定よりも良くなることが多いので。

今現在フルレストアを受ける時の代金は
ベースに使用する車両代別、
ノーマルに近い仕様で約450万円から
500万円台になっています。

レストア車を手に入れるのは本当に
難しい時代になってきました。

いかにこの車両の価格に価値があるか
お解りいただけると良いのですが。

ベースにしている車両の状態が良いのは
もちろんですが、とにかく考えられるすべてを
工夫しこの価格になっています。
次も同様の価格で手に入るとは思わないで
ください。
あくまで良いベース車両が手に入り、
プライベートな時間まで突っ込んだ上での
販売価格です。

消耗品のタイヤ、チェーンなどの部品は交換。
メーターなどは清掃して再使用。
エンジンには保証が付き、車検も完成時に
再取得します。
ETCが必要な方は別途費用がかかります。

問合せいは電話097-542-3383か
問い合わせフォームからお願いします。

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